Stereo2013年8月号付録 スキャンスピーク5cmフルレンジ使用 バックロードホーン製作 ~測定・試聴編2~

引き続きスキャンスピーク5F/8422T03を使用したバックロードホーンの測定・試聴を行います。

前回は5F/8422T03のみの状態で測定・試聴を行いましたが、今回はツィーターの接続も行い、その上で音の変化を確認して行きたいと思います。


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Stereo誌2013年8月号付録 スキャンスピーク5cmフルレンジ使用 バックロードホーン製作
接続するツィーターは北日本音響 F00805H0です。

北日本音響 F00805H0
北日本音響 F00805H0

[参考]北日本音響 F00805HO(周波数特性 公式)
[参考]北日本音響 F00805HO(周波数特性 公式)


実は、このツィーターを取り付けた状態のエンクロージャー全景写真を撮り忘れてしまいました(汗)。代わりに取り付ける前の写真を掲載します。


周波数特性

ツィーターとして北日本音響 F00805H0を接続した状態の周波数特性を掲載します。


[参考]周波数特性(5F/8422T03のみ)
[参考]周波数特性(5F/8422T03のみ)



周波数特性(5F/8422T03 + F00805H0) 正相, 2μF, カットオフ周波数 約10kHz
周波数特性(5F/8422T03 + F00805H0)
正相接続, 2μF, カットオフ周波数 約10kHz


周波数特性(5F/8422T03 + F00805H0) 逆相, 2μF, カットオフ周波数 約10kHz
周波数特性(5F/8422T03 + F00805H0)
逆相接続, 2μF, カットオフ周波数 約10kHz


周波数特性(5F/8422T03 + F00805H0) 正相, 2.47μF, カットオフ周波数 約8kHz
周波数特性(5F/8422T03 + F00805H0)
正相接続, 2.47μF, カットオフ周波数 約8kHz


周波数特性(5F/8422T03 + F00805H0) 正相, 3μF, カットオフ周波数 約6.5kHz
周波数特性(5F/8422T03 + F00805H0)
正相接続, 3μF, カットオフ周波数 約6.5kHz



コンデンサーを2μF, 2.47μF, 3μFに変更した場合の周波数特性です。2μFの場合についてはF/8422T03に対して正相接続、逆相接続の両方を、他は正相接続のみを測定しています。

当初、上で掲載しているF00805H0の周波数特性(公式)を見たときは、10kHz以上の帯域で凹凸はありますが平均して85dB以上あるので、5F/8422T03の高域補正に使えるんじゃないかな?と思ったのですが、実際はダメでした・・・。

ステレオ誌2013年8月号の35ページに掲載されている5F/8422T03の周波数特性(公式)を見ると、中高域(5~7kHz付近)のレベルが一番高くなっており85dB程度になっています。F00805H0の10kHz以上の帯域は平均して85dB以上あるにもかかわらず、実際に接続してみると全然レベルが足りません。

なぜこのようになったのか考察すると、以下の2点が思い当たります。
  • メーカーごとに測定基準が違う。
    オーディオ評論家の長岡鉄男氏も著書で指摘されていますが、メーカーごとに測定基準が違うため、公式発表の出力音圧レベル、周波数特性を鵜呑みにしてウーハー(or フルレンジ)とツィーターを接続した場合、同一メーカ製品の組み合わせなら問題ないが、違うメーカー製品の組み合わせでは能率が合わない。

  • ツィーターバッフルが悪さしている。
    コンデンサー2μF(逆相接続)の10kHz以上の特性を見ると、まぁ、これでもレベルが低いのですが、私が当初想像していた特性に一番近いようです。ということは、(9kHz以下のレベル低下を無視すると)10kHz以上の帯域では逆相でうまく接続出来ているようにも見えます。これは、ツィーターバッフルの影響で位相が乱れてしまっている可能性があります。


とまあ、ツィーターを接続した意味があまりない状態になってしまった訳ですが、しばらくの間2μF(正相接続)の状態で試聴をしてみました。

もともと5F/8422T03単体では7kHz以上の帯域でレベルダウンしているので、F00805H0を追加したことにより10kHzまでフラットに出るようになりました。そのため、試聴上でも高域が出るようになったし、ツィーターが再生する高域なので、明らかにきれいな音になりました。15kHz~19kHzも一応出ているので、これも無視はできないと思います。

しかし効果があるのは事実なのですが・・・、なにしろメインのフルレンジが口径5cmなので、この程度の効果のためにツィーターを接続するのは正直なところためらいますね。はっきり言って「これではツィーターいらないなぁ」という感じです。

ツィーターバッフルの影響を検証してみたかったのですが、F00805H0が中付けタイプのためツィーターバッフルなしでは実用にならないということもあり、あきらめました。


そこで、別のツィーターを用意しました。
そのツィーターはこちら。

ONKYO TW747A
ONKYO TW747A

ONKYO TW747Aというツィーターです。

これは、以前にこちら記事で紹介している、ダイトーボイスDS-16DFを使用したバスレフ型スピーカーの高域補正用に秋葉原のコイズミ無線で買ったものです。この記事を書くに当たりインターネットで調べたところ、オンキョーの業務向けD'ZACブランドで販売されていたGSP-A01というスピーカーのツィーターのようでした。それの補修部品を手に入れたようです。

なぜこのユニットを使うことにしたのかというと、このエンクロージャーはツィーターを取り付ける部分のバッフル幅が7cmしかないため、手持ちのツィーターではサイズ的に取付けができるものがこれ以外にはありませんでした。

新規で購入するのであれば、小型のドーム型ツィーターがいろいろとありますので、選択肢は広いと思います。


ツィーター取付け部の改造
ツィーター取付け部の改造

TW747Aは外付けタイプのツィーターです。そのため、F00805H0用ツィーターバッフルを取付ける予定だった部分を上の写真のように改造しました。もう、後戻りすることはできません(笑)。

というわけで、ツィーターを交換しました。しかし、スキャンスピーク5F/8422T03が小さいので、どっちがツィーターなのかぱっと見では分かりません(笑)。

スキャンスピーク5cmフルレンジ(5F/8422T03)バックロードホーン完成!(正面)
スキャンスピーク5cmフルレンジ(5F/8422T03)
バックロードホーン完成!(正面)


スキャンスピーク5cmフルレンジ(5F/8422T03)バックロードホーン完成!(ユニット部アップ)
スキャンスピーク5cmフルレンジ(5F/8422T03)
バックロードホーン完成!(ユニット部アップ)


フルレンジとツィーターのサイズがほとんど同じです(笑)。


スキャンスピーク5cmフルレンジ(5F/8422T03)バックロードホーン完成!(正面2)
スキャンスピーク5cmフルレンジ(5F/8422T03)
バックロードホーン完成!(正面2)


市販されているスピーカーではこんな色の製品はまずないので、フェルトの色を水色に決めたときはかなり奇抜なものが出来上がるんだろうなと想像していたけど(汗)、出来上がってみたら意外と普通でした(笑)。

ONKYO TW747Aを接続した状態での周波数特性も測定しました。

周波数特性(5F/8422T03 + TW747A) 正相接続, 1.5μF, カットオフ周波数 約26.5kHz
周波数特性(5F/8422T03 + TW747A)
正相接続, 1.5μF, カットオフ周波数 約26.5kHz


周波数特性(5F/8422T03 + TW747A) 正相接続, 2.5μF, カットオフ周波数 約16kHz
周波数特性(5F/8422T03 + TW747A)
正相接続, 2.5μF, カットオフ周波数 約16kHz


周波数特性(5F/8422T03 + TW747A) 正相接続, 3μF, カットオフ周波数 約13kHz
周波数特性(5F/8422T03 + TW747A)
正相接続, 3μF, カットオフ周波数 約13kHz


TW747Aのインピーダンスは4Ωです。それに対して5F/8422T03は8Ωです。それらを並列で接続した場合、TW747Aには2倍の入力が入りますから見かけ上の能率が高くなります。

そのため、ツィーターのハイパスフィルタカットオフ周波数を高めに設定することにより、高い周波数からレベルダウンさせてクロスオーバー周波数付近のレベルをそろえる方法で5F/8422T03と接続しました。

周波数特性の測定はハイパスフィルタのコンデンサーを1.5μF, 2.5μF, 3μFの3ケースについて容量を変更して行っています。同時にフルレンジとのレベル合わせも行いました。

上に掲載した周波数特性を見ると、3ケースのどの容量で使用しても特に問題ないと思いますが、クロスオーバー周波数付近(7kHz)のわずかな落ち込みがない3μFを最終的に採用することにしました。

高域にかけて右肩上がりの特性になっています。これは、人間の耳の感度は10kHz以上では悪いことと、コーン型ツィーターですからドーム型ツィーターのように指向性が良いわけではないので、ちょっとでもユニット軸上からずれるとレベルダウンを起こしますので、これで問題ないと判断しました。

試聴

試聴は 5F/8422T03 + TW747A の状態で行っています。試聴に使用したCDは前回(測定・試聴編1)と同じです。
  • Karl Böhm:Vienna Philharmonic Orchestra:Beethoven Symphony #9
    もともと低音が出過ぎの影響もありますが、ツィーターなしの状態ではこもったような音だったのがなくなりました。ストリングスのなめらかさが増し艶がでてきたように感じます。

  • マリー=クレール アラン:バッハ オルガン名曲集
    ツィーターなしの状態でもそれほど高域不足は感じなかったのですが、追加したことにより広がり感がさらに出てきました。オルガンを演奏している教会堂が広くなったように感じられます。

  • Jose Miguel Moreno:Pieces Pour Theorbe Franc
    クラシックギターのソロ演奏の場合、トランジェント特性の良さや、低域の再生能力(=胴鳴りが再生される)のほうが重要のようですね。ツィーター追加による変化はあまり感じられませんでした。

  • Sonny Rollins:Way Out West
    ハイハットの音が「シャン、シャン、シャン」と煌いて(?)鳴るようになりました。

    しかし、私の個人的な意見ですがJazzの曲ってハイハットが「シャン、シャン」って鳴るよりも、レンジが狭くて高域が伸びていないスピーカーで聴く「チン、チン、チン」って音のほうが合っているように感じてしまうんですよ。生演奏で聴いたら絶対に「シャン、シャン」って鳴っているはずなんですけどね。変な先入観があるのかもしれません。

  • エンヤ:フォー・ラヴァーズ 「冷静と情熱のあいだ」テーマ曲集
    エンヤの曲はツィーター追加が効果てきめんですね。バックコーラスの風のような音が再現されるようになりました。それに伴い広がり感も出てきました。

  • 平沢進:救済の技法
    高域が出てきたことにより、平沢師匠独特の中毒性のある陶酔サウンドの威力が増しました(笑)。

    中域が落ち込んだ周波数特性なってしまったので、ボーカルが引っ込んでしまうかも?と思っていましたが、このユニットの性格なのかそのようなことはないですね。

    ただ、低音が出過ぎているのは事実なので、ボンついた感じはあります。



終わりに

4回にわたりStereo2013年8月号付録のスキャンスピーク5F/8422T03を使ったバックロードホーンエンクロージャーを製作してきました。

バックロードホーン型という方式は大型になってしまいがちなのですが、使用したユニットが口径5cmということもあり、コンパクトにまとめられたのではないかと思います。

また、複雑な構造をしているために工作の難易度が上がってしまうという難点はあるのですが、メーカー製スピーカーではほとんど見かけることがない方式のため、共鳴管型、ダブルバスレフ型と並んでスピーカークラフトの醍醐味を味わえるエンクロージャー方式だと思います。

この記事を読んでスピーカークラフトに興味を持っていただけたら幸いです。



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