スピーカーユニットメモ ~FOSTEX(フォステクス) FE127~

FOSTEX(フォステクス) FE127 標準価格:3,800円(生産終了品)

[仕様]
形式:コーン型フルレンジ
口径:12cm
インピーダンス:8Ω
最低共振周波数(f0):70Hz
再生周波数帯域:f0~20kHz
出力音圧レベル:91dB/W(1m)
入力:45W(Mus.)
m0:2.9g
Q0:0.52
実行振動半径(a):4.6cm
バッフル開口径:104mmφ
マグネットサイズ:160g(101.2g+59g)
重量:0.57kg
標準エンクロージャー内容積:6L
標準エンクロージャー方式:バスレフ
漏洩磁束:0.15ガウス/10cm
※仕様については付属している仕様書より引用させていただきました。
こちらで製品仕様書(pdf)が公開されています。

[所感]
FOSTEXより以前販売されていた、防磁型フルレンジユニットFExx7シリーズの口径12cmモデルです。

当時はテレビといえばブラウン管方式だったので、メーカーから発売されていたスピーカーシステムのほとんどのモデルが防磁型でした。このシリーズもそういったニーズから生まれてきたものだと思います。

FExx7シリーズは口径が8cm、10cm、12cm、16cm、20cmと5種類がラインナップされています。当時、同社から販売されていた防磁型ではないFEシリーズでは、12cmモデルはなく4種類だったのですが、防磁型モデルではなぜか12cmモデルがありました。(現在のレギュラー商品であるFExxxEnシリーズには12cmモデルがあります。)

私が所有しているものは10年以上前に購入したものです。当時、オーディオ評論家の長岡鉄男氏設計のテレビ台兼スピーカーであるMX-127AV 凱旋門を製作するために手に入れました。現在はFE127が傷んできたため、かわりに取付け穴がほとんど同じサイズだった、エレクトロボイスの205-8Aが付けられており、FE127はお休みしています。

以下、製品写真

全面
FF127(正面)
FOSTEXフルレンジの特徴であるホワイトコーンを踏襲していますが、センタキャップ中央に圧力抜き用なのでしょうか?丸い穴が開いており、これがこのユニットの特徴となっています。この穴には、ほこりが入らないように目の細かい網が貼ってあります。写真では、長年の使用でコーンの色が赤茶けています。


背面
FF127(背面)
キャンセルマグネット+金属ケースの2重構造の防磁型になっており、磁束漏れはキャンセルマグネットのみの製品よりも少なくなっています。


側面
FF127(側面)
ブラックのプレスフレームは、防磁型ではないFEシリーズと共通です。端子は赤いラインがついている方が+側です。


周波数特性(実測)
使用ソフトウェア:
多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene V1.40 efu氏
高速リアルタイム スペクトラムアナライザー WaveSpectra V1.40 efu氏
入力信号:サインスイープ20Hz~20kHz
ユニットは裸の状態で、クランプを使用して固定しています。
マイクの位置はユニット軸上1mです。

FF127(周波数特性 実測)
なにぶん古いものであり、使いすぎで劣化しておりエージング過剰なので、周波数特性は参考程度にご覧ください。
50Hz、100Hzにあるスパイクは、どうやらパソコンのサウンドカードの問題のようなので、無視してください。また、60Hz付近のピークもノイズなので無視してください。

2kHzにピークがあります。また、全体的に見るとハイ上がりです。実際、音もこんな感じで、ハイ上がりで細身のサウンドです。16kHz以上で急降下していますが、高域不足は感じません。どちらかというと、高域が出過ぎて低音を出すのが難しい印象のユニットです。


周波数特性(FOSTEX公式)
FF127(周波数特性 FOSTEX公式)
こちらで公開されているFOSTEXの製品仕様書(pdf)より引用させていただきました。

公式の周波数特性では、2kHzのピークは見られません。(実測での2kHzのピークの原因は不明) 高域のグラフの形は実測に近いです。ピークの位置が微妙にずれていますが、これは製品毎のばらつきだと思います。中低域は実測よりレベルが高いです。これはメーカーが測定する場合、無響室で平面バッフルや、大型密閉箱にユニットを取り付けた状態で測定するので、私の測定のように、エンクロージャーの全くない裸の状態で測定している場合よりも中低域が高く出ます。

全体的にハイ上がりで高域にピークがあり、これがこのユニットの特徴を良くも悪くも決定しています。中高域が主体で低音の弱い細身のサウンドで、正直なところAV向きならもっとアクが強くパワフルで荒々しい音の方が迫力が出て良かったのでは?と思いました。

このユニットをFExx7シリーズの10cmモデルであるFE107の仕様と比較してみるとわかるのですが、
FE107FE127
m02.7g2.9g
実効振動半径4.0cm4.6cm
実効振動面積50cm^266.5cm^2
マグネット重量160g160.2g

上の表を見て行くと、マグネット重量はほとんど同じなので、磁気回路の強さは同等です。m0は2.7g→2.9gと0.2g(7%)増加していますが、0.2g程度の増加なので磁気回路と総合してみると駆動力は同等と思われます。

実行振動面積は50cm^2→66.5cm^2で16.5cm^2増加しており、これは32%の増加です。m0が7%増加に対して、面積が32%増加しているということは、振動板の厚さが薄くなっているということですから、FE107に比べFE127は振動板の強度が下がっているようです。振動板の強度はエンクロージャー内のスチフネスに影響し、弱いほど影響を受けやすくなので、この影響は中高域の歪の量に関係します。(影響が強いと歪が増える)

FE127の標準エンクロージャーは6L(FE107も6L)ということになっていますが、スチフネスの影響を抑えて中高域が歪むのを防ぐためと、低域の強化のためにも、もう少し大きいエンクロージャーの方がよさそうな気がします。


このFE127は、この後にFE127Eという製品に置き換わり、現在はそれも生産終了していて、FOSTEXのFEシリーズには防磁型の製品は無いようです。液晶ディスプレーや、プラズマディスプレー方式のテレビが一般的となり、防磁型のスピーカーは役割を終えたと判断したのでしょう。ただ、FE127Eは人気があったようで、おそらくレプリカ(?)と思われるものが、コイズミ無線よりオリジナルブランドとしてFE127KOという製品で復刻されて、現在も販売されており入手可能です。

FE127Eは知人宅で聞いたことがあるのですが、センターキャップがボイスコイルボビン直結のメカニカル2ウェイとなっていて、FE127よりも高域が伸びており、歪感が少なく繊細な音でした。あくまで所感ですが、FE127Eのレプリカ(?)が新品で手に入る以上、FE127を中古で探して手に入れる意味はないと思います。



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