スピーカーユニットメモ ~フルレンジユニット FOSTEX(フォステクス) M800~

Stereo(ステレオ)誌 2016年8月号 付録


メタル振動板フルレンジユニット FOSTEX(フォステクス) M800

ステレオ2016年8月号(表紙)
Stereo(ステレオ) 2016年8月号
FOSTEX(フォステクス) M800 (表)
FOSTEX(フォステクス) M800 (裏)
FOSTEX(フォステクス) M800





関連記事リンク





仕様
  • FOSTEX(フォステクス) M800

FOSTEX(フォステクス) M800
M800
FOSTEX(フォステクス) M800 外形寸法図
外形寸法図
 


  • 形式: 8cmコーン型フルレンジ
  • 公証インピーダンス:
  • 最低共振周波数(f0): 105Hz
  • 再生周波数帯域: f0~32kHz
  • 出力音圧レベル: 82.5dB/w(1m)
  • 入力(NOM): 5w
  • m0: 2.5g
  • Q0: 0.75
  • 実効振動半径: 3.0cm
  • マグネット質量: 103g
  • 総質量: 280g
  • バッフル穴寸法: φ79mm
  • 標準エンクロージャー方式(内容積): バスレフ型(3.5L)
  • 付属品: 取付けネジ x 8, ガスケット x 2

※スピーカーケーブル・ファストン端子は付録しません。

※Stereo誌2016年8月号 P35より引用させて頂きました。





特徴

詳しくは誌面をご覧頂きたいのですが、Stereo誌(P34~)に掲載されている記事「付録スピーカーユニットの解説と推奨エンクロージュア」のうち、フォステクスカンパニー 三井宏 氏、佐藤英宣 氏 のインタビューより M800 の特徴について抜粋させて頂きました。


  • FOSTEX初のアルミニウム振動板フルレンジユニット。過去にマグネシウム振動板のユニットは作っているが、アルミニウムは初めてとのこと。

  • 金属振動板特有の浸透力、説得力のある音。

  • 内部損失の低いアルミニウムは音速が速いため高域特性が良く、この利点を生かす方向で設計。

  • 白色の表面処理(アルマイト処理)を数工程行うことにより、音質コントロールとアルミニウムの腐食を防いでいる。

  • 厚さ100ミクロン(=0.1mm)のアルミニウム振動板。繊細なので取り扱いには注意が必要。

  • ゴム製アップロール形状エッジを採用。振幅に必要なストロークを確保している。これは、低域のアタック感や伸びのある低域再生に貢献している。

  • ボイスコイル系素材は、Stereo誌2014年8月号に付録したウーハーユニット PW80 と共通。ボイスコイルボビン素材はカプトン(これも PW80 と共通)。

  • 素材物性による高域ピークをコントロールすることによりアルミニウム独特の癖を抑え、ナチュラルな音質に仕上がっている。また、応答性も良く、切れ味が鋭い音質に仕上がっている。

  • ウーハーユニット PW80 とバッフル穴寸法が同じため、交換して音質の違いを楽しむことが可能。





所感

毎年夏休みにあわせて発売される、スピーカーユニット付録ステレオ誌2016年8月号です。

今回は口径8cm メタル振動板フルレンジユニット M800(ペア)が付属しています。製造元は毎度おなじみのFOSTEX(フォステクス)です。





 Stereo(ステレオ) 2016年8月号 (上)  
Stereo(ステレオ) 2016年8月号 (左)Stereo(ステレオ) 2016年8月号 (表紙)Stereo(ステレオ) 2016年8月号 (右)Stereo(ステレオ) 2016年8月号 (裏)
 Stereo(ステレオ) 2016年8月号 (下)  


雑誌本体と付録ユニットが入った段ボール箱が大きな表紙(のようなもの)に包まれている構造になっています。例年通りですね。






Stereo(ステレオ) 2016年8月号(本体)


大きな表紙(のようなもの)をめくった様子です。左側が雑誌本体の表紙です。






雑誌本体分離


雑誌本体を分離した様子です。付録スピーカーユニットの梱包箱が見えます。






付録ユニット梱包箱
梱包箱分離


付録スピーカーユニットの梱包箱を分離した様子。






 付録ユニット梱包箱(上) 
付録ユニット梱包箱(左)付録ユニット梱包箱(表)付録ユニット梱包箱(右)
 付録ユニット梱包箱(下) 
 付録ユニット梱包箱(裏) 


段ボール紙製の付録ユニット梱包箱です。今年も簡易エンクロージャーとして使える仕様になっています。


ちょっと見にくいですが(写真クリックで拡大)、表側にはユニット取付け穴のミシン目が2つ付いています。また、裏側にはスピーカーケーブル引き出し用穴の印刷(ミシン目ではない)があります。

去年と同様、付録スピーカーユニットには興味があるけれど、エンクロージャー製作まではちょっと・・・という方でも、梱包箱に取り付けてとりあえず鳴らしてみることが出来るようになっています。

これも去年と同様ですが、スピーカーケーブル・ファストン端子は付録していないため、各自で用意する必要があります。

まあ、とりあえず鳴らせれば良いのであれば、電気屋で売っているAC100V用の電源ケーブルがスピーカーケーブルの代わりとして使えると思います。電線皮膜に極性を表す色分けがされていないので、ちょっと使いにくいですけどね。






付録ユニット梱包箱(内箱)


付録ユニット梱包箱(内箱)の様子です。丸い穴からユニットコーン保護カバーが見えます。






付録ユニット梱包箱(内箱開封)


内箱を開封した様子。






内容品一覧
内容品一覧(ビニール袋開封)


  • 内容品一覧
    • フルレンジユニット FOSTEX M800(保護カバー付) x 2本
    • 取付けネジ x 8本
    • ガスケット x 2個



付属ガスケットは裏側が粘着テープになっており、あらかじめユニットに貼り付けられるようになっています。

粘着テープになっていないガスケットが付属するユニットもありますが、慣れないとユニットをエンクロージャーに取り付ける際に、ガスケットがフランジからはみ出して見た目が悪くなるため、初心者に配慮しているものと思います。






保護カバー


M800 に付いていた保護カバーをはずした様子です。

このユニットはアップロール形状のエッジになっており、フランジよりも前にせり出しています。そのため、コーン面を下側にして置く場合、保護カバーを取付けないとエッジをつぶしてしまいます。注意が必要です。






FOSTEX(フォステクス) M800 (表側)FOSTEX(フォステクス) M800 (裏側)
メタル振動板フルレンジユニット FOSTEX M800 (左:表, 右:裏)


メタル振動板フルレンジユニット FOSTEX M800 本体の様子。アルミニウム振動板のフルレンジユニットです。

前述のとおり、エッジがフランジから飛び出しているため、コーン面を下にして置く場合は保護カバーを付けておくのが無難です。ゴムエッジのため弾力性はありますが、長い時間無理な力を加え続けると変形して戻らなくなる恐れがあります。

また、アルミニウム振動板は非常に薄くデリケートであるため、触らないほうが良いそうです。少しの力で簡単に変形してしまいます。



ユニット裏側には以下の印刷がありました。
-----------------------------------------
Stereo
model M800
Full Range

FOSTEX
IMP. 8Ω NOM. 5W
made in china
-----------------------------------------






  • FOSTEX M800 ギャラリー
ここからは、メタル振動板フルレンジユニット FOSTEX M800 をいろいろな角度から撮影しましたので、掲載します。




端子部


端子部側面、錦糸線


錦糸線はボイスコイルから直接引き出されていました。そのため、コーン表面に配線部をボンドでコーティングしたものがありません。






端子、フレーム、磁気回路


フレーム、コーン裏、磁気回路


端子部


端子の大きいほうがプラス側、小さいほうがマイナス側です。端子基盤(写真クリックで拡大)にもよく見ると、+, - マークが刻印されています。






コーン部拡大、センターキャップ


センターキャップはボイスコイルから直接放射されるきつい高域を閉じ込める一般的なタイプです。メカニカル2wayにはなっていません。






端子部側面、錦糸線、磁気回路







  • FOSTEX FE87 との比較
手元にあった FOSTEX FE87 と大きさを比較してみました。




FOSTEX FE87(左側)、M800(右側)
FOSTEX FE87(左側)、M800(右側)


私が所有している FE87 は、入手したのが10年(20年?)以上前なので、だいぶくたびれています。

エッジが汚く見えるのは、布エッジに塗布されているダンプ剤が経年劣化により軟化しており、そこにほこりがこびりついてしまっているためです。掃除しても取りきることができませんでした。






FOSTEX FE87(右側)、M800(左側)


磁気回路側をあわせて並べてみました。

FE87 は口径不明のリングマグネットがメイン、キャンセルあわせて2枚が金属製ケースに収まった防磁型です。そのため、 M800 より奥行きがあります。

マグネットサイズはφ60mmの M800 の方が大きいです。






FOSTEX FE87(左側)、M800(右側)


今度はコーン側をあわせて並べてみました。

FE87 がダウンロールエッジ、M800 がアップロールエッジで位置もほとんど同じだったため、ぴったりとくっけても M800 のエッジがつぶれることはないようでした。

フランジサイズは全く同じようです。しかし、ふちの加工が異なっており、FE87 は折り返されていますが、M800 は折り返されていません。

ただし、折り返されていなくてもカッターの刃のような鋭い状態にはなっていません。ちゃんと滑らかに加工されているため、指をけがするようなことはありません。






測定

周波数特性を測定しましたので、掲載します。


測定にはこちらの記事で制作している焼酎ペットボトルエンクロージャーを利用しました。エンクロージャー形式はバスレフ型ですが、ダクトを吸音材でふさいで密閉型として動作させたケースと、バスレフ型として動作させたケースの2種類の周波数特性を掲載しています。



焼酎ペットボトルエンクロージャー(前面)焼酎ペットボトルエンクロージャー(背面)


測定に利用した、焼酎ペットボトルエンクロージャー(左:前面, 右:背面)です。

もともと、口径10cmのユニットを取り付けるための穴が開いていました。そのため、100円ショップダイソーで販売されている 100x100x6tmm のMDF材でサブバッフルを作り、M800 にあった開口径(φ79mm)に変更しています。

背面側を見ると、ペットボトルの注ぎ口がダクトとなっています。注ぎ口(ダクト開口)に吸音材を詰め込むことにより、密閉型エンクロージャーとして動作させています。



  • 使用ソフトウェア・測定環境

    多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene V1.50 efu氏
    高速リアルタイム スペクトラムアナライザー WaveSpectra V1.51 efu氏
    入力信号:サインスイープ 20Hz~20kHz
    マイク位置:ユニット軸上1m
    エンクロージャー容量:5リットル



  • 周波数特性

[周波数特性・インピーダンス特性] FOSTEX(フォステクス) M800 (公式)
[周波数特性・インピーダンス特性] FOSTEX(フォステクス) M800 (公式)


参考資料としてフォステクス公式発表の周波数特性・インピーダンス特性を掲載します。






[周波数特性] FOSTEX(フォステクス) M800 (密閉型・実測)
[周波数特性] FOSTEX(フォステクス) M800 (密閉型・実測)


5リットルエンクロージャーを密閉型として動作させて測定した結果です。


中高域はおおむね公式発表の特性と同じです。しかし、私の持っている個体では公式にはある10kHzのピークがないようです。13kHzの大きなピークは公式同様みられます。やはり中域に対して10dB程度高くなっています。(10kHzのピークは13kHzのピークと合体してしまった?。)

中低域は公式の特性では100Hz付近までフラットですが、私の測定結果では700Hz付近からだら下がりになっており、密閉型らしい特性です。

公式では大容量の密閉箱(いわゆるJIS標準箱)で測定しているものと思います。大容量の密閉箱では空気バネの力がほとんど働かないためf0での振幅が大きくなり、それに伴い音圧レベルが上昇しているのでしょう。

私の測定環境では5リットル密閉箱なので、空気バネの力がJIS標準箱よりも強く働いていると思います。そのため、f0での振幅が空気バネの力で抑えられ、音圧レベルも低下していると考えられます。






[周波数特性] FOSTEX(フォステクス) M800 (バスレフ型・実測)
[周波数特性] FOSTEX(フォステクス) M800 (バスレフ型・実測)


5リットルエンクロージャーをバスレフ型として動作させて測定した結果です。


ダクトの共振周波数は約90Hz。上の密閉型の特性と比較すると、70Hz~150Hzの帯域で上昇がみられます。

全体的に見ると少々右肩上がりの特性になっています。しかし、このユニットのために設計したエンクロージャーではないにもかかわらず、ダクトチューニングがおおむねあっているようで、高域の癖に目をつぶれば90Hz~13kHzがフラットの良い特性です。

この状態でしばらく音楽を聴いてみましたが、意外と低音感がありました。






終わりに

この記事を執筆しながら、上の測定で使用した焼酎ペットボトルエンクロージャーの状態(バスレフ型)で音楽を聴いていたので、その所感を残しておきます。エンクロージャーが1つしかないのでモノラル(というか左チャンネルのみ)ですし、短時間の試聴のため参考程度にご覧ください。


金属系振動板にありがちなメタリックな音はうまく抑えられていると思います。しかし、素材がそもそも違うから当然なのでしょうが、パルプコーンとはやはり異質な音ですね。パルプコーン中毒(笑)の私の耳には少々きらきらしたサウンドに聞こえてしまいました。

私が個人的に抱くフォステクスFEシリーズ等の音質は、繊細だけれどもどこか細身の音でミュージックソースの品質次第で高音質にも低音質にもなってしまう、ちょっと神経質なHiFiサウンドなのですが、この M800 は意外と太い音がでてきたのでびっくりしました。また、FEシリーズ等よりも味付けがしてある音作りになっているようです。その分、FEシリーズではがっかりしてしまうような悪い録音でも無難に聴けてしまうかもしれません。

振動板が100ミクロンと薄いため、エンクロージャーの空気バネには敏感かもしれません。センターキャップの形状が一般的なものになっている理由は、アルミニウム振動板のためメカニカル2wayにしなくても高域特性が良いということが主だと思いますが、それ以外にコーンを補強する目的もありそうです。



記事執筆現在、このユニット専用エンクロージャーの制作計画を練っているところです。毎度言っていますが、置き場所の問題(汗)があるので、今回は小型エンクロージャーにする予定です。小型でも何か特徴のあるものにしたいなと、考え中…。


エンクロージャーを製作しました。 -> Stereo2016年8月号付録 口径8cmメタル振動板フルレンジ FOSTEX M800 使用 タンデム方式バスレフ型スピーカー製作 ~構想・設計編~


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