PCサラウンド検証用スピーカー製作 ~サブウーハー 測定編~

前回の記事でプッシュプルウーハー型(PPW)のサブウーハーエンクロージャーが完成しましたので、今回はスピーカーユニットの取付け、周波数特性・インピーダンス特性の測定を行います。




TOPTONE(東京コーン紙製作所) F77G98-6プッシュプルウーハー型サブウーハー
使用スピーカーユニット
TOPTONE(東京コーン紙製作所)
F77G98-6
プッシュプルウーハー型
サブウーハー




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スピーカーユニットの取付け


ユニット配線図
ユニット配線

前述のとおり、スピーカーユニットにTOPTONE(東京コーン紙製作所) F77G98-6(公証インピーダンス8Ω)を使用します。上図のように2本を直列接続したものを4組作り、それらを並列接続して合計8本/4Ωで使用します。



スピーカーユニットの取付け1

F77G98-6を2本直列接続した様子です。



スピーカーユニットの取付け2

布テープで適当に絶縁対策します(笑)。



スピーカーユニットの取付け3

2本直列接続を4組作成した様子です。



スピーカーユニットの取付け4

ユニット8本をエンクロージャー内部にネジ止めした様子です。吸音材(ポリエステルウール)が邪魔して取り付けに苦労しました。吸音材を少なめにするか、薄いフェルトを貼る程度にとどめておけばよかったです。



スピーカーユニットの取付け5

4組を並列接続して、それをスピーカーターミナルに接続します。



スピーカーユニットの取付け6

第1ダクト付きのふたを閉めてネジ止めした様子です。ふたの固定には、10本の木ネジを使いました。



完成!!
完成!!




測定

ここからは、周波数特性、インピーダンス特性の測定結果を掲載します。


使用ソフトウェア・測定環境

多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene V1.50 efu氏
高速リアルタイム スペクトラムアナライザー WaveSpectra V1.51 efu氏
入力信号:サインスイープ 20Hz~20kHz
測定位置(周波数特性の場合):エンクロージャーを台の上に置き、床より1m程度浮かす。また、部屋壁面からも1m以上離して設置。マイクはエンクロージャー位置より1m離れた場所に設置、対面するエンクロージャーの中心点を狙う。



  • [参考] TOPTONE(東京コーン紙製作所) F77G98-6 単体特性
参考資料として、TOPTONE(東京コーン紙製作所) F77G98-6の単体の特性を再掲載します。F77G98-6の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

[周波数特性] TOPTONE(東京コーン紙製作所) F77G98-6
[周波数特性] TOPTONE(東京コーン紙製作所) F77G98-6

0.7リットル密閉箱に取り付けて測定したものです。おおむね、200Hz~20kHzがフラットになっています。



[インピーダンス特性] TOPTONE(東京コーン紙製作所) F77G98-6
[インピーダンス特性] TOPTONE(東京コーン紙製作所) F77G98-6

すべてのインピーダンス特性グラフは、縦軸0dBの位置が200Ωになるように合わせてあります。公式の発表値のf0は90Hzですが、実測では150Hzくらいになっていました。



  • 周波数特性
先ずは、プッシュプルウーハーの周波数特性を掲載します。参考資料として、今回製作したプッシュプルウーハーの構造図も掲載しました。説明と合わせてご覧ください。

[参考] プッシュプルウーハー構造
[参考] プッシュプルウーハー構造

今回製作したPPWエンクロージャーは、以下のように設計してあります。
  • 第1キャビネット:約16リットル
  • 第1ダクト:φ50 x 18 mm
  • 共振周波数:約86Hz
  • 第2キャビネット:約16リットル
  • 第2ダクト:110 x 30 x 400 mm
  • 共振周波数:約35Hz




[周波数特性] プッシュプルウーハー 前側
[周波数特性] プッシュプルウーハー 前側

前側(第1ダクト開口がある側)にマイクを向けて測定した結果です。

サブウーハーなので100Hz以下を中心に見て行くと、30Hz付近を中心とした山と75Hz付近を中心とした山があります。30Hz付近の山は共振が抑えられてしまっているのかレベルが低いですね。やはり吸音材を入れ過ぎたかな?。

また、第1ダクトからの放射音と第2ダクトからの放射音は逆相となるため、30Hz付近を中心とした山のすそ野と75Hz付近を中心とした山のすそ野が交差する周波数(40Hz付近)で深いディップができるかな?と想像していましたが、特に問題はないみたいですね。

F77G98-6は高域が20kHzまでほぼフラットに伸びているフルレンジユニットということもありますが、エンクロージャーによるアコースティクローパスフィルターがあまり効いておらず、1kHz付近までフラットに出てしまっていますね。サラウンドのLEFチャンネル用として使うならこのままでも良いですが、3D方式のサブウーハー等に使用する場合には、コイルを入れたほうが良さそうです。



[周波数特性] プッシュプルウーハー 後側
[周波数特性] プッシュプルウーハー 後側

後側(第2ダクト開口がある側)にマイクを向けて測定した結果です。

第2ダクトからおもに放射されていると思われた30Hz付近の山もなぜか低くなってしまいましたが、75Hz付近を中心とした山がならされて、こちらのほうが特性が良いですね。普段使うときは、このセッティングが良さそうです。

周波数特性の測定全体に言えることですが、測定環境でも書いているとおり、サブウーハーを台の上に載せて1mくらい浮かせた状態で測定しているので、床直置きにするだけで低域レベルがかなり上昇するはずです。

こちらの場合でも、1kHz付近までフラットに出ており、しかも750Hzに鋭いピークがありますね。やはり、3D方式のサブウーハー等に使用する場合には、コイルを使ったほうがよさそうです。



[周波数特性] プッシュプルウーハー 側面
[周波数特性] プッシュプルウーハー 側面

側面(スピーカーターミナルが付いている側)にマイクを向けて測定した結果です。

全体的にレベルダウンしていますが、グラフの形としては第1ダクト側にマイクを向けた場合に近い特性ですね。

しかし、1kHzくらいまでは思いのほか指向性が良いみたいですね。もっと低く、例えば500Hzくらいからレベルダウンが始まると想像していたので予想外でした。



[周波数特性] プッシュプルウーハー 側面(第2ダクトふさぐ)
[周波数特性] プッシュプルウーハー 側面(第2ダクトふさぐ)

セッティングは側面(スピーカーターミナルが付いている側)にマイクを向けたままで、第2ダクトに吸音材を詰め込んでふさいだ状態で測定した結果です。第2ダクトがふさがれていることにより第2キャビネットが密閉型となるため、アコースティクスーパーウーハー型(ASW)に近い動作になっているはずです。

第2ダクトから放射されていたと思われる、30Hz付近の山が消えていることが分かります。また、中高域も少々レベルダウンしていますね。



[周波数特性] プッシュプルウーハー 側面(第1ダクトふさぐ)
[周波数特性] プッシュプルウーハー 側面(第1ダクトふさぐ)

今度は逆に、第1ダクトをふさいだ測定結果です。

75Hz付近を中心とした山が消えて25Hz~110Hzがおおむねフラットとなっており、周波数特性としては一番良いですが、能率が非常に低いです。

出力の大きな専用アンプを使って、他のチャンネルと音圧レベルを合わせれば使えないこともないですが、なにぶん口径7.7cmのフルレンジユニットなので耐入力に不安があり無茶はできません。耐入力の大きなウーハーユニットを使用しているのなら、この使い方が良いかもしれません。まあ、PPWにした意味がなくなってしまいますが・・・(汗)。



  • インピーダンス特性
続いて、インピーダンス特性の測定結果を掲載します。

[インピーダンス特性] プッシュプルウーハー
[インピーダンス特性] プッシュプルウーハー

本邦初公開(かもしれない)PPWのインピーダンス特性です(笑)。

長岡鉄男氏の著書にPPW型を採用したサブウーハーの図面が掲載されている本も存在するのですが、私が知る限り図面のみで、周波数特性・インピーダンス特性が掲載されているのを見た事がないので、たぶん初公開です。

しかし、単に共振周波数の異なる2つのバスレフ型エンクロージャーのインピーダンス特性が合成されているだけですね・・・。まあ、当然の結果なのですが。



[インピーダンス特性] 第2ダクトをふさいだ状態
[インピーダンス特性] 第2ダクトをふさいだ状態

共振周波数を正確に調べるために、片側のダクトをふさいでASWに近い動作にして、個別にインピーダンス特性を測定してみました。先ずは、第2ダクトをふさいだ状態での測定結果です。


インピーダンス特性のピークを周波数の高いほうからfc1, fc2、共振周波数をfdとすると・・・、
  • fc1:171Hz
  • fc2:67Hz
  • fd:83Hz

となっていました。

設計ではfdを86Hzに設定したのですが、ちょっと下がっていますね。また、fc2のピークが低く、ダンプドバスレフ(共振が抑えられたバスレフ)になってしまっています。やはり、吸音材入れ過ぎによりキャビネット内の空気バネの力が弱くなってしまい、そのためfdが下がり、共振も抑えられてしまっているのかもしれません。



[インピーダンス特性] 第1ダクトをふさいだ状態
[インピーダンス特性] 第1ダクトをふさいだ状態

続いて、第1ダクトをふさいだ場合のインピーダンス特性です。


第2ダクトをふさいだ場合と同様にfc1, fc2, fdを見て行くと・・・、
  • fc1:167Hz
  • fc2:30Hz
  • fd:34Hz

となっていました。

こちらは設計でfdを35Hzに設定しており、おおむね計算どおりになっています。しかし、fc2が低く、第2ダクトをふさいだ場合と同様にダンプドバスレフになってしまっています。



まとめ

今回初めてPPW型のサブウーハーを作ってみましたが、やはりノウハウゼロではうまく行きませんね。吸音材を入れ過ぎたと思われるので、仮に次回作るとしたら、ユニットの直接放射を受ける面にのみ貼り付けるようにすると思います。

また、専用アンプの必要性を強く感じました。やはりサブウーハーはアンプ内臓の方が使いやすいです。ネットでいろいろと良さそうなアンプがないものか探しているのですが、なかなか適当なものが見つかりません。4Ω負荷で50W以上のアンプが安価に入手できると良いのですが・・・。

単体で使用できるスピーカーではないので、ミュージックソースを使用した試聴は行いませんが、音質について簡単に触れると、同じユニットを使用しているフロントチャンネル一体型スピーカーと同傾向のゆったりとした低音です。クラシック向きの音質であり、サラウンド用サブウーハーのような迫力を求める方向性の音ではありません(汗)。

使いこなしについても簡単に触れると、ポップス向けでは第1ダクト側を、クラッシック向けでは第2ダクト側をリスナーに向けて設置する感じになると思います。また、ダクトをふさいでASWとして使用することも視野に入れるなら、ポップス向けでは第2ダクトをふさいで使用、クラシック向けでは第1ダクトをふさいで使用する感じになると思います。


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