代替スピーカーエッジ作成方法 考察・検証メモ #4

前回の記事で代替エッジに張り替えた FOSTEX(フォステクス) フルレンジユニット FE87 2個と、オリジナル状態のFE87のインピーダンス特性、周波数特性の測定を行い、測定結果の比較を行います。


代替エッジとオリジナルエッジでは、硬さ(柔軟性)が異なるため、測定結果に違いとして現れるはずです。



FOSTEX(フォステクス) FE87 オリジナル
FOSTEX FE87
(オリジナル)
FOSTEX(フォステクス) FE87 代替エッジ(柔らかめ)
FOSTEX FE87
代替エッジ(柔らかめ)
FOSTEX(フォステクス) FE87 代替エッジ(硬め)
FOSTEX FE87
代替エッジ(硬め)



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代替スピーカーエッジ作成方法 考察・検証メモ





測定

使用ソフトウェア・測定環境

多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene V1.50 efu氏
高速リアルタイム スペクトラムアナライザー WaveSpectra V1.51 efu氏
入力信号:サインスイープ 20Hz~20kHz
マイク位置:ユニット軸上1m (周波数特性の場合)



  • インピーダンス特性

先ずは、インピーダンス特性の測定結果から掲載します。

エッジを交換すると、素材やダンプ剤の違いにより張力が変化するため、それがf0値の違いとしてインピーダンス特性にも表れるはずです。



インピーダンス特性 FOSTEX FE87(オリジナル)
FOSTEX FE87(オリジナル)

基本となる、FOSTEX FE87 オリジナルのインピーダンス特性。

FOSTEX製品カタログに掲載されている公式発表値のf0は140Hzとなっており、グラフでもそのくらいになっていることが読み取れます。エッジが劣化してよれよれになっているため、もう少しf0が下がっているかな?と思ったのですが、そうでもないですね。



インピーダンス特性 FOSTEX FE87(エッジ柔らかめ)
FOSTEX FE87(エッジ柔らかめ)

次に柔らかめに作ってみた代替エッジの場合。

f0は285Hz付近になっています。ずいぶんと高くなってしまいました。柔らかめに作ったつもりではいたのですが、オリジナルよりもだいぶ硬くなってしまったようです。(エッジが硬くなると張力が強くなるため、f0が上昇する。)

また、f0の山が低くなっています。これはエッジが重くなったためm0が増加、ボイスコイル、磁気回路等の駆動系はオリジナルと変わらないため、駆動力が相対的に低下してしまったようです。



インピーダンス特性 FOSTEX FE87(エッジ硬め)
FOSTEX FE87(エッジ硬め)

最後に硬めに作った代替エッジの場合。

f0は柔らかめよりも更に上昇して、390Hz付近になってしまっていますね。

f0の山も更に低くなっています。エッジが重くなったのでm0も更に増加したためでしょう。やはり、オリジナルは手ごわいですね。




  • 周波数特性

ここからは、周波数特性の測定結果を掲載します。全てのケースにおいて、0.7リットルの密閉箱に取り付けて測定しています。(※測定風景は下に掲載した写真参照。)


周波数特性の測定風景
周波数特性の測定風景




周波数特性 FOSTEX FE87(オリジナル)
周波数特性 FOSTEX FE87(オリジナル)

先ずは、オリジナルの周波数特性。50Hz以下はノイズ(自動車のエンジン音)なので無視してください。

おおむね、200Hz~20kHzがフラットになっています。200Hz以下はゆるやかにレベル低下しており、110Hz付近に深いディップがありますが、60Hz~100Hz付近の小さな山も測定時に音が出ていることを試聴で確認していますので、ノイズではなく実際に60Hz付近まで再生できています。

まあ、再生できているとはいっても中域に対して25dBくらいレベルが低いので、実際の音楽視聴では実用的ではなく出てないに等しいですが。



周波数特性 FOSTEX FE87(エッジ柔らかめ)
周波数特性 FOSTEX FE87(エッジ柔らかめ)

次に柔らかめに作ってみた代替エッジの場合。100Hz以下はノイズなので無視してください。

240Hz~3kHzがおおむねフラット、それより上の周波数帯域では4kHz~9kHzが+10dB、10kHZ~17kHzでは+20dB近く中域に対してレベルが高くなっており、階段のような特性になっています。しかし、240Hz~3kHzはおおむねフラットではありますが、FE87オリジナル特性の同帯域と比較すると5~10dB程度レベルが低下しています。

なぜこんな特性になってしまったのか?と考えてみたのですが、おそらく、エッジをコーンに接着している部分(糊しろ)がオリジナルのFE87ではコーン下側になっているのですが、この個体では取り付け手順を間違ってしまったため(汗)、コーンの下側に糊しろ部分がうまく入ってくれず、仕方がなく上側に貼り付けてあります。

そのため、コーンがエッジに上から押さえつけられるような形になり、ボイスコイルの振幅中心が磁気回路ギャップ部の中心位置より下にずれてしまったため、動作が変化してしまったのではないか?と思います。

今後、エッジ修理をする場合の注意点として、覚えておく必要がありそうです。



周波数特性 FOSTEX FE87(エッジ硬め)
周波数特性 FOSTEX FE87(エッジ硬め)

最後に硬めに作った代替エッジの場合。こちらも、100Hz以下はノイズなので無視してください。

こちらは代替エッジの貼り付け方をオリジナルと同じ(糊しろをコーン下側)にしたため、中高域の周波数特性が柔らかめエッジの場合のような、階段状のおかしな特性になっていませんね。

300Hz~20kHzがおおむねフラット、300Hz以下は急速にレベル低下を起こしています。これはエッジが硬くなったことが原因でしょう。300Hz~700Hz付近のレベルがオリジナルより少々上昇していますが、f0がオリジナルの140Hzから390Hzに上昇したため、f0共振の影響だと思います。(密閉箱に取り付けられているため、実際のf0は390Hzよりも更に上昇しているはずです。)

高域(10kHz~)がオリジナルよりも少々レベルが高いように見えますが、これはおそらく個体差だと思います。



まとめ

代替エッジの試作、実際にユニット取り付けての検証結果により分かってきたことをまとめてみました。


  • エッジ基材(布)の条件:伸縮性があり、織り目が細かく、出来る限り薄い方がよい。

    今回はエッジ基材としてポリエステル織物の布を利用しました。この布の場合、織り目が粗いこと、厚いことが問題となっているようでした。

    ポリエステル織物は伸縮性には問題がないため、この材質でより織り目が細かく、より薄い布が市販されていないか調査をしてみようと思います。


  • エッジの貼り付け方はオリジナルと合わせる。

    ユニット口径の大小にもよるとは思いますが、特にFE87のような小口径ユニットの場合、ボイスコイル振幅中心の維持に中心的な役割として働くのはダンパーだけではなく、エッジにもかなり依存しているように感じました。

    そのため、エッジの貼り方も出来る限りオリジナルに合わせるようにした方が良さそうでした。まあ、当たり前といえば当たり前なのですが(汗)。

    また、エッジ製作時の寸法精度ももう少し上げて行きたいです。貼り付け時の作業しやすさにかなり影響します。


  • よりエッジに適したダンプ剤の調査。

    今回は、ヤマト糊のアラビックヤマト(ポリビニルアルコール)をダンプ剤に利用してみました。他にもダンプ剤に利用できそうな接着剤、充填剤はありますので、それらの調査も続行する予定です。



次回に続く・・・

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