Stereo2015年8月号付録 口径10cmフルレンジ FOSTEX P1000 使用 共鳴管型スピーカー製作 ~構想・設計編~

この記事では、Stereo誌 2015年8月号付録 口径10cmフルレンジ FOSTEX P1000 を使用した共鳴管型エンクロージャーを製作して行きます。



ステレオ2015年8月号(表紙)
Stereo(ステレオ) 2015年8月号
FOSTEX(フォステクス) P1000 (表)
FOSTEX(フォステクス) P1000 (裏)
FOSTEX(フォステクス) P1000



Stereo
2015年8月号



本当は、もっと早く取り掛かりたかったのですが、気温が非常に高く、窓を開けて換気しながらの作業は熱射病になる恐れがあるため(以前、猛暑日に強行して目を回したことがありまして・・・汗々)見送っていたら、雑誌の発売日から1ヶ月以上経ってしまいました。だいぶ時間が経ってしまいましたが、やっと涼しくなってきたので作業を開始します。




そういえば、Stereo誌とは出版社が違いますが、スピーカーユニットが付録するオーディオ誌ムック DigiFi No.19(別冊ステレオサウンド 発売日:2015/8/31) が出るみたいですね。


DigiFi No.19



DigiFi No.19号 に付録するスピーカーユニットは、卵型PCスピーカーで話題になったOlasonic社の口径8cm グラスファイバー製コーン フルレンジユニットのようです。

現在流通しているスピーカークラフト向けユニットは、コーン(振動板)素材としてパルプか、ポリプロピレン等の合成樹脂を使用しているものが主流で、グラスファイバー製は大変めずらしいため、どんな音がするのか非常に興味があります。

また、次号の DigiFi No.20 でもハイレゾ対応スーパーツィーターが付録する予定みたいですよ。



ちょっと・・・いや、かなり気になりますが(笑)、先ずは FOSTEX P1000 用のエンクロージャーを作ってあげないとですね・・・(汗)。




関連記事リンク

Stereo2015年8月号付録 口径10cmフルレンジ FOSTEX P1000 使用 共鳴管型スピーカー製作

他の関連記事




構想

先ずは、設計するに当たって構想を練ります。


今回作成するスピーカーに必要な要件を挙げて行くと・・・、





設計

上で挙げた要件をもとに、エンクロージャーの設計を行いました。

記事タイトルでも触れていますが、過去のStereo誌付録スピーカーで採用したエンクロージャー方式以外ということで、共鳴管型としました。15mm厚のMDFサブロク板(3尺x6尺)1枚でスピーカーを2本(左・右)作ります。


要件には挙げていませんが、共鳴管型を選んだ理由が実は他にもありまして、以前こちらの記事で紹介している、エレクトロボイス(EV)の口径20cmフルレンジユニット 209-8A を使用した折り曲げ共鳴管スピーカーを作っているのですが、結果がいまいちだったため、再挑戦してみたいという思いがありました。


EV 209-8A 折り曲げ共鳴管スピーカー
EV 209-8A 折り曲げ共鳴管スピーカー





この 209-8A を使用した折り曲げ共鳴管スピーカーは、音道(パイプ)が何回も折れ曲がっており、また、徐々に断面積が広がっていることもあって、共鳴管というよりもバックロードホーンに近い動作をしているようでした。


EV 209-8A 折り曲げ共鳴管スピーカー構造図
EV 209-8A 折り曲げ共鳴管スピーカー構造図





共鳴管は円断面のストレートパイプが一番共振しやすいのですが、低い周波数で共振させようとするとパイプが非常に長くなってしまい(片開管で20Hzまで再生したい場合は約4m必要)、部屋への設置が困難になります。そこで、折り曲げパイプにする訳ですが、折り曲げると今度は共振しにくくなってしまいます。180°カーブなら1回、90°カーブなら2回くらいが良いところで、それ以上折り曲げると動作が音響迷路になってしまいます。

また、木工作でエンクロージャーを作る場合、個人で円パイプを作ることは困難なため、どうしても角パイプを折り曲げたものを連結した構造となってしまいます。これも共振しにくくする要因となります。


上の構造図をご覧になると分かりますが、209-8A を使用した折り曲げ共鳴管スピーカーのパイプ折り曲げ回数は、180°カーブが2回、90°カーブが1回あり、MDF材を使用した角パイプだったため、余計に共振しにくくなってしまったと考えられます。

長岡鉄男氏 設計のネッシーのように180°カーブを1回だけとして、パイプを立てて垂直方向へ長くする(超トールボーイ型とする)のも1つの手なのですが、大型になりますし、ここは普通のボックス型エンクロージャー形状の中になんとかパイプを収めて、且つ、より共鳴管としての動作に近づける方法はないものか?と考えました。

そこで、今回は共鳴管の素材として円断面の塩ビパイプを使用することにより、折り返しや、角パイプによる共振低下のペナルティをある程度抑えることが出来、より共鳴管に近い動作になるのではないか?と考え、実行してみることにしました。この塩ビパイプを使った折れ曲け共鳴管が要件で挙げていた実験的要素です。

塩ビパイプで共鳴管スピーカーを作った場合、逆に共振が強く出すぎて、ボーボー鳴って音楽にならない(笑)ようなことも無いとは言い切れないため、吉と出るか?凶と出るか?(笑)。一応、勘でしかありませんが(笑)、ボーボー鳴るようなことは無いと考えています。

ちなみに、インターネットで塩ビパイプを利用したエンクロージャーの作例を調べてみましたが、作成されている方は結構いるようですが、エンクロージャー方式としてはバスレフ型が主流のようですね。共鳴管型は少数派のようでした。




共鳴管型スピーカー板取図
共鳴管型スピーカー板取図


共鳴管型スピーカー設計図1

共鳴管型スピーカー設計図2

共鳴管型スピーカー設計図3
共鳴管型スピーカー設計図


今回設計した共鳴管型スピーカーの板取図・設計図を掲載します。

数字①~⑨は板番号です。板取図と設計図の板番号は対応しています。15mm厚MDF サブロク板1枚使用。板取図の網掛け部分は使用しないので破棄します。①、⑥、⑦番板の切り抜きを底板の補強材として貼り付けます。また、ゴム脚を4本取り付けます。


ご覧になると分かると思いますが、MDF材で作った箱の中に塩ビパイプの折り曲げ共鳴管が収まった構造となっているため、完成すると、見た目はただのボックス型エンクロージャーになります。

パイプ開口位置は側面下部になります。スピーカーをステレオ配置した時に、外側に開口がくるように左右対象に作ります。まあ、見た目の問題なので、左右対象でなくても音質に影響はないと思いますが。

塩ビパイプが共鳴管として動作するのは良いですが、パイプ自体がビリつくのは困るので、箱の中をエアコンパテで充填します。


エアコンパテ
エアコンパテ





塩ビパイプは、呼び径75のVU管(外径:φ89mm, 内径:φ83mm)を利用することにしました。バッフル開口径がφ94mmのため、塩ビパイプのほうが細く(φ83mm)なってしまいますが、FOSTEX P1000 の実効振動半径が4cm(直径φ80mm)なので、それよりも塩ビパイプの内径が太いため問題ないと判断しました。

側板のパイプ開口部の穴径はφ110mmとなっています。側板の穴から外へ飛び出してくる90°エルボの最大外径がφ97mmくらいなので、φ110mmはかなり大きめなのですが、内部パイプが正確に組み立てられるとは思えないので、左右に5mmくらいずれても問題が出ない穴径にしました。側板の穴とパイプの隙間は、エアコンパテを充填してふさぎます。

側板のパイプ開口部から少々パイプが飛び出すと思いますが、片付け時に邪魔となるため飛び出し部分は切り取ってしまう予定です。まあ、実際の使用では飛び出したままでも問題ないですし、更に90°エルボを継ぎ足して、正面にパイプ開口を向けると低音増強には良いかもしれません。




気柱の共振(片開管の場合)
気柱の共振(片開管の場合)
外界からの音(共鳴管型スピーカーの場合はユニット放射音)により、パイプ内に定常波(定在波)が発生する。

パイプ長をL、波長をλとすると、L=1/4λ(λ=4L)となる周波数を基本振動として、L=3/4λ(λ=4/3L), L=5/4λ(λ=4/5L)・・・となる、基本振動とその奇数倍の周波数で定常波が発生する。

パイプの奥の部分は空気が自由に振動できないので「固定端」、開口部は空気が自由に振動できるので「自由端」という。

定常波の振幅が最小(圧力が最大)の位置を「節」、振幅が最大(圧力が最小)の位置を「腹」といい、「固定端」は「節」に、「自由端」は「腹」になる。

パイプ開口部(自由端)は定常波の「腹」となるため振幅が最大になり、効率よく音を外界に放射する。開口部付近の空気が大振幅することにより、一種の振動板のような働きをする。


パイプ長は約2m、折り曲げパイプが1本のパイプとして動作してくれると仮定すると、発生する定常波の波長は約8m。

共振周波数は・・・、
  • 基本振動:約43Hz
  • 3倍振動:約129Hz
  • 5倍振動:約215Hz


・・・となります。

口径10cmのフルレンジに、基本振動周波数:約43Hzは低いような気もしますが、さてはて、どうなることやら(笑)。

共鳴管として動作しなくても音響迷路としては必ず動作するので、低域の増強効果がまったくのゼロになることはないですが、中低域に落ち込みが出来てしまうかもしれません。

どのような動作をするのか?、完成してからインピーダンス特性を測定してみないとなんともいえません。大成功するのか?、大失敗なのか?(笑)。



次回に続く・・・ -> 製作編


スピーカー工作の基本&実例集2015年版
(ONTOMO MOOK)
関連記事


にほんブログ村 PC家電ブログ オーディオへ
にほんブログ村

にほんブログ村 PC家電ブログ ピュアオーディオへ
にほんブログ村

テーマ : オーディオ
ジャンル : 趣味・実用

tag : オーディオ スピーカー スピーカー工作 Stereo2015年8月号 フルレンジ FOSTEX P1000 共鳴管 フォステクス

コメントの投稿

非公開コメント

Re: No title

eof様

コメントありがとうございます。
また、動画を視聴していただきありがとうございます。

ご質問の件ですが、実は恥ずかしながら発泡ウレタンを使ったことが無かったため、どのような物か調べてみました。

当初、ウレタンシート(合成スポンジ)のような柔らかいものを想像していたのですが、軽量で硬化後はある程度の硬さになり、断熱効果や遮音効果もあるもののようですね。

スピーカー工作で使用するとしたら、バックロードホーン設計で出来てしまいがちなデットスペースを充填するのに良さそうです。

動画で紹介している共鳴管型スピーカーの場合では?ですが、エアコンパテを利用した理由は以下の2点となります。
1.エンクロージャーと塩ビパイプの隙間を埋める。
2.塩ビパイプ自体が振動して余計な音を出さないようにする。

発泡ウレタンで代用可能か?ですが、私が調べた限りでは振動する対象に付着すると制振効果があるのかちょっと分かりませんでした。制振効果が期待できるのであれば代用できるのではないでしょうか?。

ただ、エアコンパテの場合はエンクロージャー重量が大幅に増加するため、これが音質に良い影響を与えているのは間違いないと思いますので、発泡ウレタンは軽量ですから、その効果は期待できないかもしれません。

実は、エアコンパテの代用として紙粘土と油粘土も考えていたのですが、紙粘土は硬化に時間がかかるし、油粘土は酸化して劣化するので今回は使用を見合わせました。

No title

ニコニコから来ました。
エアコンパテの件ですけど、例えば発泡ウレタンとかはどうでしょうか?
ホームセンターとかでもお手軽に入手できますし、割と安いし・・・。
広告
Google検索
プロフィール

meridianstar

Author:meridianstar
元システムエンジニアの成れの果ての姿。
詳しいプロフィール:はじめに

contact
※ブログ内容にそぐわない質問の場合、お答えできないことがあります。ご了承ください。

Twitter:meridian15
ニコニコ動画:ヤサコ
pixiv:ヤサコ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

記事一覧
最新記事
広告
カウンター
注目しているもの
リンク(企業)
リンク(お友達)
  • Bond's Lab
    音楽とオーディオとDIYをこよなく愛する ボンド君 氏 の趣味サイト。

  • 試行錯誤
    試行錯誤 氏 のプログラミングお勉強ブログ。

このブログをリンクに追加する
RSSリンクの表示
参考書籍
にほんブログ村
QRコード
QR
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

にほんブログ村