バスレフ型スピーカー作成(ダイトーボイスDS-16DF使用)

この記事では、以前作成しましたスピーカーシステムを紹介します。


コストパフォーマンスが良いとうわさのダイトーボイスDS-16F(通称:無印良品)という16cmフルレンジユニットがあります。以前より、このユニットの音を聴いてみたいなと漠然と思っていました。

あるとき、秋葉原コイズミ無線のオンラインストアをながめていると、DS-16DFという製品もあることに気づきました。値段からするとDS-16Fの兄貴分的な製品のようです。

そのことに気づいてしまったら、以前から音を聴いてみたかったということもあり、自作の虫が騒ぎ出してしまいました(汗)。

聴き比べをしてみたいところですが、予算の関係もありDS-16FとDS-16DFのどちらかに絞ることにして、散々迷った挙句、あまり話題に上らないDS-16DFの方を1ペア購入してみました。


ダイトーボイスDS-16DF


仕様

  • インピーダンス:8Ω
  • 最低共振周波数f0:79Hz
  • 再生周波数帯域:f0~15kHz
  • 出力音圧レベル:90dB
  • 入力:10/20W
  • バッフル開口径:145mmφ
  • 重量:740g
※詳しいスペックが不明なため、コイズミ無線 商品ページより引用させて頂きました。


所感

  • コーン紙、エッジ素材は見たところDS-100Fと同じようです。
  • DS-100Fの口径16cm版という感じです。他にDS-200Fという製品がありますが、これが口径20cm版なのかもしれない。
  • 小さめの磁気回路に布製エッジ、コルゲーション入りの軽いパルプ製コーン、ボイスコイルボビン直結のパルプ製サブコーンという古典的な設計。
  • 奥行きが短い。シーリングスピーカー、ウォールスピーカー向け製品?。


エンクロージャー設計

所感でも書きましたが、古典的な設計のユニットのようです。

最近主流の重くて強靭なコーンを持つ低能率ユニットでは、コーン強度が高いため、エンクロージャー内圧力に強いので小容量エンクロージャーで使えるのですが、その代わり能率が低くアンプ側の出力が必要です。

しかしこのユニットの場合、コーンが薄く軽いため能率は比較的高いのですが、強度が低いためエンクロージャー内圧力に影響されやすく、エンクロージャーの容量が小さいと圧力が高くなり、その影響でコーンが変形して中高域が歪む恐れがあります。

そのためエンクロージャーの小型化が難しく、今回は18mm厚の3尺×6尺ラワン合板1.5枚を限界まで使って、出来る限り容量の大きいバスレフ型エンクロージャーを2本作ることにしました。

最終的にエンクロージャーは以下のとおりになりました。
  • 実効容量:約57リットル
  • バスレフポート共振周波数:約60Hz



板取り図

板取り図



組立て図

組立て図



補足

  • 板材はお好みで選んでかまいません。今回はコスト優先で安価なラワン合板を使いましたが、硬い板の方が余計な音は出なくなります。逆に響きの良い板材を使って、箱鳴りをさせるのも面白いかもしれません。
  • 吸音材はフェルトかポリエステルウールを使用。グラスウールはバスレフポートから繊維が飛び出してくる恐れがあり、吸い込むと体に悪影響があるためお勧できません。
  • 吸音材の使用量はお好みで増減可能です。今回はエンクロージャー内側6面(前・後・上・下・左・右)のうち、3面(後・上・左)に貼りました。
  • スピーカーターミナルは、エンクロージャー後面板ユニット真後ろの位置に取り付けます。
  • エンクロージャー内側の上面、後面に付いている補強材の取り付け位置は組立て図では寸法を入れていますが、厳密ではなく大体中央で問題ありません。
  • エンクロージャー内側の前面板(バッフル板)の一番下についている補強板は、バスレフポートも兼ねているので前面板の下端にあわせる必要があります。


完成写真

完成写真を掲載します。

全景


DS16DFスピーカー(全景)

上に乗っているのは、ONKYOの TW-719BU TW747Aというコーン型ツィーター。1.5μFのコンデンサーで並列に接続して高域を補っています。


ダイトーボイスDS-16DFアップ(正面)


DS16DFスピーカー(ユニット正面)



ダイトーボイスDS-16DFアップ(斜め)


DS16DFスピーカー(ユニット右側)

ボイスコイルボビンにサブコーンが直接接着されていることがわかります。


DS16DFスピーカー(サブコーンつぶれ)

ステレオペアの片方は、3/11の震災で転倒してサブコーンがつぶれてしまいました・・・。


バスレフポートアップ


DS16DFスピーカー(ポート部)

H30×W220×D36(mm)の横長ポートです。DS-16DF振動板実効面積の50%にもなる大きなポートで、大き過ぎてドライブしきれるか疑問でした。無理は承知で実験的に設計してみましたが、特に問題はないようです。


ツィーター(ONKYO TW-719BU)(ONKYO TW747A)

[2013/10/16 訂正] ONKYO TW747Aという型番のツィーターでした。詳細記事はこちら

ツィーターアップ

繊維製コーン、合成樹脂(ポリプロピレン?)製センターキャップ、フィクスドエッジのコーン型ツィーター。

以前はコイズミ無線で安価で売られていて、高域不足を補うのにお手軽で使えて良かったのですが、残念ながら現在では取り扱い終了のようです。

ダイトーボイスの完成済み小型エンクロージャーに取り付けて使っています。合成樹脂のセンターキャップのおかげなのか、ソフトドームツィーターのようなとげとげしさのないやさしい音質です。


測定

周波数特性を測定してみました。以下に掲載します。
使用ソフトウェア:
多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene V1.40 efu氏
高速リアルタイム スペクトラムアナライザー WaveSpectra V1.40 efu氏
入力信号:サインスイープ20Hz~20kHz
マイク:ユニット軸上1m


周波数特性(ツィーターなし)


周波数特性(ツィーターなし)

ポート共振周波数の設定を誤ったような周波数特性です(汗)。測定結果を見た限り、共振周波数が40Hz付近になってしまっています。

共振周波数が低すぎるため、DS-16DFの再生している帯域とうまくつながらず50~60Hz付近が落ち込んでしまっています。共振周波数を60Hz付近に設定したはずなのですが・・・。

ポートが床すれすれの位置なので、床の影響を受けているのが原因かもしれません。実際の試聴では落ち込みがあるようには聴こえません。というか私には分かりません(汗)。

15~17kHz付近にピークがありますが、サブコーンが再生している領域だと思います。これがあるおかげでツィーターが無くてもそこそこ実用になります。


周波数特性(ツィーター追加正相 コンデンサー容量1.5μF)


周波数特性(ツィーター追加正相)

ONKYOのツィーターをコンデンサー容量1.5μFで正相接続しました。10kHz以上が上昇しています。16kHz付近のピークはこのツィーターの癖のようです。6~9KHz付近はツィーターとの干渉で落ち込んでしまっているようです。


周波数特性(ツィーター追加逆相 コンデンサー容量1.5μF)


周波数特性(ツィーター追加逆相)

6~9KHz付近の干渉を避けるために逆相接続を試してみました。こちらの方が良いですね。

16kHz付近のピークはありますが全体的にフラットになっています。17kHz以上ではレベルダウンしていますが、やはりコーン型のツィーターなので、ドーム型のように20kHzまで伸びきっていません。指向性が悪い影響もありそうです。


周波数特性(ポート部)


周波数特性(ポート部)

バスレフポートが本当に40Hzで共振しているか確認するために、ポートにマイクを接近させて測定してみました。この測定のみホワイトノイズを入力して行っています。

やはり共振周波数が40Hzになってしまっています。計算上では60Hzくらいになるはずですが・・・。後日、床から浮かすなどセッティングを変えて測定を行い、原因を調べてみようと思います。


試聴

とげとげしさのない、やさしいキャラクターの音です。ゆったりとした音調なのでBGM的な用途に向いています。フォステクスのFEシリーズではダメ出しをされるような悪い録音でも、そつなく再生してくれます。

振動板が軽いためかアコースティクギター、スネアドラム、サックスなど生楽器は軽く飛び出してきます。ゆったりした低音なので、どちらかと言えばクラシック向き。パイプオルガンなどは結構いけますが、和太鼓などは迫力不足です。ポップス、ロックを聴くにはやさしい過ぎる音かもしれません。


まとめ

現在、自宅のパソコンスピーカーとして活躍中です。こんなデカいスピーカーをパソコンに接続する人はあまりいないと思いますが(笑)。

自宅にいるときは、このスピーカーでBGMを垂れ流しの状態にしています。能率も90dBと最近のメーカー製スピーカーと比較して高いため、1W+1Wのデジタルアンプで十分な音量で鳴らすことができ重宝しています。

DS-16DFというユニットが古い設計であり、どうしてもエンクロージャーが大きくなってしまうという問題はあるのですが、メーカー製のスピーカーに見られる小型エンクロージャーに低能率のウーハーを収めて、強引に低音を引っ張り出す音作りとは一味違った音作りであり、ビンテージユニットではないので普通に入手することもでき、かつ値段も安価なため貴重な存在と言えると思います。
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Re: はじめまして

きれぼしさん
はじめまして、コメントありがとうございます。

元々このブログは文章を書く練習として始めたものですが、趣味のスピーカークラフトの楽しさを広める意味もありますので、お役に立てたのであれば幸いです。

DS-16DFは古い設計のユニットですが、最近のメーカー製スピーカーにはない良さがあるので私も大変気に入っております。

はじめまして

はじめまして、こちらのページを拝見し、自作スピーカーに興味が出て知識はほぼないのですが後継機のDS-16DFⅡの方で自作してみました。容量は23リットルダクトの共振周波数はfsが88Hzに変わっていたので高めの67Hzにしました、こちらのブログのとおりまったりとした音で大変満足しております、なかなかこのスピーカーの情報は見つからなかったので助かりました、ありがとうございました

Re: はじめまして

みつおさん
はじめまして、コメントありがとうございます。

私のブログはスペアナのグラフが大量に並んでいるので、一見大層なことをやっているように見えるかもしれませんが、実際は大したことはなく、私自身も素人なので間違ったことを書いて突っ込まれたりしないか、何時もビクビクしています。今後もご期待に応えられる記事が書けるといいのですが(笑)。

F100A103-10は残念ながら使ったことがないですが、スペックをみたところ能率が低く、f0も低いのでDS-100Fよりも使いやすそうなユニットですね。在庫限りで終了なのは残念です。私も使ってみたいのですが、もう自室がスピーカーだらけで置く場所がありません(汗)。

DS-16DFは設計が古いユニットようなので、ある程度の低域を確保しようとすると最低でも20リットルくらいの容量のエンクロージャー必要そうです。箱が大きくなるという意味では使いにくいユニットかもしれません。

はじめまして

50代男性です。
 10代に、長岡氏に影響受け、少し自作をして、中断、40代で少しずつ再開。
 素人ですし測定器なしの耳だけ派(?)ですが、ダイトー大好きなので、投稿いたします。
 ロックなどをFMで、しかもカーステレオのチュナーデッキを据え置きにして、聴き流す程度ですが、今は、F100A103-10を使っています。残り僅かと聞いて8セットも買いました。
 DS-16DFも良いと聞いて使ってみましたが、やはり私には、F100A103-10が好みでした。
 また、投稿いたします。

 次回記事、楽しみにしております。
 

Re:

Korvaさん
コメントありがとうございます。
DS-16DFはコイズミ無線で安価で売られていますが、侮りがたい実力の持ち主で私も大変気に入っています。私も安い中国製の真空管アンプで聴いています。音楽ソースはパソコンですが(笑)。でも、なかなかの音質で鳴ってしまうので、もうこれでいいじゃない?って思ってしまいました。
大型バスレフ箱はオススメですよ。

はじめまして。
大変面白く勉強になる記事でした。
私もDS-16DFは、大のお気に入りです。
見た目からは想像できない滑らかな音色が気に入っています。
大きな段ボール箱に取り付けて、真空管アンプで鳴らしていたのですが、
大型バスレフ箱を作りたくなりました^^
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