トリプルバスレフ型エンクロージャーの実現性について妄想(笑) #3

前回の記事で、トリプルバスレフ型エンクロージャーの設計方針がある程度決まったので、今回は試作機の設計を行います。




ご注意!

このブログは素人が適当に書いているものです。内容については、参考程度にされますようお願いします。





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試作機設計

  • [参考]トリプルバスレフ型エンクロージャー構造・動作

    前回の繰り返しになりますが、トリプルバスレフ型の構造・動作を参考資料として再掲載します。


    トリプルバスレフ型エンクロージャー構造
    トリプルバスレフ型エンクロージャー構造

    トリプルバスレフ型エンクロージャーの構造を表した図です。

    スピーカーユニットが取り付けられている小部屋を「第1キャビネット」、そこに付いているダクトを「第1ダクト」、第1ダクトでつながっている小部屋を「第2キャビネット」、そこに付いているダクトを「第2ダクト」、第2ダクトでつながっている小部屋を「第3キャビネット」、そこに付いているダクトを「第3ダクト」と呼びます。




    トリプルバスレフ型エンクロージャー動作(予想)
    トリプルバスレフ型エンクロージャー動作(予想)

    トリプルバスレフ型エンクロージャーの動作を表した予想図です。

    エンクロージャー内部が3つの小部屋に分かれているため"トリプル"バスレフ型と呼んでいますが、実際の動作は非常に複雑で、図のように6つの共鳴器が存在・動作していると考えられます。



    • 共鳴器A:第1キャビネットと、第1ダクトで作られる共鳴器。

    • 共鳴器B:第2キャビネットと第1ダクト、第2ダクトで作られる共鳴器。

    • 共鳴器C:第3キャビネットと第2ダクト、第3ダクトで作られる共鳴器。

    • 共鳴器D:第1キャビネットと第2キャビネットの合計容量と第2ダクトで作られる共鳴器。

      この場合、第1ダクトは通路として動作し、ダクト内積は合計容量に加算される。キャビネットの仕切り板は合計容量に含まれない。

    • 共鳴器E:第2キャビネットと第3キャビネットの合計容量と第1ダクト、第3ダクトで作られる共鳴器。

      この場合、第2ダクトは通路として動作し、ダクト内積は合計容量に加算される。キャビネットの仕切り板は合計容量に含まれない。

    • 共鳴器F:第1キャビネット、第2キャビネット、第3キャビネットの合計容量と第3ダクトで作られる共鳴器。

      この場合、第1ダクト、第2ダクトは通路として動作し、ダクト内積は合計容量に加算される。キャビネットの仕切り板は合計容量に含まれない。


    ※ひとつのキャビネットに2本以上のダクトが付いていたとしても、合成された1本の等価ダクトとして動作します。そのため、共振周波数は1つしか表れません。

    ※共鳴器Aの共振周波数をfda、共鳴器Bの共振周波数をfdb、共鳴器Cの共振周波数をfdc、共鳴器Dの共振周波数をfdd、共鳴器Eの共振周波数をfde、共鳴器Fの共振周波数をfdfとします。




  • [参考]トリプルバスレフ型エンクロージャー設計案[ケース1]

    前回の記事では、トリプルバスレフ型の設計案として2つのケースを挙げてみました。


    今回の記事では2つ挙げた設計案のうち、[ケース1] fdaを先ず設定、他の共振周波数を等倍に割りふる。 の試作機を設計してみました。参考資料として[ケース1]の説明を再掲載します。



    • [ケース1] fdaを先ず設定、他の共振周波数を等倍に割りふる。


      [周波数特性] fdaを先ず設定、他の共振周波数を等倍に割りふる。
      [周波数特性] fdaを先ず設定、他の共振周波数を等倍に割りふる。


      この設計案では、ダブルバスレフ型エンクロージャーの設計方法を単純に発展させています。


      • ユニット直接放射音(青線)の特性を参考にしてfdaを決定します。fdaは通常のバスレフ型の設計値よりも少々高めに取ります。

      • fdaをもとに、fddを1/3fdaの値に取ります。また、fdbを計算してfdb=2/3fdaに近い関係が成り立っているか確認します。

      • fdfの決定では、fdbをダブルバスレフ型設計でのfdaに相当する値とみなし、1/3fdb程度に取ります。fdfは1/4を下限として1/3より低い値に設定しても良いかもしれません。

      このケースでは、fdc、fdeを計算していません。というのも、設計が完成しないと計算できないからです。共鳴器Cの状態によりfdeは fdf < fde < fdd(共鳴器Cの容量大の場合) の関係、もしくは、fdf < fdd < fde(共鳴器Cの容量小の場合) の関係になるのではないか?と想像されます。

      このケースの問題としてfdc値が低すぎると、fdaが第3ダクトにフィルタリングされてうまく通過できない可能性があります。うまく通過できない場合、fda付近に落ち込みができるかもしれません。




  • 使用スピーカーユニット紹介

    フルレンジユニット 北日本音響株式会社 F02406H0

    北日本音響(株) F02406H0
    北日本音響(株) F02406H0


    今回の試作機で使用を想定しているスピーカーユニットです。このユニットの詳細はこちらの記事で紹介しています。詳しくはそちらをご参照ください。


    仕様
    • 口径:6cm
    • 形式:コーン型フルレンジ
    • 公証インピーダンス:8Ω
    • 定格入力:10W
    • 実効振動半径(a):2.3cm(実測)
    • 最低共振周波数(f0):223Hz(実測)
    • 再生周波数帯域:f0~20kHz(実測)
    • マグネット径:50φ×8tmm(実測)
    • 総重量:172g(実測)
    • バッフル穴径(外付け):約54φ~55φmm 端子部要ザグリ加工(実測)
    • 備考:スピーカーケーブル(約22cm)、ピンヘッダ端子付き。取付けネジは付属していません。

    ※実測と記述があるものは、私が実際に測定した値です。公式スペックシートが入手出来なかったため、実測値の項目が多くなっています。ご了承ください。


    写真では錯覚して大きく見えますが、口径6cmの非常に小さなフルレンジユニットです。実効振動半径が2.3cm(実効振動面積:16.6cm^2)しかなく、フォステクスの口径8cmフルレンジユニットであるFE87の実効振動半径は3cm(実効振動面積:28.3cm^2)なので、面積比はFE87の59%くらいしかありません。


    なぜこのユニットを選んだかというと、買っておいて使わずに放置されていたということもありますが、トリプルバスレフ型は大掛かりなエンクロージャーで低域を伸ばすものなので、構造的に大型化しやすいこと、また、エンクロージャーサイズはユニット口径に比例して大型化するため、もともと低域の再生能力の高い口径の大きなユニットを使用すると非常に無駄が多いということになります。

    そのため、単独では低音再生能力が非力な小口径ユニットを使用することにしました。そもそもトリプルバスレフ型というものが実現可能なのかを検証するための試作機なので、ほとんど玉砕覚悟で作るわけですから、巨大な箱ができてしまうと後で置き場所に困ります(笑)。しかも大失敗だったら目も当てられないですしね(汗)。




    [周波数特性] 北日本音響(株) F02406H0
    [周波数特性] 北日本音響(株) F02406H0


    F02406H0の周波数特性を再掲載します。100Hz以下はノイズです(おもに自動車のエンジン音)。無視してください。約0.85リットルの密閉箱に取り付けて測定しています。

    全体的に見ると右肩上がりの特性ですが、おおむね200Hz~20kHzがフラットです。18kHz以上のレベルが特に高いですが、この帯域は耳の感度が落ちるため、うるさく感じことはないと思います。

    約0.85リットルの密閉箱に取り付けて測定しているため200Hz以下が急降下していますが、もともと口径6cmのユニットのため低域の再生能力は高が知れているので、トリプルバスレフ型エンクロージャーに取り付けると低域の特性がどの程度変化するのか?、大変興味があります。




  • 設計案[ケース1] トリプルバスレフ型エンクロージャー設計図

    設計案[ケース1]に基づいて設計した、トリプルバスレフ型エンクロージャーの設計図を掲載します。


    設計案[ケース1] トリプルバスレフ型エンクロージャー設計図
    設計案[ケース1] トリプルバスレフ型エンクロージャー設計図



    • 設計図解説
      • 試作機のため、できる限りお手軽に作れることを心がけました。例のごとく100円ショップダイソーで販売されている板材を使って作ります。

        ダイソーで売られているMDF材に600x200x6mmサイズのものがあり(この板はサイズが大きいからなのか216円)、それを左右の側板として利用します。

        ダクトもやはりダイソーで売られている30x30x15mmサイズの角材(ブロック)を組み合わせて作ります。また、エンクロージャーの四隅は三角棒をカットして貼り付けます。


      • 前述の通り、スピーカーユニットは「北日本音響(株) F02406H0」を使用します。

      • 第1キャビネットが2リットル、第2キャビネットが3リットル、第3キャビネットが約6.4リットルとなっています。

      • 各共鳴器の内容量・共振周波数は以下の通りです。
        • 共鳴器A:内容量2リットル、共振周波数(fda)224Hz

          上で掲載している F02406H0 の周波数特性では再生下限が200Hz付近であるため、fdaを200Hzより少々高めの224Hzとしました。

          実は当初、第1キャビネット容量が測定で使用した密閉箱よりも大きいため、再生下限も少々伸びる可能性があり、fdaをもう少し低く200Hz付近に設定する案もありました。

          しかし、完成後、この付近の帯域に落ち込みができた場合、fdaの周波数設定が悪かったからなのか、それとも、共鳴器Aの共振音が第3ダクトでフィルタリングされたためなのか判別ができなくなる恐れがあり、無難な値にしてあります。


        • 共鳴器B:内容量3リットル、共振周波数(fdb)143Hz

          設計案の 「fdb = 2/3fda」 に従い、fda:224Hzの2/3の149Hzに近い、143Hzとしました。


        • 共鳴器C:内容量約6.4リットル、共振周波数(fdc)81.9Hz

        • 共鳴器E:内容量約9.4リットル、共振周波数(fde)88.5Hz

        • 共鳴器D:内容量約5リットル、共振周波数(fdd)63.9Hz

          設計案では 「fdd = 1/3fda」 となっており、75Hz付近にするつもりでいたのですが、上述の通り、fdc:81.9Hz、fde:88.5Hzとなっており、75Hzではかなり近い周波数になってしまうため、後述のfdf:47.8Hzとの間を埋めるために、当初より低めの63.9Hzとしました。


        • 共鳴器F:内容量約11.4リットル、共振周波数(fdf)47.8Hz

          fdfは設計案 「fdf = 1/3fdb」 に従い、fdb:143Hzの1/3の47.7Hzに近い、47.8Hzとしました。


      • ダクトサイズは、すべて30x30mmの正方形です。断面積:9cm^2となり、F02406H0 の実効振動面積:16.6cm^2の約54%となります。

        一般的なバスレフ型エンクロージャーのダクト面積からすると大きすぎますが、ダブルバスレフ型やトリプルバスレフ型はエンクロージャーの内部構造が複雑なため、バスレフ型で使われるサイズのダクト断面積では気流抵抗が大きくなってしまうという問題があるので意図的に広く取っています。



    • インピーダンス特性(予想)

      トリプルバスレフ型インピーダンス特性(予想)
      トリプルバスレフ型インピーダンス特性(予想)


      インピーダンス特性の予想図です。

      ダブルバスレフ型エンクロージャーではユニットが取り付けられている共鳴器の共振周波数のみがインピーダンス特性の谷として表れるため、トリプルバスレフ型でも同様にユニットが取り付けれている共鳴器A、共鳴器D、共鳴器Fの共振周波数である、fda、fdd、fdfが図のように谷として表れるのではないか?と、予想されます。



    • 設計後に分かった点など
      • fdcとfdeの共振周波数が近い値になってしまった。

        共振周波数が近くなってしまった理由として、共鳴器Cと共鳴器Eは第3キャビネットと第3ダクトを共有していることが挙げられます。


        共鳴器C、共鳴器Eそれぞれの特徴
        • 共鳴器C:第2ダクト、第3ダクトを使用。容量は第3キャビネットのみ。
        • 共鳴器E:第1ダクト、第3ダクトを使用。共鳴器Eには第2ダクトも含まれていますが、この場合は単なる通路として動作しダクト内の空気も合計容量に含まれます。容量は第2キャビネットと第3キャビネットの合計。


        fdcとfdeをもっと離れた周波数に設定できないか考察してみると・・・、

        第3キャビネット、第3ダクトは、共鳴器Cと共鳴器Eで共有しているため変更しても効果がありません。そのため、手を入れられるとしたら第1ダクト、第2ダクトの断面積・長さを片方、あるいは両方を変更するか、第2キャビネット容量を変更するかに限られます。

        しかし、第1ダクトを変更すると共鳴器Aの共振周波数fdaも変わってしまいますし、第2ダクトや第2キャビネット容量を変更すると、共鳴器Bの共振周波数fdb、共鳴器Dの共振周波数fddも変わってしまうため、悩ましいところです。


      • fdcが低くなってしまった。

        共鳴器Aの共振音fdaは、fdbをカットオフ周波数とするローパスフィルターと、fdcをカットオフ周波数とするローパスフィルターの2つのローパスフィルターを通過して外界に放射されることになるので、fdcがfdbに対して低い周波数になっていると、fdaが外界に放射されず、fdaが再生している帯域が落ち込むおそれがあります。

        理想的には fdb = fdc の方が良いのかも知れません。しかし、fdcを高くすると結局fdfも高くなってしまうため、トリプルバスレフ型の存在意義であるダブルバスレフ型よりも更に再生下限の拡張をすることができなくなってしまいますが・・・。

        第2キャビネットの容量を増加、第3キャビネットと同容量にして、ダクトの変更のみで共振周波数を調節したほうがいいのかもしれません。



        これら2点については、試行錯誤して最適な解を見つけるしかなさそうです。




次回に続く・・・ -> その4


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