スーパーウーハーを作りたい... ~その6~

設計方針


その2(エンクロージャー方式の考察と決定)でエンクロージャー方式として共鳴管型を採用することに決定しました。

今回の記事では、単純なストレートパイプで超低域まで再生しようとすると長大になってしまう共鳴管を、スピーカーシステムとして現実的なサイズで部屋に置ける状態にするために、できる限りコンパクトにエンクロージャーの中に収める方法を考えます。


  • 使用ユニット CLASSIC PRO( クラシックプロ ) 06LB050U




関連記事リンク

「スーパーウーハーを作りたい...」




考察

共鳴管型エンクロージャーはパイプにスピーカーユニットを取り付けるだけなので、構造は非常に単純です。低域の再生限界はパイプの長さによって決まり、超低域まで再生しようとすると非常に長いパイプが必要になります。



気柱の共振(片開管の場合)
気柱の共振(片開管の場合)
外界からの音(共鳴管型スピーカーの場合はユニット放射音)により、パイプ内に定常波(定在波)が発生する。

パイプ長をL、波長をλとすると、L=1/4λ(λ=4L)となる周波数を基本振動として、L=3/4λ(λ=4/3L), L=5/4λ(λ=4/5L)・・・となる、基本振動とその奇数倍の周波数で定常波が発生する。

パイプの奥の部分は空気が自由に振動できないので「固定端」、開口部は空気が自由に振動できるので「自由端」という。

定常波の振幅が最小(圧力が最大)の位置を「節」、振幅が最大(圧力が最小)の位置を「腹」といい、「固定端」は「節」に、「自由端」は「腹」になる。

パイプ開口部(自由端)は定常波の「腹」となるため振幅が最大になり、効率よく音を外界に放射する。開口部付近の空気が大振幅することにより、一種の振動板のような働きをする。



上図のような片方が開いているパイプ(片開管)を利用して、可聴周波数の下限といわれている20Hzまで再生しようとする場合、約4mの長さが必要です。しかし、4mもの長さがあるパイプをそのままの状態で部屋に配置するのは不可能なので、できる限りコンパクトにする方法を考えます。

また、現在構想中のスーパーウーハーはDVD・BDに収録されている5.1ch信号の0.1ch(低域効果)を再生することを目的としています。一緒に使用する予定のフロントスピーカー/リアスピーカーにも十分な低域再生能力があるため、中途半端なものを作っても他のスピーカーの音に埋もれてしまい効果が期待できません。制約はありますが、できる限り20Hz再生を、それも高能率に再生したいと考えています。


パイプ断面積とユニットの実効振動面積には一定の関係があり、パイプ断面積が実効振動面積より小さい場合、ユニットに圧力がかかりパイプ共振が起きにくくなります。

逆に、パイプ断面積が実効振動面積より極端に広い場合、ユニットに圧力はかかりませんが、後面開放箱に近い動作になってしまいます。小音量では共振が起こりにくく、大音量では共振が盛大に発生してユニットが逆に共振に振り回されてしまい、しまりの悪い音になってしまいます(ボーボー鳴ってしまう)。


共鳴管型エンクロージャーはユニットの取り付け位置によって、何種類かのバリエーションが考えられます。
今回設計に当たり、考えた素案を掲載します。

共鳴管型エンクロージャー素案
共鳴管型エンクロージャー素案
  1. ユニット放射音と共鳴管共振の両方の音を利用する。長岡鉄男氏設計のカノン系、ネッシー系がこのタイプ。

  2. ユニット放射音は密閉型エンクロージャーに封じ込めて使用せず、共鳴管共振のみを利用する。

  3. ユニット前後に長さの違うパイプを取り付けて共振周波数をずらすことにより、両方の共鳴管から放射される共振音を利用する。BOSE社のキャノンウーハー(AWCS-Ⅱ)がこのタイプ。



今回はかねてから興味がありましたBOSE社のキャノンウーハー(AWCS-Ⅱ)の構造(図③)を参考にしてみることにしました。

BOSE社のキャノンウーハーは円断面のストレートパイプの途中に、パイプを分割するようにユニットが配置されており、ユニット前後にパイプがついている構造になっています。

ユニット前後にパイプが付いている構造のため、前パイプと後パイプがそれぞれ別の共鳴管として動作します。ただし、ユニット前後では発生する音波の位相が逆になるため、パイプ共振の位相も逆になります。そのため、パイプの共振周波数をある程度ずらさないと打ち消しあってしまい、低音がうまく再生できません。キャノンウーハーでは、共振周波数をずらすため前後のパイプ長が異なっています。


以上を踏まえて、設計方針を考えると・・・、

  1. スーパーウーハーをフロントスピーカー左ch、右chの間に置く予定なので、フロントスピーカー間隔(約2m)に収まる長さとする。

  2. パイプの断面積をユニット実効振動面積の1倍~2倍程度にする。

  3. ユニット前後のパイプ長比率を1:2とし、共振周波数を1オクターブずらす。(比率に根拠は特にありません。ほとんど設計のしやすさで決めました。キャノンウーハーは1:3になっているようなので、その方が良いのかもしれません。)

  4. キャノンウーハーは円断面のストレートパイプの途中にユニットが配置されている構造となっており、この構造が共鳴管として最も共振しやすく理想的です。しかし、この構造のままで部屋に持ち込むことはサイズ的に不可能なので、長いほうのパイプを1回折り返した構造として、全体のサイズとしては190cm程度に抑える。

  5. キャノンウーハーは円断面パイプですが、素人が木工作でスピーカーを自作する場合、円断面パイプを作るのは困難なので、長方形断面パイプとする。



スーパーウーハー概要図
スーパーウーハー概要図

上記の設計方針を図で表すとこんな感じになります。上がキャノンウーハーの構造、下がそれ元にして、長い方のパイプを1回折り返したものです。


#7(設計1・短パイプ製作)に続く・・・


関連記事


にほんブログ村 PC家電ブログ オーディオへ
にほんブログ村

にほんブログ村 PC家電ブログ ピュアオーディオへ
にほんブログ村

テーマ : オーディオ
ジャンル : 趣味・実用

tag : オーディオ スピーカー スピーカー工作 スーパーウーハー サブウーハー CLASSIC PRO クラシックプロ 06LB050U 共鳴管

コメントの投稿

非公開コメント

広告
Google検索
プロフィール

meridianstar

Author:meridianstar
元システムエンジニアの成れの果ての姿。
詳しいプロフィール:はじめに

contact
※ブログ内容にそぐわない質問の場合、お答えできないことがあります。ご了承ください。

Twitter:meridian15
ニコニコ動画:ヤサコ
pixiv:ヤサコ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

記事一覧
最新記事
広告
カウンター
注目しているもの
リンク(企業)
リンク(お友達)
  • Bond's Lab
    音楽とオーディオとDIYをこよなく愛する ボンド君 氏 の趣味サイト。

  • 試行錯誤
    試行錯誤 氏 のプログラミングお勉強ブログ。

このブログをリンクに追加する
RSSリンクの表示
参考書籍
にほんブログ村
QRコード
QR
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

にほんブログ村