スピーカーシステム改造[KENWOOD LS-SK3-L] ~構想編~

自宅にケンウッドLS-SK3-Lというスピーカーが長い間使用されずに放置されていたので、改造をしてみることにしました。素人が遊びで適当にやっているので、改悪という表現が正しいのかもしれないですが(笑)。

このスピーカーは、ケンウッドのミニコンポRXD-SK3MDという製品の付属品です。



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スピーカーシステム改造[KENWOOD LS-SK3-L]




製品写真

LS-SK3-L正面(サランネットあり)
LS-SK3-L正面(サランネットあり)

LS-SK3-L正面(サランネットなし)
LS-SK3-L正面(サランネットなし)




試聴・所感

改造前の状態の音を聴いてみました。ONKYO RDC-7(AVプリアンプ)+BEHRINGER A500(パワーアンプ)に接続して試聴しました。音楽ソースはパソコン(iTunes)で再生しました。AAC(256kbps)なので音質うんぬんはあると思いますが、これになれちゃうと便利でやめられません(汗)。

ミニコンポに接続されていたときより、明らかに良く鳴っています。ミニコンポのアンプでは実力が発揮できていなかったようです。ツィーターが支配的な音になっており、高域がきれいです。

低域はサイズの関係であまり出ていません。超低音はもとより、重低音も無理です。中低域にピークを作り、それなりの低音感を持たせる音作りです。低域に対して高域のクオリティが高いため、視聴上ではハイ上がりに聴こえます。しかし、刺激的な音は出さないのできつい音にはならず、BGM用途に向いています。



測定(スピーカーシステム)

周波数特性を測定してみました。

使用ソフトウェア・測定条件

多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene V1.40 efu氏
高速リアルタイム スペクトラムアナライザー WaveSpectra V1.40 efu氏
入力信号:サインスイープ20Hz~20kHz
マイク位置:ツィータとウーハー中間点軸上1m

周波数特性(システムサランネットあり)
周波数特性(システムサランネットあり)

周波数特性(システムサランネットなし)
周波数特性(システムサランネットなし)


サランネットあり、なしにかかわらず、ほとんど違いがありません。8.5kHz付近にディップがありその上の帯域がほぼフラットですが、中域に対して一段レベルが低くなっています。

また、100Hz付近に大きなピークがあり、これがバスレフ共振効果ようです。再生周波数は80Hz~20kHzといったところ。高域にかけてなだらかにレベルダウンしていますが、意外とフラットです。



分解

分解してユニットやエンクロージャー内部の様子を観察してみました。

エンクロージャー寸法(mm)

  • サイズ:H255×W150×D195 実効容積5リットル
  • 板厚:バッフル12、上下左右9、リア9
  • ツィーター取付け穴:φ57
  • ウーハー取付け穴:φ105
  • バスレフポート:φ50×139 共振周波数 約80Hz
  • ウーハー実効面積とポート断面積の比率:約30%

バスレフポートの共振周波数が計算と一致していません。これはポートがエンクロージャー背面の上部から約1/3の位置(ツィーター裏辺り)に付いている関係で、バスレフ共振に関与しているエンクロージャー内の空気体積が、エンクロージャー容積全体の6割~7割程度に留まっていることが原因と思われます。



ユニットを取り外してみました。

ツィーターユニット(ソフトドーム型)

ツィーターユニット(前面)
ツィーターユニット(前面)

ツィーターユニット(背面)
ツィーターユニット(背面)


  • 型番:T03-0850-05
  • ダイアフラム径:φ15
  • マグネット径:φ45×8(メイン)、φ32×6(キャンセル)

ダイアフラムは合成樹脂(ポリプロピレン?)製のようです。フレームも合成樹脂製です。キャンセルマグネット付き(防磁型)。



ウーハーユニット(コーン型)

ウーハーユニット(前面)
ウーハーユニット(前面)

ウーハーユニット(背面)
ウーハーユニット(背面)

ウーハーユニット(側面)
ウーハーユニット(側面)


  • 型番:T10-1180-05
  • コーン径:φ120
  • マグネット径:φ70×15

コーンはパルプ製のようです。センターキャップ、エッジは繊維製です。ツィーターにはキャンセルマグネットが付いていますが、ウーハーには付いていません。驚いた事に防磁型ではないようです。



エンクロージャー内部


LS-SK3-L内部(吸音材)
LS-SK3-L内部(吸音材)

吸音材はウーハー裏側に入っていました。バスレフ型なので少し減らしてもよさそうです。



LS-SK3-L内部(吸音材取り除き)
LS-SK3-L内部(吸音材取り除き)

吸音材を取り除いた様子。バスレフポートはツィーターの裏側辺りにあります。ポートの位置はこの写真がわかりやすいですね。

紙パイプを固定している接着剤がたれてる・・・。板の接合面には補強材が数箇所入っていました。



LS-SK3-L(ネットワーク)
LS-SK3-L(ネットワーク)

ネットワークはバイポーラコンデンサー(0.82μF)1つのシンプルなもの。

ウーハーにはローパスフィルタが入っていません(アンプ直結)。ユニット自体はウーハーとして設計がされているのかもしれませんが、全周波数が入力されておりフルレンジ的な使われ方がされています。

構成としてはフルレンジ+スーパーツィーターです。ツィーターにバックキャビティーがありませんでした。まあ、ミニコンのスピーカーに要求するのは酷かも知れないですが。

ツィーター用ハイパスフィルターは0.82μFのバイポーラコンデンサーが使われています。ツィーターのインピーダンスを8Ωと仮定するとカットオフ周波数が24kHzになってしまいます。かなり高いです。

通常、能率が高いツィーターと能率の低いウーハーやフルレンジと接続する場合、アッテネーターでツィーターのレベルを落とします。

それ以外の方法として、クロスオーバー周波数を10kHz以上にする必要がありますが、ハイパスフィルタのカットオフ周波数を非常に高く取り、ツィーターのレベルを早めに減衰させて、クロスオーバー周波数付近でウーハーとのレベルを合わせる方法があります。

この場合、周波数特性ではハイ上がりとなる(10kHz以上の聴覚が鈍感な周波数帯でのレベルが高くなるだけなので、視聴上ではハイ上がりにはならない)はずです。しかし、このスピーカーの場合、周波数特性上でもハイ上がりになっているわけではないので、このケースには当てはまらないようです。



測定(スピーカーユニット)

次にウーハーユニット、ツィーターユニットを個別に単体で鳴らして周波数特性を測定してみました。使用ソフトウェア・測定条件は、上で掲載しているスピーカーシステムでの測定の場合と同じです。

ウーハーユニット


周波数特性(ウーハー)
周波数特性(ウーハー)

単体で鳴らしているので中低域からレベルダウンしています。9kHzより上で急降下しています。高域にピークがなくウーハーとしてはなかなか良い特性です。このユニットは2kHz~9kHz付近の暴れが少なくフラットですね。これも高域がきれいに聴こえる要因のひとつになっているのかもしれない。



ツィーターユニット(0.82μF)


周波数特性(ツィーター0.82μF)
周波数特性(ツィーター0.82μF)

先ずは、付属の0.82μFのコンデンサーを接続した状態で測定。

スピーカーシステムの測定であった8.5kHzと、17kHzのディップがなく、なかなか良い特性です。ディップはウーハーとの相互干渉が原因でしょうか?。ツィーターはウーハーに対して正相接続されていましたが、逆相接続の方が良いのかもしれない。9kHzより上のレベルが一段低いところがツィーターの領域だったようです。

ツィーターのインピーダンスを調べたいので、コンデンサーを容量を変えて測定してみました。使った容量は2.5μF、1.0μFです。本当はもっとバリエーションが欲しかったのですが、手持ちのコンデンサーがこれしかありませんでした。特に1.0μFは0.82μFと値が近いので差がでないかもしれない。



ツィーターユニット(2.5μF)


周波数特性(ツィーター2.5μF)
周波数特性(ツィーター2.5μF)

4kHz付近でレベルダウンが始まっています。フラットで良い特性です。



ツィーターユニット(1.0μF)


周波数特性(ツィーター1.0μF)
周波数特性(ツィーター1.0μF)

やはり容量が近い値なので、0.82μFの場合と周波数特性もあまり違いがありません。2段階(12kHz、4kHz)でレベルダウンしていると見れば、2.5μFは4kHz付近だったので、12kHz付近のレベルダウンがカットオフ周波数?。

これらの測定結果からすると、カットオフ周波数が2.5μFで4kHz、1.0μFで10kHz、0.82μFで12kHzとなる16Ωがツィーターのインピーダンスとなりそうです。自作向け製品のツィーターで16Ωはあまり見かけませんが、部品として生産している製品では一般市場に出回らないだけで普通にあるのかもしれない。

一般的にコンデンサーは容量が大きくなると値段が高くなるので、ツィーター側のインピーダンスが大きくしてフィルタコンデンサーの容量を小さくすることによりコストダウンしているのかもしれません。

ツィーターのレベルが低いのはインピーダンスがウーハーよりも高いのが原因?。ウーハーのインピーダンスも調査したいのですが、私のスキルでは無理そうなのであきらめました。おそらく6Ωか8Ωだと思うのですが。



まとめ

以上の結果を踏まえて、改造方針を考えてみました。

  • ツィーターの周波数特性が良いので、クロスオーバー周波数をもっと下げて受け持つ帯域を広げたい。
  • ネットワークにフィルムコンデンサーを使いたい。
  • ツィーターにバックキャビティーを持たせたい。
  • ウーハーの駆動力を上げて共振周波数を少し高めにとった面積の広いバスレフポートを駆動することにより低音を豊かに再生したい。
  • スピーカーターミナルを付けたい。
  • ユニットを鬼目ナットでしっかり固定したい。
  • ウーハーとツィーターのレベルあわせをしたい。


次回はこの改造方針を元にして、実際に改造を行います。
改造編に続く...


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