Stereo2014年8月号付録 FOSTEX製ユニット使用 3wayスピーカー製作 ~構想・設計編~

この記事では、Stereo誌2014年8月号付録 FOSTEX(フォステクス)製スピーカーユニット PW80(ウーハー) ,PT20(ツィーター) を使用した、3wayスピーカーエンクロージャーを設計・製作して行きます。




Stereo 2014年8月号
Stereo 2014年8月号
FOSTEX(フォステクス) PW80
FOSTEX(フォステクス) PW80
(8cmコーン型ウーハー)
FOSTEX(フォステクス) PT20
FOSTEX(フォステクス) PT20
(20mmソフトドーム型ツィーター)




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Stereo2014年8月号付録 FOSTEX製ユニット使用 3wayスピーカー製作




構想

先ずは「どのようなスピーカーを作るのか?」構想を練ります。スピーカーの作りすぎで置き場所がない(汗)等の個人的な問題(笑)を含めて、思い浮かぶ要件(制約?)を箇条書きにしてみます。


  • 置き場所に制約があるため、あまり大きなスピーカーにはしない。

    置き場所に制約がないのであれば、長大な音道を持つバックロードホーン型や共鳴管型等の巨大なエンクロージャーを作って、8cmウーハーで超低域の再生に挑戦してみたいところですが、現状は無理なのでやりません。


  • 口径が16cm~20cm程度の安価なウーハーを別途入手して、3way構成のスピーカーにしたい。

    PW80がフルレンジに近い特性をもったウーハーユニットなので、これをスコーカー(ミッドレンジ)として使用、別途口径が16cm~20cm程度のウーハーユニットを用意して3way構成とします。

    また、私自身が今までフルレンジユニットを使ったスピーカーばかりを作ってきたので、今回はちょっと冒険をして3wayに挑戦してみたかったという事もあります。

    マルチウェイスピーカーをゼロから設計するのは初めてなので、失敗覚悟の上でやってみます(笑)。特にネットワーク回路が鬼門です(汗)。


  • 複雑な構造のエンクロージャー方式にしない。

    これは上で挙げた置き場所問題にも関係しますが、今回は単体で豊かに低音を再生できるウーハーユニットの使用を前提としています。そのため、エンクロージャー側を複雑・大型化して低音を再生する必要性がありません。比較的コンパクトに作れる密閉型かバスレフ型から使用するウーハーユニットの特性に合わせて適当な方式を選択します。



仕様

これらを踏まえて、大雑把ですが仕様は以下のようになりました。
  • 口径16cmのウーハーユニットを片チャンネル当たり2本使用した、3way構成とする。(ウーハー2本、スコーカー1本、ツィーター1本)
  • 15mm厚 3尺×6尺板(サブロク板)1枚で2本(Lch + Rch)のスピーカーを作る。
  • 板取りを工夫して、できる限り容量の大きなエンクロージャーを作る。(目標容量:30リットル)
  • ウーハーからの振動を避けるため、スコーカー、ツィーター専用のバックキャビティ(小部屋)を作る。(スコーカーバックキャビティ目標容量:1リットル)
  • ウーハーを縦一列に並べて配置、間にスコーカー、ツィーターを配置した仮想同軸的レイアウトとする。
  • エンクロージャー方式は、フロントダクトのバスレフ型とする。
  • ダクト断面積はウーハーユニット実効振動面積(2本合計)の20%以上とする。



ウーハーユニット選択

スコーカー、ツィーターはStereo誌の付録を使うため入手済みですが、ウーハーユニットは未入手なので、適当な候補をリサーチして入手します。

一般的にウーハーユニットはフルレンジに比べて価格が高く、片ch2本(計4本)ともなるとかなりのコストがかかります。しかし、スコーカー、ツィーターが雑誌の付録なので、高いウーハーを使うと価格的にも、音質的にもバランスを崩しそうです。

当初、以前共鳴管型スーパーウーハーのユニットとして利用した、プロユースの16cmウーハーユニット CLASSIC PRO 06LB050U が作りもしっかりしていたし、価格的にも無難かな?と思っていたのですが、コイズミ無線のオンラインショップをながめていたら、FOSTER C160L09-1511(コイズミ無線商品ページ)FOSTER C160L09-1511(コイズミ無線商品ページ) というOEM向けと思われる、安価なウーハーユニットを見つけました。



FOSTER C160L09-1511(表)FOSTER C160L09-1511(裏)
FOSTER C160L09-1511



このユニットは公証インピーダンスが4Ωなので、直列接続して8Ω相当で使用することができます。そのため、片チャンネルあたり2本使用には向いているのでは?と思い、これに決定しました。また、FOSTERはFOSTEXの親会社なので、音の傾向も似ているかもしれない(本当?)と思ったのも選択の理由です。

出力音圧レベルが88.5dBなので、PW80と比較して能率がちょっと高めかもしれないですが、ネットワークを工夫(いわゆるPST方式)した対応方法がありますし、そもそも出力音圧レベルとは中域での平均値なので、低域を主に利用するウーハーではあまり参考になりません。(周波数特性を参考にするべきです。)

また、低域はエンクロージャー方式による影響のほうが大きく、方式の違いにより音圧レベルや再生限界がころころ変わるため、問題ないと判断しました。

まあ、OEM向けの得体の知れないユニットなので、ほとんど玉砕覚悟で購入しています(笑)。玉砕覚悟だから安価なユニットを選んでいるという話もありますが。

余談ですが、私がコイズミ無線でこのユニットを購入した後に通常価格からセールス価格に切り換わりました(笑)。なぜか、かなりの頻度でこのようなことが起こります(笑)。


※FOSTER C160L09-1511についての詳細記事を、後日掲載する予定です。
詳細記事を掲載しました。
スピーカーユニットメモ ~ウーハーユニット FOSTER(フォスター電機) C160L09 1511~


設計

設計図、板取図を作成しましたので、掲載します。



先ずは、設計図から掲載します。

Stereo2014年8月号付録 FOSTEX製ユニット使用 3wayスピーカー 設計図
Stereo2014年8月号付録 FOSTEX製ユニット使用 3wayスピーカー 設計図


設計図について

  • 実効容量:約25リットル

    30リットルを目標としましたが、板取りをどうがんばっても無理でした・・・(汗)。ダクトを塩ビパイプにする等、数ケースを検討したのですが、うまい板取りが思い浮かばず、この板取りで妥協することにしました。

    補強材をすべて外せば26リットルくらいになりますが、容量が多少減っても補強はきちんとすることにしました。

    そもそも、FOSTER C160L09-1511 というウーハーユニットの特性が不明なので、これで容量が足りているのか、それとも不足しているのか正直なところ分かりません。ほとんど勘で設計しています(汗)。実はそちらの方がもっと問題です(笑)。

    ウーハーが1本であるなら容量不足することはない思いますが、2本だと不足しているかもしれません。やってみないことには何ともいえません(汗々)。


  • バックキャビティ:約1リットル

    バックキャビティ(1,6,7,8板で囲まれた部分)はツィーター、スコーカーで共用になってしまいましたが、目標どおり1リットル確保しています。本当は別々に用意したかったのですが、やはり板取りの関係で無理でした。

    以前、こちらの記事で実験的にPW80を0.7リットルの密閉箱に取り付けて鳴らしています。当然ながら低音は出ませんが、意外とちゃんと鳴っていたので、1リットルもあれば問題ないと思います。しかも、今回は低域をネットワークでカットしてしまうので更に問題が出にくいはずです。


  • ダクト

    断面積:70cm^2(20x3.5cm)
    長さ:20.5cm
    共振周波数:約53Hz


    口径16cmユニットの実効振動面積は約133cm^2なので、2本で約266cm^2。ダクト断面積は70cm^2なので、ユニット2本分の実効振動面積の26%くらいになっています。これは目標達成できました。

    バスレフ共振周波数はエンクロージャー容量を26リットルとして計算すると52Hz、25リットルとして計算すると53Hzとなります。

    しかし、スリット状のつぶれたダクトのため円形ダクトに比べて気流抵抗が強く働く可能性があること、ダクト入口付近が少々狭くなっているため実効長が伸びる可能性があることなどから、計算よりも低くなるかもしれません。逆に、エンクロージャー実効容量がもっと少なく、たとえば24リットルくらいになっている場合、計算よりも高くなる可能性もあります。

    まあ、いずれにせよ、計算からずれたとしても50~55Hzくらいの範囲だと思うので、動作に影響が出ることはないと思います。


  • その他の注意点など

    • ネットワーク回路は小さな板(ダイソーMDF板100x100x6mm)の上で作成して、10番の板(ダクト)の上に固定します。

    • 吸音材は、おなじみの熱帯魚用フィルタ(ポリエステルウール)を4,9,3番の板に貼り付けます。バスレフ型エンクロージャーなので吸音材は少なめが基本です。入れすぎるとダンブドバスレフ(共振が抑えられたバスレフ)になります。まあ、あくまで基本はそうだという話なので、お好みで増減は自由です。

    • バッフル板(1番板)のユニット取り付け穴は、φ145mmがウーハー用(2箇所)、φ79mmがスコーカー用、φ60mmがツィーター用です。また、スコーカー、ツィーターの取り付け穴位置がLch、Rchで左右対象になるように作ります。まあ、見た目の問題なので、左右対称になっていなくてもエンクロージャーの動作、音質には影響ありません。

    • 端材、ユニット開口切抜き板など、使えるものはできる限り使って補強をしています。

    • スピーカーターミナルはネットワーク基板を10番板の上に取り付ける関係で、下段ウーハー裏あたり(9番板)に取り付けることにしました。




続いて、板取図を掲載します。

Stereo2014年8月号付録 FOSTEX製ユニット使用 3wayスピーカー 板取図
Stereo2014年8月号付録 FOSTEX製ユニット使用 3wayスピーカー 板取図


板取図について

  • 板材について

    私の場合はMDF(15mm厚)サブロク板を使いました。好みによって、ラワン合板、シナ合板、MDFあたりから選択することになると思います。ニス塗装で仕上げをする場合は、木目がきれいなシナ合板が良いと思います。

    サブロク板は900x1800mm, 910x1820mm, 915x1830mm等、サイズがまちまちのため購入時に確認が必要です。今回の場合、910x1820mm以上のサブロク板を使用しないと、カット時の目減り分(約3mm)が足りないため、必要なサイズの板が取れません。


  • その他の注意点など
    • 図では1番板のユニット取り付け穴(スコーカー、ツィーター)が左右対称になっていないため、片方を裏返して使います。シナ合板などの表裏がある合板を使用する場合では、あらかじめ左右対称でカットしてもらったほうが良いと思います。

    • 15,16,17番のユニット取り付け穴切り抜きは、補強に使います。

    • 11,13,14番の1/2、1/4と書かれている板は、あまり部分を1/2、または、1/4にするという意味です。補強材として利用する板のため、正確なサイズでなくても問題ありません。

    • 斜線の板は使用しません。



次回は、実際に組立作業を行います。
製作編へ続く・・・


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