パソコンでサラウンド再生について考察 #2 (DOLBY DIGITAL編)

ネタ的には古くなってしまっていますが、パソコンでのサラウンド再生としては基本的なことなので、先ずはDOLBY DIGITALフォーマットで録音された音声の再生方法を個人的な備忘録として残しておきます。

前回の記事の日付を確認したら1年以上経ってしまってますね(汗)。ぐずぐずしていたら DOLBY ATMOS という新しいサラウンドフォーマットが登場してしまいました(汗々)。



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パソコンでサラウンド再生について考察




ドルビーデジタルデコード ブロック図

パソコンでドルビーデジタルをデコードする方法について、ブロック図を描いてみました。私が知る限り以下の3ケースが考えられます。


  • ケース1
DVD/BDプレーヤーアプリケーション(CyberLink PowerDVDなど)に内臓するソフトウェアデコーダーでドルビーデジタルをデコードする。


ドルビーデジタルデコード ケース1
※LEF(Low Frequency Effect):低音増強専用チャンネル(0.1ch)


パソコンでドルビーデジタルをデコードする場合では、もっともポピュラーと思われるケース。

サウンドデバイス(サウンドカードなど)のマルチチャンネルLINE OUTから、5.1chアナログ音声が出力されるため、外部のアンプ内臓スピーカー等に接続して再生します。

ソフトウェアをアップデートするだけで新しいサラウンドフォーマットに対応可能(のはず)なため拡張性が良く、考察対象となる方式です。


  • ケース2
サウンドデバイスに内臓されたハードウェアデコーダーを利用してドルビーデジタルをデコードする。


ドルビーデジタルデコード ケース2

以前、私が所有していたCreativeのサウンドカードに搭載されていたサウンドプロセッサがドルビーデジタルのハードウェアデコードに対応していました。

所有していた製品はたしかこれです。(生産終了品)
Sound Blaster Audigy LS Digital Audio(Creative公式)Sound Blaster Audigy LS Digital Audio(Creative公式)


現在ではCPU性能の上昇に伴いソフトウェアデコードでもそれほど負荷にならないので、あまりメジャーな方法とは言えませんが、当時はCPUが非力だったため、デコード処理をCPUからオフロードできることはそれなりに価値がありました。

DVD/BDプレーヤーアプリケーションからのサウンド出力は S/PDIF となり、サウンドデバイスからはケース1と同様に、5.1chアナログ音声が出力されます。

このケースでは、サウンドカードに搭載されるサウンドプロセッサの対応状況によってデコードできるサラウンド方式が決まってしまい、拡張性が低い(次ケースの外部デコーダー同様、新しいサラウンド方式が発表される度に買い替えを余儀なくされる)ため考察対象から除外します。



  • ケース3
サウンドデバイスから S/PDIF や HDMI でドルビーデジタルのビットストリームを直接出力して、外部のデコーダー(AVアンプなど)でデコードするケース。


ドルビーデジタルデコード ケース3


外部のドルビーデジタルデコーダーを利用してデコードする方法です。前回の記事でも書いたとおり、新しいサラウンド方式が発表されるとハードウェアが陳腐化して買い替えを余儀なくされる問題がありますので、考察対象から除外します。




検証環境の紹介

ドルビーデジタルで録音されたソフトがパソコンで再生できるかを検証する環境を構築します。構成は上で掲載したケース1を使用します。

とりあえず各チャンネルから音が出ているかを確認できれば良いので、持っている機材の寄せ集めとなっています(汗)。特にスピーカーが適当すぎ(汗々)。


検証環境 ブロック図
検証環境 ブロック図


パソコンスペック

  • CPU:AMD Phenom9600 Quad Core Processor@2.3GHz
  • MEMORY:8GB
  • OS:Windows 7 Home Premium 64bit SP1
  • マザーボード:Gigabyte Technology GA-MA770-DS3(AMD 770 Chipset)
  • サウンドデバイス:Realtek High Definition Audio(Realtek ALC888 codec)
  • オーディオドライババージョン:6.0.1.6662
  • DirectXバージョン:DirectX 11.0


機材一覧

  • フロントチャンネル用アンプ:ONKYO A-924

  • フロントチャンネル用スピーカー:スキャンスピーク5F/8422T03使用バックロードホーン型(Stereo誌2013年8月号の付録ユニットを使用したスピーカーです。製作記事はこちら。)

  • リアチャンネル用アンプ:LXA-OT3(Stereo誌2014年1月号の付録です。紹介記事はこちら。)

  • リアチャンネル用スピーカー:スキャンスピーク10F/8422-03使用ダブルバスレフ型(Stereo誌2012年8月号の付録ユニットを使用したスピーカーです。製作記事はこちら。)

  • センター、LFEチャンネル用アンプ:緑電子MMA-4355(学生時代にDTMのミキシング・モニター用途で購入したもの。)

  • センターチャンネル用スピーカー:フルレンジユニットFOSTEX FE87をダイトーボイスの0.7リットル密閉箱に取り付けたもの。

  • LFEチャンネル用スピーカー:Pioneer S-F21-W-LR(パイオニアのエッジレスウーハーユニットを使用した2wayバスレフ型スピーカーを1本のみ使用。もはやサブウーハーですらありません(汗)。紹介・改造記事はこちら。)




検証

ここからは、パソコンでのドルビーデジタル再生の検証を行います。スピーカーセッティングの変更が柔軟に行えるかを重点的に見て行きます。


DVD/BDプレーヤーアプリケーション

CyberLink PowerDVD10(OEM)  バージョン 10.0.5108.52



検証に使用したDVDソフト 「Dolby Digital Experience」


Dolby Digital Experience(表)Dolby Digital Experience(裏)
Dolby Digital Experience(見開き)
Dolby Digital Experience


ドルビーデジタル再生検証におあつらえ向きなDVDソフトを持っているのを思い出したので、それを使うことにしました。「Dolby Digital Experience」というDVDです。

実はこのほかに「DTS Experience」というDVDも存在したのですが、当時はDTSを再生できる環境がなかったので購入しませんでした。今思うと購入しておけばよかったかな・・・。

「Dolby Digital Experience」収録内容

  • Entertainment Program INDEX
    • MOVIE TRAILER MENU INDEX
      • 01■オープニングガイダンス
      • 02■ガメラ2 レギオン襲来 スペシャルトレーラー
      • 03■天地無用! in LOVE 本編クリップ
      • 04■鉄人リターンズ
      • 05■ガメラ2 レギオン襲来 Information
      • 06■天地無用! in LOVE Information
      • 07■鉄人リターンズ Information
      • 08■FUJIYAMA
      • 09■ラスベガス
    • LOGO TRAILER MENU INDEX
      • TRAIN
        • 10■ドルビーデジタル・ロゴ・トレーラー[トレイン]ショートバージョン1
        • 11■ドルビーデジタル・ロゴ・トレーラー[トレイン]ロングバージョン
        • 12■ドルビーデジタル・ロゴ・トレーラー[トレイン]ショートバージョン2
      • CITY
        • 13■ドルビーデジタル・ロゴ・トレーラー[シティ]バージョン1
        • 14■ドルビーデジタル・ロゴ・トレーラー[シティ]バージョン2
      • CANYON
        • 15■ドルビーデジタル・ロゴ・トレーラー[キャニオン]ビスタサイズ(1:1.85)バージョン
        • 16■ドルビーデジタル・ロゴ・トレーラー[キャニオン]スコープサイズ(1:2.35)バージョン
      • EGYPT
        • 17■ドルビーデジタル・ロゴ・トレーラー[エジプト]ビスタサイズ(1:1.85)バージョン
        • 18■ドルビーデジタル・ロゴ・トレーラー[エジプト]スコープサイズ(1:2.35)バージョン

  • Test Program INDEX
    • TEST 01
      サブウーハーを除く、5チャンネルのシステムチェック
      • ■1kHz-20dBFS L/C/R/LS/RS
    • TEST 02
      システムバランスの調節
      WARNING(警告画面)
      • A■1kHz 0dBFS L
      • B■1kHz 0dBFS C
      • C■1kHz 0dBFS R
      • D■1kHz 0dBFS LS
      • E■1kHz 0dBFS RS
      • F■30Hz 0dBFS LFE
    • TEST 03
      サブウーハーの微調節
      WARNING(警告画面)
      • A■30Hz 0dBFS L/C/R/LS/RS
      • B■30Hz 0dBFS L/C/R/LS/RS/LFE
      • C■3kHz-20dBFS C, 30Hz-20dBFS LFE
    • TEST 04
      スピーカーの接続チェック
      • A■1kHz-20dBFS L, 1kHz-20dBFS R(逆相), 30Hz-20dBFS LFE
      • B■1kHz-20dBFS L, 1kHz-20dBFS R(逆相), 1kHz-20dBFS LS(方形波), 30Hz-20dBFS LFE
      • C■1kHz-20dBFS L, 1kHz-20dBFS R(逆相), 1kHz-20dBFS LS(方形波), 1kHz-20dBFS RS(方形波/逆相), 30Hz-20dBFS LFE
      • D■1kHz-20dBFS L, 3kHz-20dBFS C, 1kHz-20dBFS R(逆相), 30Hz-20dBFS LFE
      • E■1kHz-20dBFS L, 3kHz-20dBFS C, 1kHz-20dBFS R(逆相), 1kHz-20dBFS LS(方形波), 30Hz-20dBFS LFE
      • F■1kHz-20dBFS L, 3kHz-20dBFS C, 1kHz-20dBFS R(逆相), 1kHz-20dBFS LS(方形波), 1kHz-20dBFS RS(方形波/逆相), 30Hz-20dBFS LFE
    • TEST 05
      セッティングバランスの調整
      WARNING(警告画面)
      • ■1kHz 0dBFS L/C/R/LS/RS
    • TEST 06
      システムバランスの調整<スウィープ信号>
      WARNING(警告画面)
      • A■スウィープ 3Hz~20kHz 0dBFS L
      • B■スウィープ 3Hz~20kHz 0dBFS C
      • C■スウィープ 3Hz~20kHz 0dBFS R
      • D■スウィープ 3Hz~20kHz 0dBFS LS
      • E■スウィープ 3Hz~20kHz 0dBFS RS
      • F■スウィープ 3Hz~200kHz 0dBFS LFE
      • G■スウィープ 3Hz~20kHz -20dBFS L/C/R/LS/RS, スウィープ 3Hz~200kHz -20dBFS LFE
    • TEST 07
      システムバランスの調整<ピンクノイズ>
      • ■5チャンネル・ノイズシークエンサー
    • PICTURE tuning pattern
      • ■カラーバー(色の飽和度と色相のチェック)
      • ■グレースケール(コントラストのチェック)
      • ■マルチ バースト(周波数特性のチェック)
      • ■クロス ハッチ(画面歪みのチェック)
      • ■ホワイト フィールド(基準の白)
      • ■レッド フィールド(基準の赤)



スピーカーセッティング テストケース

スピーカーセッティングを柔軟に変更できるかを検証します。

5.1チャンネル全てのスピーカーを設置できることが理想ですが、現実的には不可能なケースの方が多いと思います。サラウンド効果の低下を避けることは出来ませんが、現実的なセッティング例として次に示すケースがアプリケーション設定、または、サウンドデバイスのコントロールパネルで対応可能かを見て行きます。

  • [ケース1]5.1チャンネル(フロントL/センター/フロントR/リアL/リアR/LFE)
    基本のスピーカー構成。

  • [ケース2]5.0チャンネル(フロントL/センター/フロントR/リアL/リアR)
    サブウーハーが設置できない場合の構成。

  • [ケース3]4.1チャンネル(フロントL/フロントR/リアL/リアR/LFE)
    センタースピーカーが設置できない場合の構成。

  • [ケース4]4.0チャンネル(フロントL/フロントR/リアL/リアR)
    センタースピーカー、サブウーハーが設置できない場合の構成。

  • [ケース5]3.1チャンネル(フロントL/センター/フロントR/LFE)
    リアスピーカーが設置できない場合の構成。

  • [ケース6]3.0チャンネル(フロントL/センター/フロントR)
    リアスピーカー、サブウーハーが設置できない場合の構成。



事前準備
  • サウンド設定(既定の再生デバイス)
PowerDVDは音声出力先のサウンドデバイスを、アプリ側の設定で変更できない(システム既定のデバイスに出力する仕様)ようなので、コントロールパネル -> ハードウェアとサウンド -> サウンド -> 再生 で、Realtek High Definition Audio を既定のデバイスに設定しておきます。


サウンド設定 再生スピーカーのプロパティ

再生 -> 既定のデバイスの設定と、スピーカーのプロパティの様子。

スピーカーのプロパティでは図のように、ピンクジャック:L, R出力、黒ジャック:RL, RR、橙ジャック:C, サブウーハーとなっています。L, R出力は通常緑ジャックですが、緑ジャックが不調(Rが出力されない)のため、アサインを変更してあります。



  • スピーカー出力チャンネル数の変更方法
Realtek HD オーディオマネージャ と、 PowerDVD 設定 を利用して出力するスピーカーチャンネル数の変更を行います。


Realtek HD オーディオマネージャPowerDVD 設定 音声


Realtek HD オーディオマネージャでは、
  • ステレオ
  • 4チャンネル
  • 5.1スピーカー
  • 7.1スピーカー
から選択できます。また、詳しくは後述しますが、5.1スピーカー、7.1スピーカーを選択した場合では、センター、サブウーハー、リア、サイド(7.1スピーカー選択時のみ)スピーカーのオン・オフが可能になっており、柔軟な設定が出来るようになっています。

また、[|>]再生ボタンを押すと各チャンネルのスピーカーから音が出て、正しく接続出来ているか確認できます。


PowerDVD 設定 音声では、
  • ヘッドフォン
  • 2スピーカー
  • 4スピーカー
  • 6スピーカー
  • 8スピーカー
  • S/PDIF
から選択できます。

いつも思うのですが、PowerDVDのスピーカー設定の表現は、一般的な5.1スピーカーではなく6スピーカー、7.1スピーカーではなく8スピーカーとなっており違和感を感じます(ヘルプには一応説明が書いてありますが・・・)。表現の違いは混乱をまねくので統一して欲しいです。


これらのセッティングを組み合わせて、目的のチャンネル数を再現します。


  • スピーカーレベル調整
最後に、各スピーカーのレベル調整を行います。


Realtek HD オーディオマネージャ  室内音響補正
Realtek HD オーディオマネージャ 室内音響補正


スピーカーのレベル調整には、Realtek HD オーディオマネージャ -> 室内音響補正 を利用しました。各スピーカーのリスニングポイントからの「距離」、「ゲイン」を設定します。

設定変更した結果は音楽を再生しながら作業を行えばリアルタイムに反映されて、すぐに確認できることはできるのですが、AVアンプのスピーカーセッティングのように、ピンクノイズが調節中のスピーカーから再生されると作業がもっとやりやすくなるのでは?と思いました。今後の改善を望みたいですね。

私の場合、仕方が無いので「Dolby Digital Experience」の Test Program INDEX に収録されているテスト信号を利用して調整しました。



検証

事前説明がやたらと長くなってしまいましたが、ここからは実際にドルビーデジタルの再生検証を行います。上で掲載したスピーカーセッティングのケースに従って作業を進めて行きます。

Realtek HD オーディオマネージャを使用してスピーカーセッティングを行った方が柔軟性が高いため、Realtek HD オーディオマネージャで基本的な設定を行い、PowerDVD側で不足部分を補うという形をとっています。

試聴で使用したプログラムソースは、「Dolby Digital Experience」の「LOGO TRAILER MENU INDEX」に収録されている、ドルビーデジタルのロゴトレーラーを中心に使用しました。「11■ドルビーデジタル・ロゴ・トレーラー[トレイン]ロングバージョン」が一番違いが分かりやすそうだったので、それを中心にして不足部分を他のトレーラーで補うという形で行っています。


  • [ケース1] 5.1チャンネル(フロントL/センター/フロントR/リアL/リアR/LFE)
    • スピーカーセッティング設定

      Realtek HD オーディオマネージャ 5.1チャンネルPowerDVD 設定 音声 6スピーカー

      もっともオーソドックスなスピーカーセッティングです。

      Realtek HD オーディオマネージャのスピーカー設定では「5.1スピーカー」を選択。「オプショナル スピーカー」でも、センター、サブウーハー、リア ペアすべてにチェック。

      「フルレンジ スピーカー」では、フロント、サラウンド スピーカーとも帯域制限をせず、AVアンプのスピーカーセッティングで言うところの「ラージスピーカー」相当の設定にしています。



      PowerDVDの「スピーカー環境」は「6スピーカー」を選択しています。


    • 試聴

      5.1チャンネルスピーカーを使った標準のセッティングなので、音の包み込み感、音像の定位、移動感は一番優れています。まあ、当然ですね。


  • [ケース2] 5.0チャンネル(フロントL/センター/フロントR/リアL/リアR)
    • スピーカーセッティング設定

      Realtek HD オーディオマネージャ 5.0チャンネルPowerDVD 設定 音声 6スピーカー

      5.1チャンネルから、サブウーハーを省略したスピーカーセッティングです。

      Realtek HD オーディオマネージャのスピーカー設定では「5.1スピーカー」を選択。「オプショナル スピーカー」では、センター、リア ペアにチェック。サブウーハーのチェックをはずします。

      「フルレンジ スピーカー」は5.1チャンネル[ケース1]と同様の設定にしています。



      PowerDVDの「スピーカー環境」は「6スピーカー」を選択しています。


    • 試聴

      結果から先に言うと、うまく行きませんでした。

      フロントL, Rチャンネルにサブウーハー信号(LFE)がミックスされて再生されることを想定したテストだったのですが、「Dolby Digital Experience」の Test Program INDEX -> TEST 06 を使い、設定をいろいろ変更してみましたがLFE信号がフロントL, Rチャンネルにミックスされている様子がありません。

      LFE信号がフロントL, Rチャンネルにミックスされていない5.0チャンネルは実現できましたが、これが仕様なのか、それとも単なるバグなのかちょっと分かりません。


  • [ケース3] 4.1チャンネル(フロントL/フロントR/リアL/リアR/LFE)
    • スピーカーセッティング設定

      Realtek HD オーディオマネージャ 4.1チャンネルPowerDVD 設定 音声 6スピーカー

      センターを省略したスピーカーセッティングです。いわゆるファントムモード。

      Realtek HD オーディオマネージャのスピーカー設定では「5.1スピーカー」を選択。「オプショナル スピーカー」では、サブウーハー、リア ペアにチェック。センターのチェックをはずします。

      「フルレンジ スピーカー」は5.1チャンネル[ケース1]と同様の設定にしています。



      PowerDVDの「スピーカー環境」は「6スピーカー」を選択しています。


    • 試聴

      音の包み込み感は5.1スピーカーに準じますが、音像の定位はセンターが大きくふくらみ、ぼやけた感じになります。その影響で、前方を横切る音像の移動は、移動感がちょっと弱くなった感じがします。

      普通の2chステレオは、常時ファントムモードなので聴きなれているはずなのに、センタースピーカーある・なしを実際に比較すると定位の鮮明さに明らかな違いがありますね。まあ、スピーカーが寄せ集めなので、音質が統一されていないから余計にそう感じるということもあると思います。



  • [ケース4] 4.0チャンネル(フロントL/フロントR/リアL/リアR)

    センタースピーカー、サブウーハーを省略したスピーカーセッティングです。サブウーハーなしのファントムモードといった感じでしょうか?。

    4.0チャンネルにおいては、Realtek HD オーディオマネージャ、PowerDVD のどちらからでも同じような設定が可能のようなので、2パターンについてテストしてみました。

    • [パターン1]スピーカーセッティング設定

      Realtek HD オーディオマネージャ 4.0チャンネルPowerDVD 設定 音声 6スピーカー

      Realtek HD オーディオマネージャのスピーカー設定では「5.1スピーカー」を選択。「オプショナル スピーカー」は、リア ペアのみにチェック。センター、サブウーハーのチェックをはずします。

      「フルレンジ スピーカー」は5.1チャンネル[ケース1]と同様の設定にしています。



      PowerDVDの「スピーカー環境」は「6スピーカー」を選択しています。


    • 試聴

      このケースも5.0チャンネル同様、フロントL, RにLFE信号がミックスされずうまく行きませんでした。やはり、サウンドデバイスのドライバソフトか、コントロールパネルのバグなのかな?。




    • [パターン2]スピーカーセッティング設定

      Realtek HD オーディオマネージャ 4チャンネルRealtek HD オーディオマネージャ 室内音響補正

      Realtek HD オーディオマネージャのスピーカー設定では「4チャンネル」を選択。
      「フルレンジ スピーカー」は5.1チャンネル[ケース1]と同様の設定にしています。

      「室内音響補正」はスピーカー設定が「4チャンネル」の場合、ご覧のように変更ができなくなっています。5.1、7.1スピーカーモードのときのみ有効になるようです。すべてのチャンネルのアンプ、スピーカーをそろえられる場合は不要なのかもしれませんが、そうでないケースの方が多いと思うので、変更できないのは不便ですね・・・。

      LFE信号がフロントL, R に正しくミックスされて出力されるのであれば、[パターン1]の使い方のほうが「室内音響補正」が有効になるので良いのですが・・・。


      PowerDVD 設定 音声 4スピーカーPowerDVD 設定 音声詳細設定

      PowerDVDの「スピーカー環境」は「4スピーカー」を選択しています。
      このケースのみ、「音声詳細設定」 -> 「バス マネージメント」 -> 「フルレンジスピーカー使用中」 にチェックをつけました。


    • 試聴

      こちらの方法では、LFE信号をフロントL, Rスピーカーにミックスして出力することが出来ました。

      音の包み込み感、音像の定位、移動感は4.1スピーカーに準じます。サブウーハーの有・無による影響は、フロントL, Rチャンネルで使用しているスピーカーの低域再生能力次第ですね。

      とんでもない大音量再生でもしない限り、フロントスピーカーの低域再生能力が高ければサブウーハー無しでもそれほど困らないかもしれません。逆に、フロントスピーカーの低域再生能力が低い場合は、極端に迫力が低下してしまいそうです。


  • [ケース5] 3.1チャンネル(フロントL/センター/フロントR/LFE)
    • スピーカーセッティング設定

      Realtek HD オーディオマネージャ 3.1チャンネルPowerDVD 設定 音声 6スピーカー

      5.1チャンネルからリアスピーカーを省略したスピーカーセッティングです。

      Realtek HD オーディオマネージャのスピーカー設定では「5.1スピーカー」を選択。「オプショナル スピーカー」は、センター、サブウーハーをチェック。リア ペアのみチェックをはずします。

      「フルレンジ スピーカー」は5.1チャンネル[ケース1]と同様の設定にしています。



      PowerDVDの「スピーカー環境」は「6スピーカー」を選択しています。


    • 試聴

      リアスピーカーが無いので当然なのですが、フロントLにリアLが、フロントRにリアRの信号がミックス出力されます。

      音の包み込み感は2chステレオと大差なく、音像の定位はセンターがあるので前方はきちんと定位しますが、リアは無いので後方に定位することはありません。

      前方を横切る音像の移動感は5.1スピーカーに準じますが、前後の移動感はありません。仮想チャンネル拡張系サラウンドと組み合わせて使うのが良さそうです。


  • [ケース6] 3.0チャンネル(フロントL/センター/フロントR)
    • スピーカーセッティング設定

      Realtek HD オーディオマネージャ 3.0チャンネルPowerDVD 設定 音声 6スピーカー

      5.1チャンネルからリアスピーカー、サブウーハーを省略したスピーカーセッティングです。

      Realtek HD オーディオマネージャのスピーカー設定では「5.1スピーカー」を選択。「オプショナル スピーカー」は、センターのみをチェック。サブウーハー、リア ペアのチェックをはずします。

      「フルレンジ スピーカー」は5.1チャンネル[ケース1]と同様の設定にしています。



      PowerDVDの「スピーカー環境」は「6スピーカー」を選択しています。


    • 試聴

      このケースも5.0チャンネル同様、フロントL, RにLFE信号がミックスされずうまく行きませんでした。




まとめ

長々と複数のスピーカーセッティングについて検証を行いパソコンでドルビーデジタルを再生できることは分かりましたが、課題も色々あることも分かりましたので、まとめると・・・、

痛切に感じたのが、AVアンプに比べてスピーカーのセッティング変更、レベル調整を行うための機能が貧弱です。まあ、パソコンでここまで突っ込んでサラウンド再生をやる人が少ないということもあるとは思いますが、スピーカーレベル調整用のテスト信号(ピンクノイズ)の発生機能くらいは最低限欲しいです。

今回の検証では、Realtek HD オーディオマネージャが比較的高機能だったことに救われたところが多いです(LFE関連では、バグ?にも悩まされましたけどね・・・)。私が使用しているPowerDVD10がOEM版だからなのかもしれませんが、PowerDVDのみでは詳細なスピーカーセッティングは出来ませんでした。

PowerDVD側の設定で各チャンネルのレベル調整が出来ないので、サウンドデバイス側のコントロールパネルの出来・不出来次第でレベル調整ができるかどうかが決まってしまいます。PowerDVDは Realtek High Definition Audio 以外のサウンドデバイスにも対応しているので、他のサウンドデバイスを使用した場合ではどのように設定することになるのかにも興味がありますね。

最新の製品版PowerDVDのスピーカー関連の設定項目はどのようになっているのでしょうか?。Realtek HD オーディオマネージャのスピーカーセッティングのように、スピーカーイラスト付き詳細設定画面があると良いのですが・・・。それとも、DVD/BDプレーヤー側は出力チャンネル数のみを指定、スピーカーの詳細設定はサウンドデバイスのコントロールパネルで行うみたいな(業界の?)ルールでもあるのでしょうか?。


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