スピーカーシステムの製作[エレクトロボイス 209-8A使用] ~構想・設計編~

こちらの記事で紹介したエレクトロボイス 209-8Aを使ったスピーカーシステムを製作して行きます。今回は209-8Aの特徴や予算などを考慮しながら、どのようなエンクロージャーを作るかを決めたいと思います。


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構想

エレクトロボイス 209-8Aの所感を列挙すると・・・、
  • 軽いコーン
  • コーンの強度は低い
  • 能率(特に中高域)が高い
  • 磁気回路はほどほどの強さ
  • スピーチ用の放送機材なので、中域重視の設計
  • 振幅の取れないフィクスドエッジで、低域は再生しない設計
  • サブコーンで高域を再生しているが、実用は10kHz程度

といったところ。軽量コーンによる軽々と飛び出してくる音が期待できそうですが、コーンの強度が低いためエンクロージャー内の空気スチフネス(空気バネの力)に影響されやすいユニットのようです。

密閉箱方式、バスレフ方式で使用する場合でもエンクロージャーの容量を大きく取って空気スチフネスが小さくなるように配慮してあげないと、中高域が歪んでしまいそうです。

209-8Aを使ったスピーカーシステムのエンクロージャーはどのような作例があるのかネットで調べてみたところ、大きめの密閉箱方式、またはバスレフ方式で、板材は米松合板を使用、板厚を薄めにして箱鳴りも一緒に楽しむというのが定番のようでした。

他の方式の採用例として、バックロードホーン方式、フロントロードホーン方式、平面バッフル方式、後面開放方式も見られました。

私はへそ曲がりのため他の方と同じことやるのがイヤなので(笑)、ここは上記以外の方式を採用したいところ。

逆もまた真なりと言うことで、大失敗を覚悟で板の強度も高くして箱鳴りを出来る限り排除してみることにします。ただし、エンクロージャー内の空気スチフネスが高くなる構造にすることだけは避けます。これを避けないと本当に大失敗してしまいます。


以下、構想を列挙すると・・・
  • 密閉箱、バスレフ、バックロードホーン、フロントロードホーン、平面バッフル、後面開放箱以外の方式の採用
  • 空気スチフネスが高くならない構造
  • 強度を高くして、箱鳴りを排除
  • 209-8Aが1本3000円のユニットなので、エンクロージャーもコストを低く
  • 低音も出来る範囲で確保

方向性としてはこんな感じになりました。

密閉箱、バスレフ、バックロードホーン、フロントロードホーン、平面バッフル、後面開放箱以外で思いつく方式というと、ダブルバスレフ、音響迷路、共鳴管くらいでしょうか?。ダブルバスレフはメーカー製品でも見かけない方式なので面白そうですが、空気スチフネスがかからない方式というと共鳴管です。

共鳴管方式は超低域まで再生しようとすると長いパイプが必要で、当然エンクロージャーも大型になります。しかし、209-8Aというユニットは51リットル密閉箱での周波数特性が100Hz以下で急降下しているので、無理をして超低域を再生しようとしても中低域に落ち込みができてしまいそうです。60Hzくらいまでを再生するのであれば、パイプはそれほど長くする必要はなく1.4m程度となります。

そこで思い出したのが、オーディオ評論家 長岡鉄男氏作のブルースカイという共鳴管と音響迷路のハイブリットのようなスピーカーです。

これは長いパイプを折りたたんで箱に収めたような構造になっています。これを参考にして、209-8Aに合うようにパイプ断面積の拡張、パイプの共振周波数を60Hz程度にしたエンクロージャーを製作してみたいと思います。


設計

基本構造はブルースカイと同じですが、使っているユニットが異なるため209-8Aに合った構造に変更して行きます。

エンクロージャー内の空気スチフネスを高めないようにするため、ユニットの実効面積より広い断面積のパイプにする必要があります。209-8Aは口径20cmのユニットなので、同じく口径20cmのユニット、フォステクスFE206Enの実効振動半径を参考にしました。

FE206Enの実効振動半径は8.1cmなので実効面積は約206cm^2となり、これよりも広い断面積のパイプになるように設計します。また、共振周波数が60Hz付近となるパイプの長さにします。パイプの長さは約1.4m前後となり、エンクロージャーの高さをブルースカイ(90cm)より低く(50cmくらい)します。


以下、組立て図を掲載します。

エレクトロボイス 209-8A使用 共鳴管方式エンクロージャー組立て図
エレクトロボイス 209-8A使用 共鳴管方式エンクロージャー組立て図

補足

  • 板材は強度&コストパフォーマンス重視なのでMDFを使用します。
  • 板厚:2、3は15mm厚、14、15、18、19は6mm厚、13、16、17は24x24長さ300mmの角材です。他の板は18mm厚です。
  • 8(切り抜き板)は、1(バッフル板)のユニット取付け穴の切り抜き板を7(底板)に貼り付けます。
  • ゴム足は8が床に接触しないようにするために、18mm以上の高さが必要です。
  • 吸音材を使う場合は、パイプ開口部の7(底板)の上面に貼り付けます。


組立て図をご覧になれば分かると思いますが、高さが60cm以上になってしまいました。

なぜかと言うと低コストで作るために、ジョイフル本田と100円ショップダイソーのカット済みで売られているMDFを購入して、それらを組み合わせて作成しました。しかし、50cmの長さの板を買ったつもりが60cmの板を買ってしまいました・・・(背面板11)。

そのため、パイプが予定より長く、1.4m -> 約1.8m となっています。これでは、共振周波数が約47Hzとなり、60Hzよりもだいぶ低くなってしまうため、中低域に落ち込みが出来てしまいそうです。どうなることやら・・・(汗)。

パイプの断面積は 228cm^2 -> 216cm^2 -> 228cm^2 -> 288cm^2 となっており、開口部では広がっていますが、その他はユニット実効面積より少々大きい程度になっています。

1番目 -> 2番目 のパイプが 228cm^2 -> 216cm^2 と少し細くなっています。これは、当初1(バッフル板)を補強して30mm厚にする予定だったので、1番パイプの断面積も210cm^2となるはずでした。

しかし、ユニット取付け穴を自力(ドリル&彫刻刀(笑))で開けた関係で30mm板厚では穴あけは無理と判断したため、補強無しの18mm厚のままとなり、本来より12mm太い、断面積228cm^2のパイプとなってしまいました(汗)。

ただし、パイプのすべての位置でユニットの実効面積206cm^2よりもパイプの断面積が広くなっているので、共鳴管の動作には影響ないと思います。

今のところ吸音材は使わない予定です。しかし、完成後に試聴を行ってみてパイプ開口部からの中高域漏れが気になる場合や、共鳴管の癖が強く出た場合には開口部分に吸音材を貼り付けるかもしれません。

製作編に続く...

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