スピーカーシステムの製作[エレクトロボイス 209-8A使用] ~インピーダンス測定編~

こちらの記事で掲載している、スキャンスピーク5cmフルレンジ5F/8422T03(Stereo2013年8月号付録) バックロードホーンのインピーダンスが思いのほかうまく測定できたので、調子にのって(笑) エレクトロボイス209-8A 共鳴管型スピーカーも測定してみました。


エレクトロボイス209-8A 共鳴管型スピーカー
エレクトロボイス209-8A 共鳴管型スピーカー



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補足など

インピーダンス特性の詳しい測定方法はこちらの記事に掲載されています。合わせてご覧ください。


使用した機器・ソフトウェア

  • パソコン(自作機)
    [スペック]
    CPU:AMD Phenom9600 Quad Core Processor@2.3GHz
    MEMORY:8GB
    OS:Windows 7 Home Premium 64bit SP1

  • USBオーディオインターフェース:behringer(ベリンガー) UCA202

  • プリメインアンプ:ONKYO A-924

  • ソフトウェア
    多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene Ver 1.50 (efu 氏)
    高速リアルタイム スペクトラムアナライザー WaveSpectre Ver 1.51 (efu 氏)


今回の測定では、WaveGeneの設定を少々変更していますので補足します。

前回では、再生デバイスのオーディオ デバイスドライバ インタフェースにMMEを使用しました。しかし、今回も同様の方法で測定を行ったところ、サインスイープ信号が一瞬途切れる現象が発生してしまいました。しかも、発生タイミングが一定ではなく、発生したりしなかったりします。

試行錯誤の結果、オーディオ デバイスドライバ インタフェースをWASAPIに変更することによって回避できました。(WaveSpectreはMMEのまま変更なし。)

WaveGene Ver. 1.50設定(MME → WASAPI)

WaveGene Ver. 1.50設定(MME → WASAPI)
MMEをWASAPIに変更

(備忘録)WaveGene(v1.50)では再生デバイス設定がアプリ終了時に保存されないようなので、毎回設定し直す必要あります。WaveSpectre(v1.51)では保存されている模様。


キャリブレーション

キャリブレーション(200Ω:0dB)
キャリブレーションの様子

測定を行う前に200Ωのセメント抵抗を接続して、スペアナの0dBの位置が200Ωになるように調整しています。実はこれが一番時間のかかる作業だったりします(汗)。



測定結果・考察

インピーダンス特性(209-8A共鳴管スピーカーLch)
インピーダンス特性(209-8A共鳴管スピーカーLch)
インピーダンス特性(209-8A共鳴管スピーカーRch)
インピーダンス特性(209-8A共鳴管スピーカーRch)

上段がLチャンネル、下段がRチャンネルのインピーダンス特性です。普段音楽を聴くときは、コーン型ツィーターを並列に接続して使っていますが、測定時は外してあります。

Lch、Rchのピーク、デップ位置に少々のずれはありますが、ほとんど誤差の範囲なので、Lchの測定結果を主に見て行くと・・・、

周波数の低いほうから、
  • ピーク:44Hz, 140Hz, 205Hz, 255Hz?, 270Hz, 320Hz?, 360Hz
  • デップ:53Hz, 160Hz, 235Hz, 260Hz?, 305?, 340Hz, 430Hz?
※?が付いている周波数は、ピークおよびデップが微小なもの。

が見られます。

エンクロージャーが共鳴管として動作している場合、音波の波長をλとすると、1/4λ, 3/4λ, 5/4λ, 7/4λ・・・、とパイプの長さが等しくなる周波数で共振します。

共振周波数ではパイプ共振によりユニットの振幅は抑えられるため(パイプ開口部の振幅は最大になる)、インピーダンス特性上ではデップとして表れます。

1/4λの共振周波数が53Hzのデップとして現れていると仮定すると、このスピーカーは約1.6mの共鳴管として動作しているようです。設計上では約1.8mのパイプになるはずですが、実際の動作では短めになっていますね。何回も折り曲げてあることが影響しているのでしょうか?。

また、1/4λ(53Hz)の奇数倍、
  • 1/4λ:53Hz
  • 3/4λ:159Hz
  • 5/4λ:265Hz
  • 7/4λ:371Hz

が共振周波数として現れているはずですが、実際のインピーダンス特性を見てみると・・・、
  • 1/4λ:53Hz
  • 3/4λ:160Hz
  • 5/4λ:235Hz or 260Hz(?)
  • 7/4λ:340Hz(?)

3倍共振まではほぼ計算どおりに現れていますが、5倍共振からずれがみれますね。ストレートパイプとは違い折れ曲がったパイプなので、動作が複雑になっているようです。また、パイプ断面積が徐々に広がっているため、バックロードホーンとしての動作も混ざっているはずなので、それも動作を複雑にしている要因だと思います。


動作がいまいち良く分からないので、共鳴管開口にマイクを向けて、開口部から放射されている音を中心とした周波数特性を測定してみました。WaveSpectreの周波数レンジを0Hz~300Hz(リニア表示)にした状態で、10Hz~300Hzのサインスイープ信号を入力して測定しています。

周波数特性(209-8A共鳴管スピーカーLch 開口部)
周波数特性(209-8A共鳴管スピーカーLch 開口部)
周波数特性(209-8A共鳴管スピーカーRch 開口部)
周波数特性(209-8A共鳴管スピーカーRch 開口部)

詳しい周波数特性をご覧になりたい場合は、測定・試聴編を参照ください。また、40Hz以下はノイズ(部屋の定常波か外来ノイズ)です。無視してください。


インピーダンス特性と同様にLchを中心に見て行くと・・・、
43Hz、140Hz、240Hz?、260Hz?付近にピークが見られます。

インピーダンス特性でも43Hzに近い44Hzにピークがありますが、これは、エンクロージャー(=パイプ)内の空気の重さ(空気は0℃のとき1リットル:約1.3g)が、ユニットのm0に加算されてf0が低くなったものだと思います。

しかもインピーダンスの山が低めになっているということは、共振によりユニットの振幅が大きくなる現象が抑えられているためのようですね。40Hz付近まで再生できているのは、これのおかげのようです。いわゆる空振り現象が抑えられている訳で、バックロードホーンとしての動作と見ていいのかな?。

また、140Hzのピークもインピーダンス特性のピークと一致します。インピーダンスのピークはパイプ共振ではないので、やはりバックロードホーンとしての動作が支配的ということなのでしょうか?。

240Hz、260Hz付近にみられるピークは、5/4λのパイプ共振の効果が表れているのかもしれません。しかし、折り返し回数が多い影響で共鳴管としての動作は弱いみたいですね。


まとめ

動作の比較対象として、自室メインスピーカーであるフォステクスFE208EΣを使用した共鳴管型スピーカーの周波数特性、インピーダンス特性を掲載します。

オーディオ評論家 長岡鉄男氏 が設計したスピーカーラインナップにハイカノンという、ネッシーのプロトタイプのような共鳴管型スピーカーがあるのですが、このスピーカーはハイカノンをベースに私が改悪(笑)したものです。

180度1回折り返しの約3mのパイプをもつ、高さ2.1mの超トールボーイ型スピーカーになっており、構造はネッシーとほとんど同じです。そのため、このスピーカーのほうが共鳴管としての特色を色濃く表しています。

写真ではCLASSIC PRO ED3402というドライバーを並列に接続してあります。周波数特性はドライバーが接続された状態で測定。インピーダンス特性はドライバーを外した状態で測定しています。

共鳴管型スピーカー(FOSTEX FE208EΣ + CLASSIC PRO ED3402)
共鳴管型スピーカー
(FOSTEX FE208EΣ + CLASSIC PRO ED3402)



周波数特性(共鳴管型スピーカー FOSTEX FE208EΣ + CLASSIC PRO ED3402)
周波数特性(FOSTEX FE208EΣ + CLASSIC PRO ED3402)
インピーダンス特性(共鳴管型スピーカー FE208EΣのみ)
インピーダンス特性(FE208EΣのみ)


先ずは、インピーダンス特性を見て行きます。インピーダンスの山が209-8Aの場合と比べてやたらと高いですが、これはFE208EΣの駆動力が非常に大きいためです。

共鳴管の共振周波数を低いほうから見て行くと・・・、
  • 1/4λ:28Hz
  • 3/4λ:84Hz
  • 5/4λ:140Hz
  • 7/4λ:185Hz
  • 9/4λ:240Hz
  • 11/4λ:290Hz
  • 13/4λ:340Hz

付近に、デップがあります。

28Hzを1/4λ共振とすると計算上では、
  • 1/4λ:28Hz
  • 3/4λ:84Hz
  • 5/4λ:140Hz
  • 7/4λ:196Hz
  • 9/4λ:252Hz
  • 11/4λ:308Hz
  • 13/4λ:364Hz

となるはずですが、5倍共振まではぴったり合っていますが、7倍以上が少々下にずれているみたいですね。

次に周波数特性を見ると、1/4λ共振で25Hzくらいまで再生して、それ以下の周波数帯域ではストンとレベルダウンしています。インピーダンス特性の23Hz付近に高いピークがあり、コーン振幅は大きくなっていますが、音圧は発生していないことが分かります。

当初、209-8Aの場合もこんな感じになっているのでは?と思っていました。しかし、スロートが全く絞られていない構造ですが、どうやらバックロードホーンに近い動作のようですね。

まあ、このスピーカーの場合、共鳴管でも、バックロードホーンでも、音響迷路でも、どれでもいい感じの設計なので、ある意味当然の結果と言えるかもしれません。スロートを絞ると動作がどのように変化するのか興味があるので、確認してみたい気もしますが・・・。


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