スピーカーシステム改造[KENWOOD LS-SK3-L] ~測定・試聴編~

前回の記事でエンクロージャーの改造作業が終わり、一応形になりました。

今回は、先ずツィーターに接続するハイパスフィルターのコンデンサー容量変化させながら周波数特性の測定を行い、最適な容量値を決定してネットワークを完成させます。その後、試聴を行います。


このスピーカーは、ケンウッドのミニコンポRXD-SK3MDという製品の付属品です。





関連記事

スピーカーシステム改造[KENWOOD LS-SK3-L]




測定

ハイパスフィルターコンデンサー容量決定


このスピーカーに使われているウーハーには、インピーダンスが印刷されておらず値が不明のため、最初にウーハー単体に0.25mHのコイルを接続した状態で周波数測定を行い、高域でのレベルダウンが始まる周波数(ローパスフィルターが効きはじめる周波数)を確認して、クロスオーバー周波数を決定します。また、それを元にツィーターに接続するコンデンサー容量も算出します。


使用ソフトウェア・測定条件

多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene V1.40 efu氏
高速リアルタイム スペクトラムアナライザー WaveSpectra V1.40 efu氏
入力信号:サインスイープ20Hz~20kHz
マイク位置:ユニット軸上1m


以下、ウーハーの周波数測定結果を掲載します。
  • ケース1:ウーハー単体(追加マグネットなし、コイルなし)
ウーハー単体(追加マグネットなし、コイルなし)
ウーハー単体(追加マグネットなし、コイルなし)


これは以前、構想編で掲載したものと同じです。高域は9.5kHzより上の周波数帯で急降下しています。低域は1kHz付近より下の周波数帯が緩やかにレベルダウンしています。これは、ユニット単体で鳴らしている為バッフル効果が全く効かないからです。



  • ケース2:ウーハー単体(追加マグネットあり、コイルなし)
ウーハー単体(追加マグネットあり、コイルなし)
ウーハー単体(追加マグネットあり、コイルなし)

1の状態と比べて中高域ではレベルアップ、逆に低域ではあまり変化がないように見えます。そのため、80Hz~1.4kHzの斜面が少々急になりました。また、中低域の周波数の暴れが減少しているようにみえます。10kHzより上では急降下しています。高域が少し伸びたかな?。



  • ケース3:ウーハーのみエンクロージャー取付け(追加マグネットあり、0.25mHコイルあり)
ウーハーのみエンクロージャー取付け(追加マグネットあり、0.25mHコイルあり)
ウーハーのみエンクロージャー取付け(追加マグネットあり、0.25mHコイルあり)

中低域(80Hz~800Hz)が中高域と同等レベルまで上昇しています。高域は0.25mHのコイルを接続した影響で、2に比べて8kHz付近からレベルダウンしています。この状況から判断するとウーハーも16Ωのようです。ツィーターが16Ωだったようなので当然といえば当然ですね。

当初ツィーターと5kHz付近でクロスする予定だったので、予定が狂ってしまいました。この測定結果からすると、8kHz付近でクロスする必要がありそうです。

コンデンサーの容量は1μFから1.5μFあたりで調整して行きます。オリジナルとあまり容量が変わらなくなってしまいました。コイルを入れてウーハーの高域レベルを落としているので、つながりやすくはなるはずですが・・・。



ここからは、エンクロージャーにツィーターも取り付けて、コンデンサーの容量を変化させつつ測定して行きます。
  • ケース4:ウーハー+ツィーターエンクロージャー取付け(コンデンサー1μF逆相接続)
ウーハー+ツィーターエンクロージャー取付け(コンデンサー1μF逆相接続)
ウーハー+ツィーターエンクロージャー取付け(コンデンサー1μF逆相接続)

オリジナルではウーハーとツィーターが正相で接続されており、クロスオーバー周波数付近で落ち込みがあったので、先ずは逆相接続を試してみました。7.5kHzより上の帯域がツィーターを追加したことによりレベルアップしています。5~6kHz付近に落ち込みがあります。ツィーターとの干渉でしょうか?。やはり正相接続の方が良いのかな?。



  • ケース5:ウーハー+ツィーターエンクロージャー取付け(コンデンサー1μF正相接続)
ウーハー+ツィーターエンクロージャー取付け(コンデンサー1μF正相接続)
ウーハー+ツィーターエンクロージャー取付け(コンデンサー1μF正相接続)

9kHz付近に落ち込みがありますが、こちらの方が4と比べて特性がいいですね。オリジナルと比較しても、ツィーター再生帯域でのレベル低下が少ないです。



  • ケース6:ウーハー+ツィーターエンクロージャー取付け(コンデンサー1.5μF正相接続)
ウーハー+ツィーターエンクロージャー取付け(コンデンサー1.5μF正相接続)
ウーハー+ツィーターエンクロージャー取付け(コンデンサー1.5μF正相接続)

こちらの方が5より更に良い特性です。これでコンデンサー容量決定・完成とすることにしました。オリジナルのツィーター再生帯域レベル低下は、コストダウンによりコンデンサー容量を少なくしている(=単価が安くなる)ことが原因でしょうか?。



ところで、バスレフポートの共振周波数を80Hz付近に設定したはずなのですが、100Hzにピーク出る理由が良く分からなかったので調査をしてみました。今まではセッティングのしやすさからこちらの記事で紹介しているスーパーウーハーの上に載せて測定していました。しかし、それが影響しているかもしれないと思い、代わりにスピーカースタンドに載せて測定してみました。

ケース6の状態でスピーカースタンドに載せて測定
ケース6の状態でスピーカースタンドに載せて測定

計算どおり80Hz付近にピークがあります。やはり、スーパーウーハーの上に載せていたことによる悪影響が、100Hz付近の強調につながったていたようです。



また、バスレフポートにマイクを接近させて測定してみました。
(※この測定のみホワイトノイズを入力しています。)

バスレフポート部
バスレフポート部

80Hz付近にピークがあることが確認できました。



試聴

周波数特性どおりの素直な音です。ソフトドームツィーターが刺々しさのないやさしい音なので、聴き疲れもしにくくBGM用途に向いています。

ポップスをながら聴きするにはちょうど良い感じです。しかし、エレキギターなどの意図的に歪ませた音楽を聴くには素直過ぎるので、そのような用途にはもう少し荒々しい音のスピーカーの方が迫力が出て良いかもしれません。

60Hz付近に落ち込みがありますが、中域に対してレベルが低いとはいえ一応40~50Hzも出ているのでバスドラム、ベースギターも聞こえます。周波数特性上ではオリジナルとあまり違いがないです。しかし、オリジナルでは周波数特性上は出ていても、低域の解像度が低く中域にマスクされてしまって聞き取りにくかった音が、改造後は輪郭がはっきりとして聞き取れるようになっています。

このウーハーユニットは振動板を重くして中高域の音圧レベルを抑え、f0を低くとった設計(いわゆるウーハーの設計)なのでしょうが、マグネット追加で磁気回路が強化されたことにより、中域が軽々と出るようになったのでフルレンジのような音になりました。中低域の制動力も上がったようで、ボーカルやスネアドラムのはじける音が良くなったみたいです。

クラシックを聴くには、50Hzくらいまで中域と同等レベルで出て欲しいところです。オーケストラでは迫力が出ずにこじんまりとしてしまいます。もともとクラシックを聴くことを想定してるスピーカーではないとは思うので酷な注文だとは思いますが、高域がきれいなだけにちょっと残念です。



まとめ

ここまで低価格なミニコンスピーカーを改造してきました。このスピーカーは元々の作りが価格のわりに良く出来ていてびっくりしました。板厚は全体的に薄めですが、フロントバッフルはパーティクルボードで12mmありますし、上下左右の板は6mmですが、高密度タイプのパーティクルボードを使っていたりしていて、低予算でも足りないものは工夫をこらしてカバーしているように見えます。ユニットもうまくまとめられている感じです。

ただ、低予算の一番の被害者はツィーターのようです。ハイパスフィルターコンデンサーにしわ寄が来てしまった関係で、実力を発揮できていなかったようです。今回は指月の工業用フィルムコンデンサー(オーディオ用途ではない)を使いましたが、コンデンサーの交換だけでツィーターの音がかなり良くなりました。

もうひとつ言えるのがミニコンのアンプが非力なこと。そのおかげで、スピーカーが実力を発揮できていませんでした。今から発売するのなら、D級アンプ(デジタルアンプ)に変更するだけでかなりの音質向上が期待できそうです。

元々自宅に使われないまま放置されていたスピーカーですし、遊び目的の改造なので失敗してもいいやと思っていましたが、思ったより良く出来たと思います。


JVCケンウッド 関連商品
Speaker System (木目) LS-K901-MCD Tuner Amplifier A-K805


にほんブログ村 PC家電ブログ オーディオへ
にほんブログ村

にほんブログ村 PC家電ブログ ピュアオーディオへ
にほんブログ村
関連記事

テーマ : オーディオ
ジャンル : 趣味・実用

tag : オーディオ スピーカー スピーカー工作 KENWOOD ケンウッド LS-SK3-L

広告
Google検索
プロフィール

meridianstar

Author:meridianstar
元システムエンジニアの成れの果ての姿。
詳しいプロフィール:はじめに

contact
※ブログ内容にそぐわない質問の場合、お答えできないことがあります。ご了承ください。

Twitter:meridian15
ニコニコ動画:ヤサコ
pixiv:ヤサコ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

記事一覧
最新記事
広告
カウンター
注目しているもの
リンク(企業)
リンク(お友達)
  • Bond's Lab
    音楽とオーディオとDIYをこよなく愛する ボンド君 氏 の趣味サイト。

  • 試行錯誤
    試行錯誤 氏 のプログラミングお勉強ブログ。

このブログをリンクに追加する
RSSリンクの表示
参考書籍
にほんブログ村
QRコード
QR
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

にほんブログ村