L・R一体型バックロードホーン型スピーカー作成(ダイトーボイス DW-160 + ART 25HP-03 使用)

この記事では、以前作成したスピーカーシステムを紹介します。




L・R一体型バックロードホーン型スピーカー(ダイトーボイス DW-160 + ART 25HP-03 使用)
L・R一体型バックロードホーン型スピーカー
(ダイトーボイス DW-160 + ART 25HP-03 使用)





ここ最近、自室の片付けをしていたのですが、こんなものが出てきました。

L・R一体型バックロードホーン型スピーカー 板取図・組立図


ダイトーボイス DW-160(ウーハー)、ART 25HP-03(ソフトドーム型ツィーター)を使用したバックロードホーン型エンクロージャーの板取図、組立図です。


私はスチールパイプフレームのベッドを使っているのですが、このベッドは枕元に目覚まし時計などを置くスペースがありません。そのため、既製品、あるいは、自作でもいいので棚が欲しいな・・・と、以前から思っていました。

そこで、「自作をするなら導眠用のやすらかな音楽を流すスピーカーを内臓しよう!(笑)」という強引な発想のもと、スピーカーを内臓した棚を作ることにしました。ちなみに、導眠用音楽はもっぱら「喜多郎」です。





使用ユニットの紹介

  • ダイトーボイス DW-160


    ダイトーボイス DW-160


    • 形式: コーン型ウーハー(防磁型)
    • 口径: 16cm
    • インピーダンス: 8Ω
    • 最低共振周波数(f0): 46Hz
    • 再生周波数帯域: f0~4,000Hz
    • 出力音圧レベル: 92dB/W(1m)
    • 定格入力/最大入力: 30W/50W
    • バッフル開口径: 145mmφ
    • 重量: 1.2㎏
    • メインマグネットサイズ: 85 x 33 x 15mm (360g)
    • キャンセルマグネットサイズ: 70 x 32 x 13mm (200g)
    • 素材: パルプコーン、ウレタンエッジ、プレス角フレーム、フェライトリングマグネット


  • ダイトーボイス DW-160 スペックシート
    付属スペックシート


    現在コイズミ無線で販売されている DW-160 とはスペックに少々差異が見られます。私が所有している個体は購入した時期が10年くらい前なので、バージョンアップしているのかもしれません。
    ダイトーボイス DW-160 (コイズミ無線オンラインショップ)ダイトーボイス DW-160 (コイズミ無線オンラインショップ)

    ちなみに、「ダイトーボイス DW-160Rダイトーボイス DW-160R (コイズミ無線オンラインショップ)」というラウンドフレームバージョンもあります。





  • ART 25HP-03


    ART 25HP-03


    • 形式: ソフトドーム型ツィーター
    • インピーダンス: 6Ω
    • 再生周波数帯域: 2kHz~22kHz
    • 出力音圧レベル: 89dB
    • 入力: 25/40W
    • 振動板径: 28mmφ
    • バッフル開口径: 48mmφ
    • 素材: シルクドーム、合成樹脂フレーム、ネオジムマグネット

    ART 25HP-03 (コイズミ無線オンラインショップ)ART 25HP-03 (コイズミ無線オンラインショップ)


※ダイトーボイス DW-160は付属していたスペックシート、ART 25HP-03はコイズミ無線の商品ページより引用させて頂きました。





設計

バックロードホーン型スピーカーを設計・製作する場合、以前ならフルレンジユニット、それもQ0が低く、強力な磁気回路をもつユニットを使っていました。


しかし、長岡鉄男氏の著書で「低能率のウーハーユニットをバックロードホーンで使うと、ローブーストの周波数特性になる」という説明を読んだので、導眠用スピーカーならローブーストでゆったりとした音の方が良いのでは?と思い、磁気回路が強力ではないウーハーユニットを使ってみることにしました。

また、高域も刺激的ではないやさしい音を狙うため、ソフトドーム型ツィーターを選びました。


ウーハーはネットワークスルーでフルレンジのように使用。ツィーターもコンデンサー1本でローカットする簡単な構成です。作ったのがかなり前なので、クロスオーバー周波数は忘れました・・・(汗)。

周波数特性を測定すれば分かるはずですが、このスピーカー製作していた頃は測定用マイクを持っていなかったため、今回が初測定となります。試聴しながらネットワークパラメーターを調整しているので、うまく接続できていないかもしれないです・・・(汗々)。





以下、板取図・組立図を掲載します。上で掲載しているオリジナルの図面は電子ファイルを喪失してしまったため、印刷をもとに作り直しました。

  • 板取図
板取図(1枚目)板取図(2枚目)






  • 組立図
組立図(前面側)
組立図(背面側)


15mm厚の3尺×6尺板(サブロク板)2枚を使って作ります。組立図の上段が前面側、下段が背面側の内部の様子です。

図中の丸数字は板番号を表します。板取図と組立図に書かれている板番号が同じであれば、同一の板を表しています。「あまり」と書かれている板は組立図をみると使っている様子がありません。何のために残してあるのか忘れてしまいました・・・(汗)。


前面中央上に、左・右チャンネルユニット共通の空気室があり、そこから下にホーンが伸びています。空気室の真下で左右に音道が分かれて、左上と右上にある15cm x 18cmの切り抜き穴を通って背面側につながっています。

背面側はU字のような音道を通って、48cm x 24cm の開口部に到達します。背板(2)の開口部切り抜きは1つですが、実際は(8)の板で音道が左右に分かれています。

ネック部分はありませんが、長岡氏設計のスワンの音道に似ているといったほうが分かりやすい(人もいる?)かもしれません。

ツィーターユニットは空気室の左右に専用のキャビティ(小部屋)を左側(13, 22, 24)、右側(14, 23, 25)の板を貼り合わせて作り、そこに取り付けます。専用キャビティを設けることにより、ウーハー背面から放射される振動の影響を受けないようにしています。



ホーン・空気室の設計は以下のとおりです。
  • ホーン長: 約3m
  • 空気室: 約10.7L
  • スロート(ホーン入口)断面積: 135cm^2
  • スロート絞り率: 約0.5
  • カットオフ周波数: 約126Hz





  • ホーン断面積の変化
ホーン断面積の変化


このグラフは、ホーン断面積の変化をスロートから開口部までプロットしたものです。

横軸がスロートからの距離で単位は10cmです。グラフ一番左の0の位置がスロート、一番右の30(300cm)の位置が開口部です。縦軸はスロートからの距離におけるホーン断面積を表します。単位はcm^2です。

板取り・エンクロージャーサイズの関係から、エクスポネンシャルホーンというよりは、コニカルホーンを直管の連結で近似した構造になっています。というか、結果的になってしまいました。





フォトギャラリー

フォトギャラリーというほど大層なものではありませんが、写真を数枚撮りましたので掲載します。



L・R一体型バックロードホーン型スピーカー(正面)


上でも掲載している、正面の写真です。

メインの帯域を再生している左右のウーハーユニットがかなり隣接して配置されているため、ステレオ感はあまりありません(汗)。反面ボーカルの定位は良いですが(笑)。ツィーターをある程度距離をとって配置しているので、設計していた時はもう少しステレオ感が出ると想像していたのですが・・・。

ウーハーをフルレンジとして使っているため、かなり上の帯域まで再生していることも影響していると思います。ウーハーにローパスフィルタを入れて、ツィーターの再生帯域を広げることができればもう少しステレオ感がでるかもしれません。

しかし、ART 25HP-03 は再生周波数下端が2kHz~となっているため、安全を見ると実質3~4kHzくらいから使うことになるので、もっと低い周波数から使えるツィーターに交換しないと無理です。


まあ、枕元に置いて小音量で聴くので、ステレオ感はあまり重要ではないのが救いです(笑)。





斜め上から見た様子


斜め上から見た様子。上に載っているパワーアンプは「べリンガー A500」です。下で掲載している測定で使いました。





ユニット部拡大


ユニット部を拡大した様子です。

私が所有している ダイトーボイス DW-160 は10年くらい前に購入したものですが、ウレタンエッジの劣化はみられません。

FOSTEX FF125K も10年以上前に購入したものを所有していますが、ウレタンエッジの劣化が見られないため、メーカーによって製法がちがうのかもしれません。ちなみに、やはり10年以上前に購入した テクニクス 10F20、20F20 はウレタンエッジがボロボロになってしまいました。





側面の様子


側面の様子。奥行きは約33cmあります。





スピーカーターミナル


スピーカーターミナルの様子。手を抜いているため(笑)、秋月電子通商で売っているスプリング式の簡素なものを使っています。





キャスター部


このエンクロージャーはかなりの重量があるため、掃除などのときに移動しやすいようにキャスターを底板の四隅に付けてあります。

キャスターが取り付けられている位置は重さが集中するため、底板の補強として上で掲載している図面には載っていない900 x 300 x 15tmmの板が貼り付けられています。設計時はキャスターを付ける予定がなかったため、後から追加しました。





背面の様子


背面の様子。ホーン開口部が見えます。





ホーン開口部拡大


ホーン開口部を拡大した様子。

後面開口のバックロードホーンのため影響は少ないと思いますが、念のためにホーン開口部にカットしたフェルトを貼り付けて、中高域が漏れるのを防いでいます。





測定

周波数特性、インピーダンス特性を測定しましたので、掲載します。


使用ソフトウェア・測定環境
多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene V1.50 efu氏
高速リアルタイム スペクトラムアナライザー WaveSpectra V1.51 efu氏
入力信号:サインスイープ 20Hz~20kHz
マイク高さ: ウーハーセンターキャップ中心の高さにあわせています。
マイク向き: 左右ウーハーユニットの中間に向けています。
マイク位置: マイク - エンクロージャー間の距離は1mです。

※L・R一体型スピーカーのため、左・右チャンネルを並列接続して両方のスピーカーに信号を入力、測定しています。




  • 周波数特性

[周波数特性] L・R一体型バックロードホーン型スピーカー
[周波数特性] L・R一体型バックロードホーン型スピーカー


先ずは、周波数特性の測定結果を掲載します。


3kHz付近より上の帯域で音圧レベルが8~10dB程度下がっています。ここがクロスオーバ周波数だと思いますが、ウーハーとツィーターでこれほどまでレベルに差があるとは思いませんでした。クロスオーバ周波数付近に大きなディップなどなくうまく接続できているので、何だかとても悔しいです(笑)。

ダイトーボイス DW-160 がインピーダンス8Ωで、出力音圧レベルが92dB。ART 25HP-03 がインピーダンス6Ωで、出力音圧レベルが89dB。

8Ωと6Ωのユニットを並列接続しているので、8Ωのユニットに対して6Ωのユニットには1.33倍(+2.5dB)入力されるため、DW-160 が92dBに対して、25HP-03 は91.5dB相当になるので、そこそこうまくつながるかな?と思っていたら大間違いでした(汗)。

やはり、製造しているメーカーが異なると測定基準も異なるため、メーカー発表値を鵜呑みにして比較するのはダメですね。


中低域を見てみると、60Hz~3kHzがおおむねフラットです。低域にぼこっと山ができると思いましたがそんなことはありませんでした。

ツィーターが担当している3kHzより上の帯域も17kHzくらいまでフラットで指向性も良く、とても良い特性です。本当にウーハーとツィーターのレベル差が悔やまれる結果となってしまいました(汗々)。





  • インピーダンス特性

[インピーダンス特性] L・R一体型バックロードホーン型スピーカー
[インピーダンス特性] L・R一体型バックロードホーン型スピーカー


続いて、インピーダンス特性の測定結果です。グラフの0dBの位置を200Ωにあわせてあります。

左・右チャンネルを並列接続しているため、インピーダンスが1/2倍(-6dB)になるはずですが、低域のピークが高いですね。

やはり、ダイトーボイス DW-160 というウーハは意外と駆動力が高そうです。また、振動板も軽いようで、高域を抑えたフルレンジのようなユニットに感じました。

低域に複雑な山谷ができているため、バックロードホーンとして動作していると見てよさそうです。また、20Hz以下にもピークがありそうです。

高域のインピーダンスが低いのはツィーターが接続されているためです。



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