Stereo誌2015年8月号付録 FOSTEX(フォステクス)製 10cmフルレンジスピーカー P1000 についていろいろと妄想(笑)

日本の夏、スピーカークラフトの夏。

というわけで(笑)、7月18日(土)に発売予定のStereo誌2015年8月号にも、例年どおりスピーカーユニットが付録するみたいですね。今回は「ステレオ付録史上最大サイズ、口径10cm FOSTEX(フォステクス)製フルレンジユニット P1000」が付録する模様です。

Stereo誌発行元である音楽之友社公式からの情報が解禁になりましたし、発売日まで1ヶ月を切りましたので、今出回っている情報を元にユニットの性格を妄想してみたいと思います。



Stereo
2015年8月号




関連記事リンク




仕様
  • FOSTEX(フォステクス) P1000

FOSTEX(フォステクス) P1000P1000 外形寸法図


  • 形式:10cmコーン型フルレンジ
  • 公証インピーダンス:8Ω
  • 最低共振周波数f0:90Hz
  • 再生周波数帯域:f0~16kHz
  • 出力音圧レベル:88dB/w(1m)
  • 入力(NOM):12w
  • m0:3.3g
  • Q0:0.8
  • 実効振動半径:4.0cm
  • マグネット質量:103g
  • 総質量:303g
  • バッフル穴寸法:φ94mm
  • 標準エンクロージャー方式:バスレフ型


P1000 周波数特性
周波数特性



  • ユニットの特徴
    • その1:「バナナパルプ配合軽量コーン/布アップロールエッジ」採用
      コーン紙はバナナパルプをベースに2つの異なる物性に調整した木材パルプを混ぜることで、軽量ながら充分な剛性と損失を保有。エッジはアップロール形状により高ストローク化を図り、布エッジを採用することで高能率を実現している。


    • その2:「メカニカル2Wayセンターキャップ」採用
      センターキャップはコーン紙と同じ材料を使用し、音色の統一感を高める。またボイスコイルボビンと直結、メカニカル2Way構造とすることで高域の再生帯域を拡張している。


    • その3:「ガラスコンポジット・ボイスコイル・ボビン」採用
      ボイスコイル・ボビンにはガラスコンポジット材を採用。充分な剛性により駆動力を正確にコーン紙とセンターキャップに伝達する。


※音楽之友社(公式)より引用させていただきました。




妄想(笑)

ご注意!

このブログは素人が適当に書いているものです。内容については、参考程度にされますようお願いします。


上記リンクのStereo誌(音楽之友社)公式記事等に掲載されているスペックを元に、どのようなユニットなのか妄想して行きたいと思います。



他ユニットとの比較

FOSTEXのレギュラー製品ラインナップにある10cmフルレンジユニットとの比較を行い、P1000がどのような性格のユニットなのか考察します。比較対象のユニットは P1000K, FE103En, FF105WK です。FE108EΣは価格的に格上ユニットのため除外します。

レギュラー製品であるP1000Kとは型番が似ていることからも分かるとおり、今回付録となるP1000のベースとなっているモデルのようです。性格が似ているユニットと考えられます。


名称P1000





P1000
P1000K



製品ページP1000K製品ページ(FOSTEX公式)

P1000K
FE103En



製品ページFE103En製品ページ(FOSTEX公式)

FE103En
FF105WK



製品ページFF105WK製品ページ(FOSTEX公式)

FF105WK
型式メカニカル2Way
コーン型
フルレンジ
メカニカル2Way
コーン型
フルレンジ
メカニカル2Way
コーン型
フルレンジ
メカニカル2Way
コーン型
フルレンジ
コーン
素材
バナナパルプ +
木材パルプ
バナナパルプ +
木材パルプ
ESコーン
芭蕉類植物繊維
2層抄紙コーン

[基層]
長繊維(低叩解度)
木材パルプ

[表層]
短繊維(高叩解度)
ケナフ,
備長炭パウダー
エッジ
素材
形状

アップロール
高損失発泡ゴム
アップロール
軽量布
ダウンロール
ポリカーボネート系
材料特殊配合
ウレタンフォーム
アップロール
口径
(cm)
10101010
インピー
ダンス
(Ω)
8888
f0
(Hz)
90828375
再生
周波
数帯域
f0~16kHzf0~16kHzf0~22kHzf0~25kHz
出力
音圧
レベル
dB/w(1m)
88888988
入力(W)12361530
m0(g)3.33.12.553.4
Q00.80.530.330.41
実効
振動
半径
(cm)
4.04.04.04.0
実効
振動
面積
(cm^2)
50.350.350.350.3
マグ
ネット
重量(g)
(直径)
103
(φ60mm)
120
(φ65mm)
193
(φ80mm)
340
(φ85mm)
総重量
(g)
303405580800
標準
エンク
ロージャー
(容量)
バスレフ型
(?)
バスレフ型
(3.6L)
バスレフ型
(6L)
バスレフ型
(6L)
1cm^2
当りの
m0(g)
0.0660.0620.0510.068
駆動力1569194638045027
周波数
特性
(f特)P1000(f特)P1000K(f特)FE103En(f特)FF105WK



表の見方

  • 型式、コーン素材、エッジ素材・形状、口径、インピーダンス、f0(最低共振周波数)、再生周波数帯域、出力音圧レベル、入力、m0(振動系実効質量)、Q0(共振尖鋭度)、実効振動半径、マグネット重量・直径、総重量、標準エンクロージャー・容量、周波数特性は製品スペックシートよりそのまま引用させて頂いています。

    実効振動面積は実効振動半径より算出しています。「?」は、スペックシートから記述を見つけることが出来なかった項目です。



  • 1cm^2当りのm0(g)について

    「m0」を「実効振動面積」で割った数値です。

    m0は純粋に振動板(コーン)のみの重さを表す数値ではありませんが、振動板の重さと比例関係にはあると思うので、ユニット毎の単位面積(1cm^2)あたりの重さを比較することにより、振動板の強度(厚さ)の違いをある程度推測できるのでは?と考えました。

    この数値が大きいほどコーンが厚く、重く、丈夫な作りになっていると考えられます。しかし、今回の場合ではすべてのユニット実効振動面積が同じなので、単純にm0の比較でも良かったかな?と後で気づきました・・・(汗)。



  • 駆動力について

    「マグネット重量」を「1cm^2当りのm0(g)」で割った数値です。各ユニットの振動系駆動力を比較しやすくする目的で掲載しています。

    この数値が大きいほど単位面積(1cm^2)当りのm0に対してより大きなマグネットを持つことになり、駆動力が高いと考えられます。

    マグネット重量が同じユニットの場合、m0が小さいほどこの数値が大きくなり、駆動力が高いと考えられます。また、m0が同じユニットの場合、マグネット重量が大きいほどこの数値が大きくなり、駆動力が高いと考えられます。




  • ユニット性格について考察

    表においてユニット各々の違いが良く表れている項目に対して性格を見て行きます。その後、P1000の性格を推測します。

    • 再生周波数帯域
      • ユニット比較

        先ずは、再生周波数帯域から。再生下限はエンクロージャー構造が支配的になってしまうため、ユニット単体の特性で決まる再生上限を見て行くと・・・、

        • P1000, P1000K:~16kHzまで
        • FE103En, FF105WK:~20kHz以上

        となっていました。


        すべてのユニットが、高域上限を伸ばすためにメカニカル2Wayセンターキャップを採用しているにもかかわらず、P1000, P1000Kはあまり伸びていません。不思議に思ったので、ちょっと調べてみました。

        高域上限に影響する要素としてメカニカル2Way以外に考えられるのがボイスコイル径です。ボイスコイル径が細いほど高域上限が高く、太いほど低くなる傾向があります。

        しかし、FE103En, FF105WKはスペックシートよりボイスコイル径が20mmと分かったのですが、P1000, P1000Kは記述を見つけることが出来ませんでした。せめてセンターキャップ径が分かれば、メカニカル2Wayなのでおおよその値が分かるのですが・・・。

        そのため、あくまで推測でしかないのですが、P1000, P1000Kは、FE103En, FF105WKに比べ、ボイスコイル径が太めなのではないか?と考えられます。ボイスコイル径が太くなると高域上限は低くなりますが、コーンの分割振動は太さに応じて抑えられてくるため、どちらが良いかは一概に言えません。

        低域再生専用であるウーハーユニットでは、ボイスコイル径が非常に太くなっています。なぜかというと、ウーハーは高域が再生出来たとしてもツィーターなどに比べて音質が良くないですし、ローパスフィルタの効きを良くするためにも再生できないほうが都合が良いからです。また、ボイスコイル径が太いことにより、大面積振動板が分割振動を起こしにくくなるというメリットもあります。


      • P1000では?

        これはP1000だけではなく、ベースとなっているP1000Kにも共通して言えることですが、高域は欲張らずそこそこに再生、ボイスコイル径が太いことは低域再生には有利に働くため、工作が容易なバスレフ型エンクロージャーで使いやすい、バランス重視設計のユニットと言えそうです。価格も抑えられており、スピーカークラフト入門向けと公式が明言していることもうなずけます。

        高域は欲張らずとは言っても16kHzまで伸びているため、たいていのミュージックソースでは不足していると感じることはないと思います。また、不足していると感じる場合はツィーターを追加するという手もあります。

      [補足]メカニカル2Wayセンターキャップについて

      センターキャップをボイスコイルボビンに直結することにより、センターキャップに一種のドーム型ツィーターのような動作をさせることで、高域の再生上限を拡張する技術です。





    • f0、m0、出力音圧レベル、Q0、マグネット重量
      • ユニット比較

        4機種のf0、m0、出力音圧レベル、Q0、マグネット重量を比較すると・・・、

        • f0: P1000 > FE103En > P1000K > FF105WK
        • m0: FF105WK > P1000 > P1000K > FE103En
        • 出力音圧レベル: FE103En > P1000 = P1000K = FF105WK
        • Q0: P1000 > P1000K > FF105WK > FE103En
        • マグネット重量: FF105WK > FE103En > P1000K > P1000

        となっていました。


        これらの情報から各ユニットの性格を推測すると・・・、
        • P1000K

          FOSTEXがスピーカークラフト入門ユニットと位置づけているだけあり、m0を大きめに、f0をそこそこ低めに、Q0を0.5付近とすることにより、工作が容易なバスレフ型で使いやすいユニットになっているようです。マグネット重量もQ0を0.5付近にするために、m0とあわせて調節されていると思われます。


        • FE103En

          m0を小さく、f0をそこそこ低めに、Q0を低くすることにより、バスレフ型だけではなくバックロードホーン型でも実力を発揮できる設計となっています。FOSTEX伝統のFEシリーズの特色を体現しているユニットといえそうです。

          Q0の値とも関連しますが、マグネット重量はm0が4機種のうち最小にもかかわらず、2番目に大きい値です。こちらの視点から見ても、振動系駆動力を高めてバックロードホーン型での使用を想定していると考えられます。


        • FF105WK

          m0が最大、f0が最小、Q0は少々低めですが0.5に近い値です。マグネット重量は4機種の中で最大ですが、m0も最大であるため出力音圧レベルはFE103Enより低くなっています。4機種の中では一番ウーハーに近い設計であり、強力な磁気回路と相まってバスレフ型エンクロージャーを力強くドライブするのに向いています。


      • P1000では?

        基本的にはベースとなっている、P1000Kの性格を引き継いだユニットと言えそうです。

        P1000Kと比較してm0がほとんど変わらないにもかかわらず、f0、Q0が高いですが、これはエッジ素材の違いによる影響が大きいと思われます。P1000Kは高損失発泡ゴムエッジを採用しているため、P1000の布エッジよりも柔らかいのでしょう。

        マグネット直径はφ65mm(P1000K) → φ60mm(P1000)となっており、外周が2.5mm減っています(ひと回り小さくなっている)。しかし、マグネット重量を見ると120g(P1000K) → 103g(P1000)となっており、17gしか減っていません。

        スピーカーユニットの磁気回路に使われるフェライトマグネットは、センターポールを中心に通すために内側に穴が開いたリング型になっています。

        これは推測でしかありませんが、直径減少に対して重量減少が小さいことから察するに、P1000に使われているφ60mmのリングマグネットは、P1000Kのリングマグネットに比べて、内径(穴の直径)が小さいのではないか?と思われます。


        [参考]メカニカル2Wayセンターキャップコーン型スピーカーの構造[参考]リング型フェライトマグネット
        [参考]メカニカル2Wayセンターキャップ
        コーン型スピーカーの構造
        [参考]リング型フェライトマグネット
        (φ60×φ32×10tmm, 97.06g)



        フェライトマグネットは素材自体の磁気抵抗が大きい(磁束を通しにくい)ため、磁束密度をあげるためには、薄く、表面積を広くする必要があります。そのため、厚くし過ぎるとかえって磁束密度が下がってしまいます。

        P1000のマグネットは外径ではP1000Kよりも小口径ですが、内径が小さいことにより内側方向に面積が広いと思われること、磁気回路の奥行き(P1000:16.2mm, P1000K:18mm)からするとマグネット厚もP1000の方が薄そうですが、上記理由によりフェライトマグネットは厚くすれば単純に磁束密度が上がるわけではないため、トータルでみると両者の磁気回路はほぼ同等なのではないか?と考えられます。

        そのため、P1000の方が微妙にm0が大きいにもかかわらず、出力音圧レベルが同じ値となっているのではないか?、と推測されます。




    • 入力、1cm^2当りのm0(g)、駆動力
      • ユニット比較

        最後に、入力、1cm^2当りのm0(g)、駆動力の比較です。同じスピーカユニットを別視点から見ているだけなので、上で述べている内容の繰り返しになっている部分がありますが、ご了承ください。

        また、(耐)入力は1kHzサイン信号を入力した測定値(定格入力)、ピンクノイズを入力した測定値(ミュージック入力)等、測定方法が複数あり、10Wユニットでも、3倍の30Wユニットであっても、超低域の耐入力は非常に低く、1Wも入力すれば最大振幅まで振動板が振れてしまうし、エンクロージャーの構造次第で耐入力は変化するため、PAスピーカーのように常に大音量で使用するような場合ならともかく、一般家庭の常識的な音量で使用する場合、参考程度にしかならないデータなのですが、表に載せたので一応比較対象とします。


        4機種の入力、1cm^2当りのm0(g)、駆動力を比較すると・・・、

        • 入力: P1000K > FF105WK > FE103En > P1000
        • 1cm^2当りのm0(g): FF105WK > P1000 > P1000K > FE103En
        • 駆動力: FF105WK > FE103En > P1000K > P1000

        となっていました。

        ※1cm^2当りのm0(g)について:実効振動面積が4機種とも同じ、P1000, P1000K, FF105WKについてはm0も近い値なので、この3機種は数値に違いはあるものの、誤差の範囲だと思います。


        これらの情報から各ユニットの性格を推測すると・・・、
        • P1000K

          振動板(コーン)を丈夫に、大きな振幅の取れるアップロールエッジを採用して耐入力を高くする構造です。設計思想はFF105WKに近いように感じられますが、P1000Kはスピーカークラフト入門機なので、スピーカーの扱いになれていない初心者が、ラフな使い方をしても簡単には壊れないようにするという意味合いの方が強いかもしれません。

          駆動力はFF105WKに比べてだいぶ小さくなっています。入門機なので価格を抑える必要があり、そのしわ寄せが磁気回路に来ている結果なのでしょう。また、初心者が使いやすいように、バランス重視の尖ったところのない平均的な特性を狙っている可能性もあります。


        • FE103En

          振動板(コーン)を使用目的(=バックロードホーン)に耐えられる強度を保ったままで出来る限り軽くする、且つ、磁気回路を強化することにより駆動力と出力音圧レベルを上げる。バックロードホーン型エンクロージャーでの使用も想定された設計がされているように見えます。

          耐入力が低めなのは、m0小さくしたことによる影響でしょう。もしかしたら、エッジ素材・構造にも関係があるかもしれません。


        • FF105WK

          丈夫で重い振動板(コーン)を、駆動力の大きな磁気回路でドライブ。振幅の大きく取れるアップロールエッジを採用することにより耐入力を高め、バスレフ型エンクロージャーを強力にドライブしようという意図が読み取れます。この比較結果からも、一番ウーハーに近い設計になっていることが分かります。


      • P1000では?

        この比較結果から見ても、P1000Kを踏襲した設計になっていると思われます。ただし、駆動力、耐入力が最下位なのは、雑誌の付録なのでコストダウンの影響でしょう。

        P1000Kと比べて耐入力が1/3に下がってしまっていますが、前述したとおり、一般家庭における使用においては、12Wも、36Wも大差ないと思って問題ありません。でも、とんでもない大音量で聴く人は別ですよ?(笑)。



    まとめ

    だらだらと所感を書いてきましたが、Stereo誌2015年8月号付録 FOSTEXスピーカー P1000 についてまとめると・・・、

    ベースとなっているP1000Kの性能を出来る限り落とさないで、雑誌付録の価格内に抑えるためにコストダウンしたものと言えそうです。なんか、当然の結果になってしまいましたね・・・(汗)。

    コストダウンした関係で磁気回路、エッジ(おそらくフレームも)にしわ寄せが来ていますが、限られたコストの中で、最大限良いものを送り出そうという、FOSTEX開発者の苦労、意図が読み取れて、なんだか愛おしいユニットに思えて来ませんか?。そんなの私だけ?(笑)。

    去年の付録では、ウーハー、ツィーターのセットだったので廃止されてしまいましたが、付録の梱包箱が簡易エンクロージャーとして使えるギミックは復活して欲しいですね。あれがあるとないとでは、スピーカークラフト未経験者が購入する敷居の高さにかなり違いがあるように思えます。


    使いこなしについて簡単に触れると・・・、
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