スーパーウーハーを作りたい... ~その後~

その後


1年以上前に製作をした、共鳴管方式のスーパーウーハーを久しぶりに測定してみました。

このスーパーウーハーはCLASSIC PRO(クラシックプロ) 06LB050Uというウーハーユニットを使用しています。このユニットはSR用途の製品であるためエッジが非常に硬く、エージングの効果が大きいユニットと想像されます。そのため、エージング効果が周波数特性にも現れるかもしれないと思い確認してみました。






関連記事リンク

「スーパーウーハーを作りたい...」




構造・完成写真

スーパーウーハーの構造図イラストと、完成写真を再掲載します。

さらに詳しい内容をご覧になりたい場合は、上に掲載した関連記事リンクを参照してください。


スーパーウーハー構造図
スーパーウーハー構造図

基本的には、ウーハーユニット前後に約190cmのパイプと、1回折返しの約380cmのパイプを接続した単純な構造になっています。ユニットが発生する振動でパイプ共振させて低域を増強する共鳴管方式のスーパーウーハーです。

計算上では・・・、
下段パイプ(約190cm)(以下 短パイプ)が、45Hz、135Hz、225Hz付近で共振、
上段パイプ(約380cm)(以下 長パイプ)が、22.5Hz、67.5Hz、112.5Hz付近で共振するはずです。

しかし、パイプ前後(ユニット前後)で発生する音波は互いに逆相になっています。パイプ長の比率を1:2にすることでお互いの共振周波数が重ならないようにしたり、開口位置を離すなどの対策はしていますが、両パイプから放射される音が互いに干渉せずにうまく利用できるかは、実際の動作を見てみないことにはなんとも言えません。


スーパーウーハー全景1
スーパーウーハー全景1

正面から見た全体の様子です。写真には写っていませんが左側に短パイプの開口が、右側に長パイプの開口があります。



スーパーウーハー全景2
スーパーウーハー全景2

別の角度から見た全体の様子。パイプ同士はネジなどで固定されている訳ではなく単に重ねて置いてあるだけのため、トラックの荷物固定用ゴムベルトで結束させています。しかしゴムベルトのテンションが弱いため、他に良い方法が見つかれば交換したいと思っています。



長パイプ開口部
長パイプ開口部

短パイプ開口部
短パイプ開口部

普段使っているときは短パイプ開口部にクッションを詰め込み、さらに座布団で蓋を閉めています。


短パイプユニット部
短パイプユニット部

短パイプに付いているウーハーユニットCLASSIC PRO 06LB050Uの様子です。互い違いに4本付いています。普段は長パイプが上に載っているため見えません。


これらの完成写真は、製作当時に撮影したものを再掲載しています。

本当は今回も分解して個々のパイプを撮影・測定したかったのですが、製作当時、パイプを持ち上げようとしてあまりの重さに腰を痛めているため(汗)断念しました。

メインスピーカー左チャンネルと右チャンネルの間、プロジェクタスクリーン直下に設置してあります。かなりの大きさですが、黒い箱なので意外と目立ちません。

全くの偶然なのですが、外装に黒フェルトを貼ったためプロジェクタ投影時にスクリーンからの光が床に反射して明るくなるのを防ぐ効果がありました。これは儲けものでした(笑)。


測定

ここからは周波数特性の測定結果を掲載します。

使用ソフトウェア:
多機能 高精度 テスト信号発生ソフト WaveGene V1.40 efu氏
高速リアルタイム スペクトラムアナライザー WaveSpectra V1.40 efu氏
入力信号:サインスイープ20Hz~20kHz
マイク位置:下図を参照

測定環境は「スーパーウーハーを作りたい... ~その10~」と同じです。過去の測定結果と比較しやすいようにグラフのプロット位置が同じくらい高さになるように入力レベルを合わせていますが、全く同じになっている訳ではありません。参考程度にご覧ください。

測定環境
測定環境



長パイプ、短パイプを開放した場合



[参考]長パイプ、短パイプ開放 (2012/1/25 測定)
[参考]長パイプ、短パイプ開放 (2012/1/25 測定)
長パイプ、短パイプ開放 (2013/10/28 測定)
長パイプ、短パイプ開放 (2013/10/28 測定)

まずは、長パイプ、短パイプを開放した状態の特性から掲載します。

上段のグラフが製作当時(2012/1/25)に測定したもの、下段が今回(2013/10/28)測定したものです。

パイプ共振と思われるピークをそれぞれのグラフからピックアップしてみると・・・、

2012/1/25測定

  • 短パイプ共振:38Hz(大), 140Hz(?), 230Hz(小)
  • 長パイプ共振:23Hz(小), 65Hz(小), 120(大)

2013/10/28測定

  • 短パイプ共振:38Hz(大), 140Hz(小), 230Hz(小)
  • 長パイプ共振:23Hz(小), 65Hz(大), 120(小)
※(小):ピーク小, (大):ピーク大, (?):不明

スーパーウーハーなので200Hz以下の帯域を中心に見て行きます。

どちらのグラフもパイプ共振を利用している関係でフラットとはいかず凸凹ですが、30Hz~200Hzの範囲のレベルが特に高くなっています。30Hz以下では個々のパイプから放射される音波の位相の関係なのかうまく再生出来ていません。

違いに注目すると、製作当時にはあった50Hz~70Hzの大きな落ち込みが、今回の測定では間に新しいピークが出来て埋まっています。また、全体的に見ると凹凸の振幅がいくらか小さくなって、落ち着いたように見えます。ユニットがこなれてきた効果でしょうか?。



短パイプを座布団とクッションでふさいだ場合



短パイプをクッション+座布団でふさいだ様子
短パイプを座布団+クッションでふさいだ様子

[参考]短パイプを座布団+クッションでふさぐ (2012/1/25 測定)
[参考]短パイプを座布団+クッションでふさぐ (2012/1/25 測定)
短パイプを座布団のみでふさぐ (2013/10/28 測定)
短パイプを座布団のみでふさぐ (2013/10/28 測定)
短パイプを座布団+クッションでふさぐ (2013/10/28 測定)
短パイプを座布団+クッションでふさぐ (2013/10/28 測定)

続いて、短パイプを座布団とクッションでふさいだ場合(長パイプは開放したまま)の特性です。

測定結果は以下のようになっています。
上段:短パイプを座布団とクッションでふさぐ(2012/1/25 測定)
中段:短パイプを座布団のみでふさぐ(2013/10/28 測定)
下段:短パイプを座布団とクッションでふさぐ(2013/10/28 測定)

長短パイプを開放した場合に比べて38Hzのピークは低くなりますが、すそ野は広くなり30Hz以下のレベルが上昇しています。吸音効果のあるものでふさいでいるため、短パイプから放出されている超低域の逆相成分がある程度抑えられているようです。座布団のみと座布団+クッションの効果の違いもグラフに表れています。

30Hz~200Hz範囲のピークは短パイプをふさいだ影響で多少低くなっていますが、こちらの方がよりフラットに近いです。


短パイプを座布団+クッションでふさぐ+ローパスフィルタ (2013/10/28 測定)
短パイプを座布団+クッションでふさぐ+ローパスフィルタ
(2013/10/28 測定)


実際の使用時と全く同じ条件での測定結果です。

スーパーウーハーには何かしらの方法でローパスフィルタを入れないと中高域が盛大に漏れてきますので、通常使用ではAVアンプのサブウーハー出力に接続しています。サブウーハー出力にはローパスフィルタが付いているので、コイルを入れなくても中高域をカットしてくれます。

アンプのローパスフィルタカットオフ周波数はグラフを見ると100Hzのようですね。100Hz以上でシャープにレベルダウンしています。

23Hz付近のピークがもう一声大きくなってくれるとさらに良い特性になりそうですが・・・。共鳴管は基本共振が一番強く出るはずなのですが、なぜか、3倍共振の65Hzの方が強く出ていますね。短パイプから出る逆相成分の影響なのか、長パイプが思ったより共振してくれていないのか、それとも部屋の定常波の影響なのか理由が良く分かりません。


まとめ

今回を含め11回にわたりスーパーウーハー関連の記事を掲載してきました。最後に今回の製作で得られた成果・課題をまとめます。

  • 使用ユニットの実効面積を大きく取りすぎた?

    今回は口径16cmユニットx4本の構成にしました。しかし、専用アンプでドライブするスーパーウーハーのため音量調節がアンプ側で可能であり、ユニットも高耐入力SR用のためラフな使い方ができるので、口径20cmユニットx2本 or 口径30cmユニットx1本 くらい方が良かったのかもしれないと思いました。

    ユニット口径を小さくできれば共鳴管の断面積も小さくできるので、エンクロージャーもコンパクトにできるメリットがあります。


  • 長短パイプ構成ではなく、密閉長パイプの構成のほうが良い?

    長短パイプの組み合わせの場合、どうしても位相の関係で相互干渉がおきている感じがします。

    短パイプに詰め物をしてふさいでしまうくらいなら、最初からパイプは長パイプのみとして、ユニットの反対側は密閉箱でふさいでしまった方が位相の問題も解決できるし、小型化もできるのではないか?と思いました。

    長短パイプ構成とする場合でも、パイプ長の比率をもう少し追い込んでみたかったです。BOSEのキャノンウーハーは長短パイプの比率が3:1になっているようなので、その方が良いのかもしれません。


  • 共鳴管方式に向いたスピーカーユニットとは?

    どんな共鳴器を持つスピーカーにも言えることなのですが、共鳴器に共振を発生させるトリガーはスピーカーユニットなので、共鳴管方式のように特に低い周波数で共振を発生させたい場合、ユニットもf0の低いハイコンプライアンスのユニットの方が向いているように思います。

    今回はコスト優先だったので安価なSR向けウーハーを使いましたが、SR向ウーハーは耐入力をあげるためにエッジが硬く作られているためf0が高いのでラフな扱いでも壊れないというメリットはありますが、超低域再生という観点からすると不向きかもしれません。エージングは継続するつもりなので、今後変化する可能性はあります。


正直なところ、家と同じで3回くらい作らないとなかなか思い通りにはいかないですね。3回でも足りないかも知れない。

でも、こんな巨大なスピーカーはもう二度と作ることはないと思います(汗)。まあ、低域増強の効果は十分にあるので初めて作った割にはうまくいったとは思いますが、もう少し小さく作りたかった。正直なところデカ過ぎ(汗々)。


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