Stereo2013年8月号付録 スキャンスピーク5cmフルレンジ使用 バックロードホーン製作 ~設計編~

Stereo誌2013年8月号付録のスキャンスピーク5cmフルレンジ(5F/8422T03)を使用した、バックロードホーン型エンクロージャーの設計ができましたので、図面を掲載。

早速作りたいところなのですが、個人的な都合で製作はちょっと先になってしまいそうです。


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Stereo誌2013年8月号付録 スキャンスピーク5cmフルレンジ使用 バックロードホーン製作
方針

設計するに当たって、おおよその方向性を事前に決めています。
  • (スピーカーの作り過ぎにより(汗))置き場所が限られているので、コンパクトサイズに作る。

  • 12mm厚 3尺×6尺板(910x1820mm)1枚でエンクロージャー2本(左ch+右ch)を作る。

  • ホーンを長大にすれば低い周波数まで再生することはできるが、エンクロージャーサイズも大型になるし、使用するユニットが小口径(5cm)ということであまり無理もできないので、低域は欲張らない。

  • せっかく買ったので(笑)、北日本音響(株) 5cmツィーター(F00805H0)をできる限り使う。


設計

上記方針を踏まえて設計した結果、最終的に以下のようになりました。

空気室サイズ6cm(高) × 7cm(幅) × 6.5cm(奥行) = 約0.27リットル
カットオフ周波数310Hz
スロート断面積8.4cm^2(ユニット有効面積15.2cm^2の56%)
ホーン開口部断面積123.9cm^2
ホーン長約3.2m
エンクロージャーサイズ45cm(高) × 17.6cm(幅) × 30cm(奥行)


補足

5F/8422T03はQtsが0.53のバスレフ向き(駆動力が標準的)のユニットです。そのため、スロート(ホーンの入り口)断面積を大きく取り過ぎると、駆動力不足でユニットがホーンに振り回されてしまい、低域のしまりがなくなる恐れがあります。

そのような理由からスロート断面積をユニット有効面積の56%としました。しかし、この値はあくまでスロートが真円の場合の話です。実際の設計では7cm × 1.2cmというかなりつぶれたスリット状のスロートになっており、気流抵抗が大きくなり、実際よりも小さい面積の真円スロートと等価の動作になると思うので、もう少し広く取ったほうが良いのかもしれません。

カットオフ周波数が高めですが、これも上で書きましたがスロート断面が真円だった場合の値です。つぶれたスリット状のスロートでは気流抵抗の関係でもう少し低い周波数になるのでは?と思います。

※カットオフ周波数:空気室の容量、スロート断面積で決まる値で、ホーンから放射される音の再生周波数上限を決定します。バックロードホーンはユニット前面から放射される音と、ホーンから放射される音が2Wayスピーカーのようにスムーズに接続されることが理想なので、ユニットの周波数特性を見てカットオフ周波数を決定します。

[2013/08/25]補足資料として、バックロードホーンエンクロージャーの構造図、カットオフ周波数の説明図を掲載しました。

バックロードホーンエンクロージャーの構造
バックロードホーンエンクロージャーの構造


カットオフ周波数の説明
カットオフ周波数の説明


以下に設計図を掲載します。

スキャンスピーク5cmフルレンジ使用 バックロードホーン(組立図)
スキャンスピーク5cmフルレンジ使用 バックロードホーン(組立図)

図中にも記載がありますが、左右対称に作ります。まあ、見た目の話なので左右対称でなくても音質、動作には影響がないです。

15番の板を外すことにより、空気室の容量を多少大きくできます。この場合、以下のようになります。この方が良いのかもしれません。

空気室サイズ6cm(高) × 7cm(幅) × 7.7cm(奥行) = 約0.32リットル
カットオフ周波数263Hz


19番の板はツィーターバックキャビティの仕切り板なので外せませんが、20~22番の板は音道の整形のためというよりは補強が目的なので、無くても問題ありません。

26番のツィーターバッフルは下の板取図には含まれていません。別途6mm厚の板で作成する予定です。F00805H0というツィーターが中付けタイプなのでこのようになってしまいました。

ターミナル取り付け位置は4番、または、25番の板でも良いです。

空気室の15番の板には吸音材を貼ります。吸音材の量は好みで増減可です。

開口部内側(8,14,22,3)にはフェルトを貼り付けて、ホーンからの中高域漏れを防ぎます。

ツィーターバックキャビティには吸音材を詰め込みます。20~22番の板でできるデッドスペースにも吸音材を詰め込みます。私はエアコンパテを詰め込んでみる予定です(笑)。


スキャンスピーク5cmフルレンジ使用 バックロードホーン(板取図)
スキャンスピーク5cmフルレンジ使用 バックロードホーン(板取図)

12mm厚の3尺×6尺板を1枚使用します。ホームセンターによってはカットサービスが直線カットのみで、円穴開けや、長方形穴の切り抜きを取り扱ってくれないところもあります。事前確認が必要です。

3尺×6尺板(通称サブロクバン)は、ホームセンターなどで販売されているサイズがまちまちで、900x1800,910x1820,915x1830など数パターンが存在します。今回の設計では910x1820以上のサイズである必要があります。サイズが小さいと板カット時の目減り分に余裕がないので、カットした板のサイズが寸法どおりになりません。

バックロードホーンはどうしても部品数が多くなってしまいます。そのため、3尺×6尺板1枚の値段よりも、カット代の方が高くなってしまうと思います。

見た目に少々問題がありますが、コンクリートを流し込む型を作成するのに利用されるコンパネといわれる板が安上がりです。ホームセンターで12mm厚の3尺×6尺板が1枚千円程度で売られています。



音道(ホーン)の断面積変化
音道(ホーン)の断面積変化

音道(ホーン)の断面積変化をグラフにプロットしてみました。直管の連結なので階段状ですが、おおむねホーンに近似できているのではないかと思います。

グラフの見方
縦軸:音道(ホーン)の断面積(cm^2)。横軸:スロートからの距離(cm)。
横軸が0cmの位置(グラフの一番左側)はスロートの断面積です。5cmはスロートから5cm進んだ位置のホーン断面積を表します。グラフの一番右側は開口部の断面積です。


まとめ

ユニット口径が5cmと小さい影響でスロート断面積も小さくなってしまうため、ホーン長が3m以上ある割には、開口部の面積があまり広がっていません。ホーンの効果がどの程度でるかは作ってみないことにはなんとも言えません。音響迷路に近い動作になってしまうかもしれません。

スリット状のスロートのため気流抵抗が大きいとか、カットオフ周波数が高めなど、ちょっと不確定要素がありますが、その方が完成したときの楽しみが大きい(リスクも大きいけど(笑))ので、このまま作成する予定です。

置き場に余裕があればホーン長5mくらいのスパイラルホーンを作って、5cmのユニットで雄大な低音を狙ってみたいんですけどねぇ(笑)。




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